アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

テンシュテットのマーラー演奏

2015-04-19 18:00:00 | 音楽/芸術

最近の不安定な天気は、いったいいつまで続くのだろうか。特に寒暖の差が激しくて最近体調が今一つ良くない。暖かい春の日差しが待ち遠しい今日この頃である。

そんな日和だからではないが、久しぶりにマーラーを聴いている。本来なら当然のように、生演奏に接して味わいたいところだが、中々思うようにはいかず、CDをかけてお茶を濁しているのが現状だ。もっとも現役の指揮者で、どうしてもこの指揮者でマーラーを聴いてみたいという指揮者はいなくなってしまった。強いていえば、エリアフ・インバルということになろうが、これは昨年都響との第8を聴き、いまだにお腹いっぱいだ。(その時の記事も書いている)

そんな想いの中、今回はテンシュテットのマーラーの第5を聴いた。このCD,アントンKのお気に入りのCDの一つで、マーラーの第5の中では好きな演奏なのだ。ロンドン・フィルハーモニーとのライブ演奏ということもあるが、とにかく第1楽章の出だしの葬送行進曲からして神がかっている。そして曲が進むにつれ、熱く大きくなり、最後は勝利を讃える熱演となって閉じる。残念ながら、アントンKは、テンシュテットの実演には接したことがないが、このCDのような演奏が目の前で繰り広げられたら、どんなにか感動できただろうか、想像しただけでも、身震いしてしまうそうだ。


そして旧型電機ED16のこと・・

2015-04-15 20:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

学生時代、無心になって撮影した電機には、前記のEF57ともう一つED16がある。EF57に比べれば、貨物用機であるし、D型だから小さくてあまり目立つ存在ではなかった。全部で18両が当時の立川機関区に配置されて、浜川崎から奥多摩までの貨物輸送に従事していた。

よく撮影に行った青梅線では、毎時1本は走っていたと思われるほど列車密度が濃く、貨物列車の全てを任され、そのほとんどは石灰輸送だった。比較的行きやすかった青梅線だから、その当時は春夏秋冬のED16を記録することを目標に、せっせと青梅の山を目指していた。

当時は、どうしても幹線でブルトレやゴハチの撮影に明け暮れていたアントンKだったが、ちょっとした息抜きや、気分転換として青梅を訪れることが好きだった。のんびりとゲタ電(73系)に揺られ山に入って、多摩川のせせらぎを感じながら、線路端を歩き、ゆっくり走ってきたED16を撮影する。こんな非日常のような撮影行もまた良いものなのだ。

写真は、そんな撮影行の終盤、必ずと言ってよいほど狙っていた、貨物列車の交換風景。先ほども言ったが、貨物列車が煩雑に運転されていたので、列車同士の交換も多かった。構内が比較的広かった宮ノ平で狙うことが多かった。まず上り列車退避する5191レがやってきて、しばらく停車。しばらくで再び踏切が締り、今度は上り5190レがゆっくりと通過。今こうして思い出しても、どこかホッとしてしまう光景だ。

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1978(S53)-04-23          5191レ(ED168)& 5190レ(ED163)     青梅線 / 宮ノ平にて


憧れのEF57を追った日々

2015-04-12 08:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

今までの撮影歴で、一番の憧れを持って必死に撮影に挑んだ機関車は、間違いなく「EF57」だ。

ちょうど我々の年代だと、国鉄蒸気末期の頃だから、最後の蒸気機関車を求めて渡道して、SLを撮影する仲間たちは周りには多かった。しかし、アントンKは、当時まだ幼稚だったのか、身近ではない蒸気機関車というものの魅力は判らなった。同級生が、自慢げに煙が立ち上がったSL写真を見せてくれ、何度もお誘い頂いたのだが、あまりに現実とかけ離れていたからか、興味はあったが、撮影に行こうとまで思わなかった。今にして思えば、一度でも友人に同行していれば、SLに対してかなり今とは違った価値観を持てたのだろうと、少し後悔の念をもつ。でも、その当時からSLよりもっと身近な鉄道車両に興味があったから、今なおこの趣味を継続できているとも言えるかもしれない。

そんな当時の自分には、このEF57はストレートに心に入ってきた。茶色の旧型電機ながら、もっと身近だったEF13やEF15とは違い、デッキが長く、かつ大きなパンタグラフが左右前に突き出ていて迫力満点。しかも旅客専用の電機というところに憧れたものだ。

