アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

さらば 憧れの特急機 EF65 500番台

2024-11-25 21:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)
 JR東日本高崎車両センターにて最後まで孤軍奮闘、数々の活躍シーンを見せてくれたEF65P型 EF65 501号機が勇退した。先週末、2か月続いた引退セレモニーもとうとう最後を迎え、好天に誘われて北風吹く上州へお別れに行ってきた。
 この高崎に所属していた電気機関車とディーゼル機関車は、この日をもって引退の道を辿るということらしい。つまりEF65 501号機に限らず、EF64 1000番台の2台(1001号機、1053号機)、DD51 842、DD51 895の2台の計5台を指している。こう考えると、いよいよ旅客会社に所属して客車を牽く機関車は、蒸気機関車を除けば数両に留まるのだ。もちろん機関車自体は、貨物列車で毎日見られるだろうが、機関車に牽かれた客車で旅情豊かに乗車を楽しむ贅沢な時間は、いずれ忘れ去られてしまうのだろう。哀しく切ない気持ちになってしまうが、これが現代の鉄道の姿なのかもしれない。なかなか割り切れるものでもないのだが・・・
 ここでは誰もが憧れた、アントンKにも当時から鉄道趣味を決定づけたEF65 500番台のブルートレインの写真を掲載しておく。ヘッドマークの一番似合う電機は今でもEF65P型だと思う。それは、毎日東海道を行き来したあのブルトレの先頭に立った貫禄あるイメージが強いからかもしれない。この当時は501号機は、下関に配置され滅多にお目にかかれなかった機関車だった。民営化後も、元気に活躍の場を広げ、我々にその雄姿を躊躇いなく見せてきた。今後もし動くことがないのなら、鉄道文化遺産としてでも保存され、未来の鉄チャンにもその姿を見せて上げてほしいものだ。
1978-05-14     3列車   EF65 506     はやぶさ    田町にて 

渾身の「レニングラード」~井上 道義

2024-11-20 21:00:00 | 音楽/芸術
 ミッチーことマエストロ井上道義は、今年で現役引退を宣言しているが、いよいよ押し迫ってきた今週、新日本フィルとの最後の公演を鑑賞してきた。ベートヴェン、ブルックナーを始めとしたドイツものを中心に長年鑑賞してきたが、最後は井上氏の十八番とも言うべきショスタコーヴィッチ、それも最も過激に感じる第7交響曲となった。
 演奏そのものの感想は、やはり想像していた通り凄いものがあり、全身全霊で楽曲に向かう姿勢に感動すらしたが、何より指揮者、オーケストラの意思疎通が完璧と言えるほど一つになっていて、集中力が目に見えるようで、聴衆にもそれがビンビン伝わってきた。楽曲の出だしからオケの鳴りが良く、すぐに引き込まれたが、全体を通して精神的な気高さは一貫していたように思う。約80分の長い楽曲も、あっという間に感じるくらい心を持っていかれていたアントンKだったが、最後の音が消えて、終演した時の井上氏とコンマス崔氏との安堵の表情が良かった。長い年月をともにして、ここにやり終えたというような安堵の表情が忘れられない。この演奏会は、普段とは違う空気が流れていたように思えるのである。
 マエストロ井上道義氏、昔と何ら変わらずお元気で、お茶目な身振りも相変わらずで楽しい。これぞエンターテイナーそのものなのだが、おそらく来年からも何か自分の中でお考えがあるのだろう。きっと我々ファンを喜ばせる何かを持って再び現れるのではないか。期待して待つことにしたい。
 
第659回 新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会
ショスタコーヴィチ 交響曲第7番 ハ長調 OP60  「レニングラード」
 
