杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

カイロ・タイム 異邦人

2014年07月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年10月12日公開 カナダ=アイルランド  90分

パレスチナ・ガザ地区で働く国連職員の夫マークと休暇を過ごすため、エジプトの首都カイロを訪れた女性誌の編集者のジュリエット(パトリシア・クラークソン)。しかし夫は遅れて来ることになり、勝手のわからない街の中でジュリエットは心細さを覚える。そんな彼女に、以前マークの警備をしていたエジプト人のタレク(アレクサンダー・シディグ)が案内役を買って出る。由緒のある建造物や古い街並み、街がたたえる情緒やここに暮らす人々など、ジュリエットはタレクのおかげでカイロの魅力に触れることができた。そして一緒に過ごすうちに二人は惹かれあうようになるが……。


内容は大したことないけどエジプト・カイロの観光ビデオとしての価値は高いという評価があるけれど、確かに・・・と思っちゃいました
町の喧騒や男性専用カフェ、水タバコを燻らす様、ナイル川下りや雄大なピラミッドなど、いかにも異国情緒満載といった感じです。

ジュリエットと夫はそれぞれ仕事に忙しくすれ違いの生活が長かったように見えます。子供たちは独立しましたが、長男が親の承諾無しに勝手に結婚を決めたことに憤慨しているようでもあります。いつまでたっても息子は可愛い存在だからねぇ。気持ちはわかるわ
夫婦のバカンスを楽しもうとやってきたのに、肝心の夫は仕事が長引いて、いつ会えるかの予定も立たず、
アメリカとは風土も慣習も違う異国の地に一人ぼっちなのですが、けっこう大胆に歩き回っているようなある意味怖いもの知らずの行動力はいかにもアメリカ女性らしい気がしました。それでも日々寂しさが募っていきます。

空港でジュリエットを迎えてくれたのは、夫が手配していた彼の元警備担当のタレクです。二人の関係は仕事を超えた友情に近いものがあるようです。なのでジュリエットがタレクを頼るのも自然なことだったのかも。初め、タレクは単に元ボスの奥さんという意識しかないように見えましたが、異国で心細そうな彼女の姿に同情心が湧き、やがてそれは仄かな愛情に変わっていきます。

エジプトといえばピラミッド。夫と行くはずのその場所にジュリエットがタレクと訪れる場面は、朝焼けに輝く美しい場所で、二人は互いの感情を共有します。
しかし二人をホテルで待っていたのは遅れてやってきた夫です。タレクとジュリエットの関係はこの瞬間に出会った時のそれに戻ります。何事もなかったように夫と再びピラミッドの前に立つジュリエットの心の中にはどちらがいたのかしら?

タイトルが示すように、見知らぬ異国でのひと時のときめきのお話です。たぶん本国へ帰れば思い出の一ページとして心の底にしまわれてしまう、そんな気がしました。

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