杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ライオン・キング ムファサ

2025年01月10日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2024年12月20日公開 アメリカ 118分

息子シンバを命がけで守ったムファサ王。かつて孤児だったムファサの運命を変えたのは、後に彼の命を奪うスカーとの出会いだった。両親を亡くしひとりさまよっていた幼き日のムファサは、王家の血を引く思いやりに満ちたライオン、タカ(後のスカー)に救われる。血のつながりを超えて兄弟の絆で結ばれたムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指してアフリカ横断の旅に出る。(映画.comより)

声の出演(吹替版)
尾上右近 (ムファサ), 松田元太 (タカ), MARIA-E (サラビ), 吉原光夫 (マセゴ), 和音美桜 (アフィア), 悠木碧 (アクア), LiLiCo (賢いキリン), 賀来賢人 (シンバ), 門山葉子 (ナラ), 佐藤二朗 (プンバァ), ミキ・亜生 (ティモン), 駒谷昌男 (ラフィキ), 渡辺謙 (キロス)
 

2019年製作の「ライオン・キング」の前日譚として、若き日のムファサ王とスカーの兄弟の絆が描かれます。
年末予定が合わず、学校が始まった今週の鑑賞です。さすがに空いてた😁 

「ライオン・キング」でシンバの叔父、ムファサの弟として登場するスカーは兄を憎み死なせてしまうヴィランでしたが、今作では二人の関係性が前日譚として描かれています。

若き日のスカーは王の息子タカという名でした。父の命令(血族以外は仲間に入れない)に背いてワニに襲われたムファサの命を救った彼は「兄弟が欲しかった」と無邪気にムファサを慕います。
タカの父は息子の王位を脅かす存在を恐れ、ムファサを雌の中に留めおきます。ムファサはタカの母エシェの愛情を受け、狩りの仕方を教わります。
父に隠れて共に遊び育った幸せな子供時代が描かれ、後の確執との対比がいっそ哀しい。

今回のヴィランは、はぐれライオンを率いる白ライオンのキロスです。エシェを守ってキロスの息子を殺したムファサへの復讐を誓うキロスは、タカたちの群れを襲います。タカの父は血筋を守るために二人を逃がし、ムファサにタカを支えるよう命じます。

ムファサは両親から聞かされていた楽園ミレーレを目指します。その途中で雌ライオンのセラビとサイチョウのザズー、マンドリルのラフィキが仲間に加わったことで、兄弟の関係が壊れ始めます。
タカは心優しいライオンでしたが、母の危機を前にしながら臆病さから逃げ出してしまったことを恥じていました。追ってきたキロスたちから逃れようと像を利用した時にセラビが踏みつぶされそうになった時も何もできずにいました。

セラビに一目惚れしムファサに恋の相談をしていたタカは、彼女を身をもって庇い、それをタカの行為と言ったムファサに感謝しながらも複雑な想いを抱きます。王の命に従いタカを支えようとしてきたムファサも、セラビへの想いを抑えられなくなっていきます。

二人の仲睦まじい様子を目撃したタカは裏切られたと感じ、悲しみはやがて復讐心となって燃え上がります。そんな時、、目の前に現れたキロスを逆に利用するタカの頭には「王には知略も必要だ」と言った父の言葉が浮かんでいました。

ミレーレに辿り着いた一行をキロスの群れが襲います。タカはここで反旗を翻すのですが、ムファサがキロスに殺されそうになった刹那、「ムファサを殺さないで」と庇いキロスの爪を目に受けます。彼の傷はこの時のものなのね。

水中で死闘を繰り広げたムファサを最後に助けたのもタカでした。幼い頃にワニに食べられそうになったムファサを助けたその同じ爪で水中から引き上げます。ムファサへの復讐心の中に、捨てきれない情が残っていることが窺えるシーンです。
(この爪のエピソードは「ライオンキング」でムファサを崖から落としたスカーのシーンにも繋がっているんですね。)

それでもタカのやった裏切りは赦されない・・楽園からの追放を求める声に、ムファサは「私が王である限りは、彼をここに置くことにする。」と宣言しますが、同時に「だがもうその名は呼べない。」と告げます。タカは「ならば(傷という意味の)スカーと呼ぶがいい」と応えます。ムファサの生き別れた母はこの楽園に辿り着いて息子を待っていました。両親をキロスに殺され孤児となったタカの目に再会した二人の姿はどう映ったのでしょう・・・。

本作ではナラが第二子を出産するための場所に向かったシンバに娘のキアラの子守を頼まれたプンバァとティモンも登場します。彼らの「お話」を遮るようにラフィキがキアラに祖父ムファサの若き日のことを語って聞かせる展開になっていますが、偉大な王ムファサよりスカーに思い入れを持って観てしまいました。

若き日のタカが純粋で素直なだけに、闇に落ちてしまった後のスカーが哀れです。
タカには王としての素質(勇気や判断力など)が欠けていましたが、血筋が全ての父親から王になることを望まれ、それが唯一の道だと信じてしまったことで彼の悲劇は始まっていたのかもしれません。
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