指揮   井上 道義
コンマス 崔 文洙・伝田 正秀

2024年11月18日 東京サントリーホール



兵庫でマーラーを聴く新たな人生~カーチュン「悲劇的」

2024-11-14 13:00:00 | 音楽/芸術
 アントンKが今注目している指揮者カーチュン・ウォンがマーラーを振るというので、勢いに任せて兵庫まで足を運んできた。管弦楽は、兵庫芸術文化センター管弦楽団といって、この文化センターのホール開設に合わせて出来たオーケストラで、アントンKも過去東京遠征公演に出向き鑑賞した覚えがある。
 さて、今回は定期演奏会ではマーラー第6交響曲一曲のみが演奏され、3日間連続しての演奏スケジュールだった。(2024-11-8~9~10)アントンKは、スケジュールの都合から最終日を選び鑑賞したが、結論から言ってしまえば、新進気鋭の若手中心のオケではあるものの、やはりこの大曲を3日間続けることの厳しさは聞き手に伝わってきてしまった。90分にわたるドラマは、全体的には指揮者の意図が明確にオケに届いていたと思われるが、時に緊張がほぐれる場面、力づくになってしまう場面に遭遇したのである。特に第4楽章でのパフォーマンスは、この楽曲の鑑賞においては避けて通れない訳だが、fffが汚く音楽的でないため耳にうるさく感じてしまった。もちろんハンマーを打ち鳴らすポイントでは、舞台奥にひな壇を作り、豪快に鳴らしていたが、それに負けじと金管楽器郡がこれでもかと轟音を掻き立てていたのである。座席による差があるかもしれないが(2F正面)、結構響きはデットで残響が短く感じ、オケの鳴りは必要以上に思えたのである。
 指揮者カーチュン・ウォンにとって、今回の第6交響曲は初めてとのこと、譜面こそ置いていたが堂々と自信に満ちた表現は、聴衆を圧倒し楽曲の確信に触れていたように思うが、今回の演奏で云々いうことはせず、前日や初日の演奏の方がさらに理想的だったに違いないと思いたい。昨年の第5に続けて3回目の兵庫芸術文化センター管の定期演奏会だったらしいが、日フィルとの音作りがあまりにも良かったため、少し落胆を隠せないでいる。今後はさらに新たな演奏を聴かせてくれると信じて新幹線に乗った。
 思えば、マーラーを聴きに関西まで行くなんて今までになかったことで、時代は移りつつあることを実感した次第。関西と言えば、ブルックナーというくらい、アントンKには根付いてしまっているが、生誕200年の年に新たな気持ちになるのも何かの縁を感じている。
  第155回 兵庫芸術文化センター管弦楽団定期演奏会
 マーラー  交響曲第6番 イ短調 「悲劇的」
 指揮 カーチュン・ウォン
 
2024-11-10     兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

補機付き重連、いざ国境へ~EF16

2024-11-13 02:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)
 機関車の重連列車は、今も昔も写欲をそそる被写体だ。古くは八王子からの石油列車5472レ、夕方の東海道を堂々と下った荷35レ、出張ついでにいつも狙った倉賀野発の5780レ、そして近年まで残り楽しませてくれた根岸からの8094レなど思い出に残る列車は少なくない。中でも一番印象深い列車は、やはり北海道内をばく進していたDD51重連による夜行列車郡だろう。その本数もさることながら、風光明媚な北海道の大地を駆け巡っていた列車を渡道のたび何処で撮影しようかと、悩みながら行動する贅沢さも今では懐かしく思える。
 そんな思い出深い重連列車から、上越線のEF16による貨物列車を掲載しておく。ここも谷川岳越えで連続勾配を有するため、水上-石打間ではEF16の補機が付くことが多かった。スキー臨のEF58と重連になる8702レが有名だが、実際にはEF15とペアを組む貨物列車の方が、重連運転が数多く見られた。
 1979-02-13   793ㇾ      EF16 31+EF15 101        石打にて

忘れかけた原風景~EF15

2024-11-07 15:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)
 まだ貨物取扱駅が全国に存在し、電車に乗れば必ずと言っていいほど貨物列車に出会えた時代。それが国鉄時代だったように思う。貨車は二軸が当たり前で、タキ専用列車はまだ珍しかった記憶だ。もちろんコンテナ編成で走る特急貨物列車にも出会ったが、圧倒的に黒いイメージの貨物列車がアントンKには印象深い。
 今や旅客列車に機関車の要らない時代に入っていて、ここ数年でまた鉄道のシーンが変わっていくのだろう。鉄道で旅するという目的が昔とは変わってしまい、新しい価値観の創造によって次々と新たな列車が生まれ、そして伝統ある列車が消えていった。こういった流れが今後も繰り返されて時代は進んでいくのだろう。アントンKには、なかなかシンドイものだ。
 半世紀近く前に撮影した、EF15の貨物列車を掲載してみる。中央線快速に乗るため、ホームで電車入線を待つ間の1コマと思われる。現代の駅構内を見ると、当時は何て長閑な雰囲気が漂っているのか。ラッシュが始まる前の午後のワンシーン。黄色い点状ブロックやホームドアはもちろん無く、ゆっくり入線してきた黒い貨物列車を眺めている様子。都内であっても、今より時間がゆっくり流れているように感じるのはどうしてなのか。シルバーシート表示も懐かしい。
  1976-06-06   3485レ   EF15 69 [八]     立川にて