杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

思い出のマーニー

2014年07月23日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2014年7月19日公開 103分

札幌に暮らす12歳の内気な少女・杏奈(高月彩良)は、悪化するぜん息の療養のため、夏の間、田舎の海辺の村に住む親戚に預けられることになる。しかし心を閉ざす杏奈は、村の子どもたちとも馴染めない。ある日、村の人々が「湿っ地屋敷」と呼ぶ湿原の古い洋館で、杏奈は金髪の少女マーニー(有村架純)と出会い、秘密の友だちになるが……。


イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンの児童文学「思い出のマーニー」のアニメ映画化です。
ヒロインが日本人少女なので、舞台も北海道になっています。

杏奈は幼い頃に両親と祖母を亡くして頼子(松嶋菜々子)に引き取られています。
しかし、ある事実を知り頼子に不信感を持つようになり、彼女にも周囲にも心を閉ざしてしまっているの。
頼子は心配性であれこれ口を出すのも杏奈にはストレスになっていて、その結果喘息も悪化の一途というわけです。おそらく、主治医(大泉洋)はそんな母子関係を察して杏奈の療養を薦めたものと推察できます。

預け先である大岩夫婦(寺島進・根岸季衣)はおおらかで明るい人たちです。頼子のようにあれこれ世話を焼くのではなく、杏奈がしたいように好きに振る舞わせてくれます。
地元の子とトラブルになった時も、杏奈を信用してくれて叱ったりはしません。

マーニーと過ごした二人だけの秘密の日々は、楽しさと喜びに満ち、諍いさえも二人の絆を深めることになりました。ジブリアニメは、自然や建物、内装等の精緻な描写にも定評がありますが、今回も湿地の様子や洋館で開かれる華やかなパーティ、野菜畑の瑞々しいトマトなどに

杏奈とマーニーの出会いは、本人も現実とは思っていないのですが、観客としてはマーニーの正体が気になるところ。幼い杏奈が抱きしめていた金髪の人形が頭をよぎるのですが、実は・・・
でも、ちゃんと伏線はあったんですね~~目の色とか・・
互いの孤独な心が二人を引き寄せたのだと思ったのも少し違っていました


ここからネタバレ


杏奈が頼子に心を閉ざしたのは、自治体から養育補助が出ていることを知ったから。自分が引き取られた理由がお金にあったのだと誤解してしまったんですねでも、マーニーと過ごした夏が杏奈を少し大人にしてくれました。確かにお金を受け取っていたことは事実だけれど、それ以上に頼子が自分を愛してくれていたことを理解できるようになったのです。

マーニーの生い立ちとその後の人生は、いつも湿地の洋館を描いている久子(黒木瞳)から聞かされます。久子はマーニーの幼馴染だったのです。この時「あれ?ではマーニーは杏奈の・・・」と心当たるのですが、肝心の杏奈の反応がまるっきり他人事なの。まぁ、随分幼い時に肉親を亡くしているのだから記憶してなくても仕方ないんですが、おかげで観客もはぐらかされちゃう

真実は頼子が杏奈に渡した一枚の写真で明らかになります。それはあの洋館で、裏にはマーニーの署名がありました。そして写真の持ち主は杏奈の祖母だったのです。やっぱりね~!!

東京から越してきて洋館に住むことになったさやかは、マーニーの日記を見つけたことがきっかけで杏奈と友達になります。夏の終わりに謎も解けるのですが、きっと二人はこれからも友情を育んでいくのだろうなぁとか、さやかの兄とはが芽生えるかも~とか余計なことまで想像しちゃったよ

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