杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ダイバージェント

2014年07月14日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年7月11日公開 アメリカ 139分

最終戦争から100年後の近未来。人類は過去の経験から、国家・人種・宗教という概念を捨て、新たな社会共同体を作り上げた。それは一生に一度の「選択の儀式」という性格診断テストにより、人類を「勇敢(ドーントレス)」「無欲(アブネゲーション)」「平和(アミティー)」「高潔(キャンダー)」「博学(エリュダイト)」の5つの共同体に分類し、その中で生平和的に生きるというものだった。
「無欲」の家庭で育ったベアトリス(シャイリーン・ウッドリートリス)も16歳になり、診断の時を迎えるが、結果はどれにも当てはまらない 「異端者(ダイバージェント)」だった。異端者は未知の力を持ち、人類を滅ぼす脅威と見なされて抹殺される運命のため、検査官(マギー・Q)はベアトリスに事実を隠して「無欲」として生きるよう忠告するが、彼女は「勇敢」を選択し、名前もトリスと改名する。軍事・警察の機能を担う「勇敢」での激しい戦闘訓練に耐えるトリスは心身ともに強さを身につけていく。その頃、政権を担当する「無欲」に対する抵抗運動が勃発。同時に何者かによる「異端者」暗殺計画が動き始め、トリスの身にも危険が迫りつつあった。


ヴェロニカ・ロスの『ダイバージェント 異端者』が原作です。映画は三部作になるんだとか。どうりで「・・・続く」な終わり方だった

最終戦争に生き残った人類が選択したのは平和な世界の筈だったんですが、だからといってたった一度の性格診断で一生が決まってしまう社会というのもなんか変
そもそも全て綺麗に5つに分けてしまえるほど単純じゃないっしょ、人間って
というわけで、分類しきれない者が出てくるのは当然の結果だと思うのですが、それを脅威とみなして排除しようとするんだから、この世界の秩序も崩れかけているってことなんですね。

異端者であることがわかれば、即抹殺の運命ですから、これは何としても隠し通さねばならない。でもこのまま「無欲」として生きるのはどうにも性に合わない。となれば、小さい頃から密かに憧れていた「勇敢」として生きていく方が良いのではないか?散々悩んだ末にベアトリスは決断します。一緒に儀式を受けた兄のカレブ(アンセル・エルゴート)も「博学」を選び、二人の両親の心中を思うとこの場面は胸が痛いな。 家族より共同体が重んじられる世界なのです。

「勇敢」でトリスと改名し、次々に試練を乗り越えていくうちに、彼女は心身共に成長し、「高潔」からの志願者であるクリスティーナ(ゾーイ・クラビッツ)と友情を育み、フォー(テオ・ジェームズ )との間には恋も生まれていきます。実はフォーは本名をトビアス・イートンといい、「無欲」の指導者マーカス(レイ・スティーブンソン)の息子でした。
恐怖を乗り越える精神訓練のエピソードで彼の恐れるものは高所と閉所、そして父親だったのですが、この親子関係は次作に繋がる伏線となっているようです。

肉体の訓練ではギリギリで合格したトリスですが、精神訓練では「勇敢」では考えられない素質を発揮したため、フォーはトリスが異端者であることに気付きます。しかし彼は「勇敢」ならどう対処するかをトリスに教え、彼女を庇おうとします。これって・・恋よね

フォーの助けで何とか試験を乗り切ったのも束の間、今度は「博学」の指導者ジャニーン(ケイト・ウィンスレット)らが政権奪還を目論んで「勇敢」を掌中に収め、「無欲」への襲撃を開始します。生まれ育った共同体の危機に二人は思わず反抗、正体を見破られたトリスは処刑されそうになりますが、彼女を救ったのは母のナタリー(アシュレイ・ジャッド)でした。母は娘が異端者であることを見抜いていて、心配して見守っていたのです。命がけでトリスを守った母の愛の深さに

再会した父アンドリュー(トニー・ゴールドウィン)や兄、マーカスと共にジャニーンら「博学」の企みを阻止するため「勇敢」に戻ったトリスは戦いの末、「無欲」の人々を守ることに成功します。そして生きていくべき「家」を失ったトリスとフォーは共同体を出て新たな地へ旅立つのでした・・・。って・・・???あぁ、まだ続くのねとここでやっと気づいたのでした

それぞれの共同体で暮らす人々は衣服も同じような色合いで統一されています。
勇敢はタイトな黒服で体にタトゥーを施し「無欲」は灰色の服、「博学」は紺のスーツで「平和」は黄色と赤の服、「高潔」は白と黒の服といった具合。慣れればスクリーンの中で誰がどの共同体か一目瞭然というわけです

物語は幕を開けたばかりという印象で、この先の展開はまだ読めませんが、それにしては初回長過ぎじゃないのか?

異端者はトリス以外にもたくさんいそうだし、どの共同体にも属すことができずに社会の底辺で生きることを余儀なくされている人たちもいるし、彼らがこの世界を変えるきっかけになりそうね。

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