昔から北海道に走る車両たちは、お土地柄専用の設備を施した車両たちが使われていたように思う。もちろん例外もいくつもあるが、専用形式や番台など、耐寒耐雪を強化した車両たちが存在した。本州で走る50系客車は、北海道仕様になると51系となり設備が異なる。九州で使われているED76電機も、北海道では、貫通扉のついた500番代を名乗り、むろん耐寒耐雪は強化されている。こういった塩梅だ。
なかなか本州ではお目にかかれない車両たちだから、なおさら北海道の鉄道には憧れたもの。大きな大自然の中をひた走る北海道の鉄道は、ただそれだけで魅力的に映ったのである。しかし寄る年波には勝てず、年々魅力的に思える列車が廃止され、画一化されていく様子には寂しい思いが湧いてくる。本州からの夜行列車廃止にとどめを刺された感が強いのだ。
ここでは、最後まで残っていた普通列車の客ㇾの在りし日の姿を掲載しておく。道内の大部分がDCかされてしまい、ここ函館本線の朝夕数往復に客車列車が残存していたと記憶しているが、掲載写真は、小樽の町をあとに張碓海岸沿いを走る朝の通勤列車。斜面に林立する小樽の町は、まるで長崎のようで好きだったが、写真にすると列車も赤いせいか溶け込んでしまい、当てが外れてしまった。
1992-05-04 923ㇾ ED76507 JR北海道/函館本線:朝里付近