田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

日産自動車野球部

2009年02月11日 | 日記
先日の日記で振り返ったばかりの『エバーグリーンボーイ』。
簡単にあらすじを説明するとこんな感じです・・

社会人野球の選手として活躍していた主人公の雄彦。
しかし不況によりチームは解散。会社から解雇を通告される。
20代後半の働き盛りでのリストラであった。
必死に再就職先を探すも、すぐに仕事は見つからず、
日々の糧を得るために小さな運送会社で、
ひとまずアルバイトを始めるのであった。

『エバーグリーンボーイ』を上演したのは2005年のこと。
当時は実際に名門と言われる企業チームが、
次々に休部、廃部を発表する状況にありました。
あれから4年。
ここまで持ちこたえた企業チームも勿論あった訳ですが、
この程、名門の日産自動車が経営合理化の一環として、
神奈川と福岡の硬式野球部の休部を発表しました。
野球だけではなく卓球部(男子)、陸上部も休部とのことです。
現実の中の『エバーグリーンボーイ』とゆうことでしょうか。
いやいや、そんな現実を反映してのONEWAY作品であります。

営利目的ではない小さな劇団、ONEWAYTRIPでさえ、
運営の難しさから活動を休止している訳です。
ともすれば社会情勢や企業の在り方に、
不満の声をあげたくなる僕なのですが、
自身が運営する劇団の現状を考えれば、
組織を維持することの難しさを実感することも出来る訳です。
大切なのは・・踏みとどまること。
それがやがて前進に繋がるのだと信じて。

『エバーグリーンボーイ』では、
主人公にひとつの転機が訪れます。
野球関係者から独立リーグへ来ないかと誘われるのです。
ただし選手としてではなく裏方の職員として。
散々悩んだ末に運送会社の仲間や妻にも背中を押され、
順風満帆ではない独立リーグへの道を雄彦が選んだところで、
この物語は幕を閉じます。
上演当時は四国の独立リーグがスタートして間もない頃でもありました。
物語の中では九州独立リーグとゆう設定で、
架空のリーグを描いていたのですが、
今ではそれが現実化して、
四国と九州のチームがひとつのリーグを形成しています。
その後他の地方にも独立リーグは誕生し、
関西でもいよいよ独立リーグが始まろうとしています。

苦しい経済状況の中、それでも新しく生まれる世界もあるのです。
比べてしまうと規模が違いすぎますが、
ONE WAY TRIPだって頑張ります。

厳しい現状を嘆いてばかりじゃなくて、
明るいニュースを自ら発信していくことに意味がある。

と、久しぶりに覇気をあげてみました。



エバーグリーンボーイ
コメント
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