田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

ある雨の日のこと

2014年08月17日 | 日記



ある雨の日のこと。

僕はにわか雨にあった。

シャッターが閉まったままのお店の軒先を駆りて雨宿り。

5、6分ほどして小ぶりになってきたので、

行こうかどうかと思案していると、

道路を挟んだ向かいの家から初老の男性が現われた。

「雨宿りですか?」

白髪を短く刈り込んで、

大柄で落ち着いた雰囲気の男性だった。

右手で傘を差し、左手にもう1本の傘を持っている。

「これ使って下さい。差し上げますから、どうそ持って行って下さい」

こんなことってあるのだろうかって思った。

「このボタン押したら開きますから」

ジャンプ傘の使い方まで教えてくれる。

「100均の安物やから、持って行って下さい」

返しに来なくていいよってことなのだろう。

僕は何度かお礼を言って、その場を去った。

歩き出して数分で雨は止んでしまった。


その夜、大阪女優の会2014『ヒロシマ』という朗読劇を観劇した。

朗読に耳を傾けながら、

当時のヒロシマのことを思いながら、

なぜか頂いた傘のことを何度も何度も思い出していた。



僕は今ある日常を歌や芝居や短歌にして、出来るだけそのまま綴っていこうと思った。


コメント
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