鉄道の日を含むこの三連休に、兼ねてから予定していた大井川鐡道へ乗り鉄旅に行ってきた。
今回は大変天気にも恵まれ、大いに秋を満喫でき充実した時間を送ることが出来たように思う。同行した孫とその父親も大満足の様子で、それだけでも行ってよかったと、今にしてこの男3人鉄旅を振り返っている。ことの発端は、愛孫が未だ現役の元東急7200系に乗りたい!の一言からこの旅は始まっていた。そしてどうせ行くのなら、友人の強い推しもあり大井川鐡道が運営する温泉宿に泊まろうということになり、半年前から計画された旅だったのである。
しかし、実際大井川まで出向いて、一番会いたい7200系が動いているのか、一昨年に災害で、途中折り返し運転が続いている中、電車たちは元気なのか最後まで不安だった。今回は3人で動いたため静岡までの往復は自動車で移動し、宿に自動車を置いて、後は列車旅に集中する計画。普通一般的には、この時期大井川鐡道のメイン列車になっている「機関車トーマス」号に乗車し列車旅を楽しむのだろうが、この手の作られた列車には愛孫はとんと興味がないようで、何とかSLとELが旧客を牽く列車の方ににアントンKの立つ手の希望で乗車できた。
何せ大井川鐡道の現行の列車ダイヤは、客車列車の特別列車がメインであり、目的の普通電車は隅に追いやられているダイヤで、注視してないと気付かない存在だったが、自動車を下りて川根温泉笹間渡駅まで向かう途中に来た区間急行が目的の7200系でやってきた時には大喜び。少なくとも1回は乗車が叶うから、まずはアントンKも心をなで下ろすことができた訳だ。結果として、災害で分断された大井川鐡道を客車列車で1往復、7200系で1往復でき、忘れかけていた旧型客車の匂いや振動、音だけは東急時代そのままのダイヤモンドカット顔の7200系を間近で見て、懐かしく東横線を走る姿を思い出すことができた。
それにしても、地方ローカル私鉄とはいえ車両の痛み、沿線は荒れ果てた状況で川根温泉笹間渡駅の不通側のレールには、草木が生え放題、本当に復活できるのか素人目でもいささか心配になってしまう。新金谷駅に長年留置してある元JR西日本のやまぐち号の客車たちは目を覆う有様。とても見るに堪えない姿をさらしている。すれ違う「トーマス」号は随分盛況に見えたから、あともうひと踏ん張りなのだろうか。アントンKには、フリー切符を買い、温泉宿に泊まり土産を買うことくらいしか出来ないが、将来の鉄チャンのためにも何としても再起して欲しい。
掲載写真は、朝の一番列車を部屋から撮影する愛孫。7時前の始発にまたまた7200系が入り、朝からテンション爆上がりの姿。好天を期待できる青空のもと、銀の車体を揺らしながら単行で走る元東急車は、本来の姿ではないはずだが、昔を知らない孫にとって、これが7200系であり、その可愛い姿に惚れ惚れしていた様子。そんなシーンを時空を越えてカメラに収めることができ幸せに感じたのである。
2024-10-14 2列車 大井川鐡道:川根温泉笹間渡付近