杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アイネクライネナハトムジーク

2020年10月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年9月20日公開 119分

仙台駅前。大型ビジョンを望むペデストリアンデッキでは、日本人初の世界ヘビー級王座を賭けたタイトルマッチに人々が沸いていた。そんな中、訳あって街頭アンケートに立つ会社員・佐藤(三浦春馬)の耳に、ふとギターの弾き語りが響く。歌に聴き入るリクルートスーツ姿の本間紗季(多部未華子)と目が合い、思いきって声をかけると、快くアンケートに応えてくれた。紗季の手には手書きで「シャンプー」の文字。思わず「シャンプー」と声に出す佐藤に紗季は微笑む。
元々劇的な〈出会い〉を待つだけだった佐藤に、大学時代からの友人・織田一真(矢本悠馬)は上から目線で〈出会い〉の極意を説く。彼は同級生の由美(森絵梨佳)と結婚し、2人の子供たちと幸せな家庭を築いている。変わり者ながらも分不相応な美人妻と出会えた一真には不思議な説得力がある。佐藤は職場の上司・藤間(原田泰造)にも〈出会い〉について相談してみるが、藤間は愛する妻と娘に出て行かれたばかりで、途方にくれていた。一方、佐藤と同じく〈出会い〉のない毎日を送っていた由美の友人・美奈子(貫地谷しほり)は、美容室の常連客・香澄(MEGUMI)から紹介された、声しか知らない男に恋心を抱き始めていた。
10年後―。織田家の長女・美緒(恒松祐里)は高校生になり、同級生の和人(萩原利久)や亜美子(八木優希)と共にいつもの毎日を送っている。そして佐藤は、付き合い始めて10年になる紗季に、意を決してプロポーズをするが…。 果たして佐藤と紗季の〈出会い〉は幸せな結末にたどり着けるのか。美奈子の恋は、藤間の人生は―。思いがけない絆で佐藤とつながっていく人々が、愛と勇気と幸福感に満ちた奇跡を呼び起こす。(公式HPより)

 

多部ちゃん出演ということで前から気にはなっていた作品ですが、三浦春馬の件があって観ることに

伊坂幸太郎の小説が原作で、不器用でも愛すべき人々のめぐり合いの連鎖を10年の歳月にわたって描き出した恋愛群像劇です。題名の「アイネクライネマハトムジーク」はモーツァルトのセレナードで知られていますが、日本語では小さな夜の曲の意。

主題歌「小さな夜」と劇中音楽を、斉藤和義が担当しています。佐藤が10年の時を超えて気付く〈出会い〉よりも大切なこと。「あの時、あの場所で出会ったのが君で本当に良かった。」というフレーズがこの作品の核になっています。

一つ一つのエピソードは日常のあり触れた出来事ですが、10年という時を隔てることで、登場人物たちの変化を感じることができます。

上から目線の美男とは言い難い織田が佐藤に説く恋愛論には「なるほど!」と感嘆させられるものがありました。 高校時代のマドンナだった由美が織田に惹かれた理由が何となくわかる気がします

佐藤と紗季を繋いだのは、駅前のストリートミュージシャンの曲と大型ビジョンで中継されていたボクシングの試合。このボクサーと美奈子の出会いもまた一つの物語になっていました。

10年後の話では、高校生になった織田の娘の美緒のエピソードが加わります。駐輪場での一件が、後にファミレスで美緒を助けるセリフの伏線になっているあたりが面白かったです。美緒と佐藤のやりとりも微笑ましい まさに子は親の背中を見て育つ!だね。由美の夫に対する姿勢も、初めは従順過ぎないか?と思ったけれど、彼女なりにちゃんと考えがあってのことなんだと気付かされます。こんな夫婦関係も良いなあ

離婚に至った藤間にも、納得のいく結末が用意されていて、どのストーリーも心温まる展開になっていたのも気持ちがほっこりしました。

それにしても10年経っても同じ人(斉藤さん:こだまたいち)が歌ってるのは一種のファンタジーか


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