雑誌の特集写真に憧れ、ゴーナナ最後の聖地である東北線に明け暮れる日々は、今でも一番の若き日の思い出となっている。

写真は、そんな当時に撮影に出た時の一コマ。上野発の1番列車121列車は、EF575号機牽引。宇都宮まで乗車して、この駅でカマ替え。ここから黒磯までは、EF5884とEF5713との重連牽引だ。そのシーンを隣のホームに急いで撮影したもの。ファインダーの中でゴーナナ同士が並んだと興奮し、必死でシャッターを切ったことを思い出す。背景の東北新幹線の橋脚が、未完成なのが時代を感じる。月並みな思いだが、今の機材を持ってこの日に戻れるのなら、少し寿命を縮めても構わない。

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1976(S51)-10-31    121レ  EF575 & EF5713             東北本線/宇都宮にて


「ワルトシュタイン」再認識

2015-04-08 18:00:00 | 音楽/芸術

音楽は不思議だ。予期せぬ気持ちに自分が引っ張られて一瞬にして集中力が高まり、その音楽のトリコになってしまう。

先日もそうだった。音楽愛好会のような人たちの集まりがあり、それを聴く機会があった。音楽好きな仲間たちが、それぞれの音楽を持ち寄って、しばし披露するというようなもの。どこにでもあるような取りとめのない会だ。各自ご自慢の楽曲を順番に演奏していく訳だが、それぞれ個性があって聴いていて面白い。いわゆる音楽ジャンルというものの垣根がなくて、ピアノで古典を奏でる者、ギター弾き語りで歌う者、ピアノ連弾と、様々やりたいようにやっていたのが印象的。一見まとまりがないように感じるが、自分たちの披露したい音楽ということで、不思議と違和感はない。

その中でアントンKは、30代の大学院生の弾くピアノにえらく心奪われた。楽曲はベートーヴェンのソナタ「ワルトシュタイン」。どうしても普段はオーケストラ音楽を聴くことの多い自分だから、目の前でベートーヴェンのピアノを聴くことは久しぶりに感じてしまう。特に、第3楽章のロンドの主題が、スーッと入ってきて、後はその音楽に無我夢中にされてしまった。どういったらいいのだろうか、懐かしさとか、素朴さとか、心地よさとかを感じた以外に、そこには、人間の喜怒哀楽のすべてが詰まっているように感じていた。これも演奏終了後わかったことだが、演奏者である彼は、ピアノを習ったことなく、今まで全て自分自身独学で練習したとのことだった。そう、この事実を聞いた時、何かその体験の全てが理解できたような気になった。つまり、独自で好きな楽曲をどうすれば理想に近づくかを試行錯誤してやってきたものが、今日の演奏に表れていたということだろう。一流のプレーヤーよりアマチュアのプレーヤーの方が時にして、感動を呼ぶことがままあるが、今回は、まさにそのツボにハマったといってよい。技術の優れていたメンバーは他に何人もいたが、そういった表面的なところではなく、音の内面から出てくるものに共感し感動を覚えたのである。

久しぶりに譜面を読み返したくなってきた・・・

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荒天時の対処法

2015-04-05 19:00:00 | 鉄道写真(EL)

普段鉄道撮影している中で、露出が上がらず難儀することがよくある。撮影自体を朝夕を中心にすることが多いから、当然のことだが、今日のように、カメラ機材がフィルムからデジタルへと変わり、格段に撮影範囲が広がったとはいえ、カメラ任せで撮影する気持ちには中々ならない。出来ることなら高感度は避けて、自分の中の許容範囲を超えないようにしたいし、だからといって、露出不足で撮影することも避けたいという相反する状況に陥る。

こんな時は、潔く諦めて撮らない、ということも最近では多くなった。しかし一方で、せっかく撮影に出ている訳だから、やはり何とかしてシャッターは切りたいということになり、カメラを振る「流し撮り」という手法に落ち着く。この流し撮りも、動感が表現できる一方で、その条件によっては、画像が乱れて見にくい汚い絵柄になってしまう。その加減が難しく、いつも悩んでいるところ。当然ながら、流し撮りは、被写体(この場合は列車)の速度により、それぞれまちまちの雰囲気に仕上がる。これには、撮影者それぞれの好みがあって、アントンKは、あまり流れている画像は好みではない。よく被写体の背景が、とろけている画像を見かけることがあるが、ここまで流れているものは、仮に被写体が綺麗に止まっていても、あまり好きではない。やはり、宙に浮いているような写真よりも、もっと現実的なものの方を理想としている。

作例は、早朝のうす暗い状況で撮影した貨物列車。本来なら、カマのナンバーにピントの芯がほしいところだが、最近は、あまりこだわりがなくなって、それよりも、もっと質感や動感や目に見えない気持ちの部分にこだわりたいと思っている。だから、この作例は、決して満点ではないが、重厚感や力強さが表せたと思うのでよしとして掲載してみた。