「恋人の聖地」もないし・・・
と、心の中でつぶやくわたし。
かなりの長距離を
運転できるようになるなんて
すごいことだしネ。
体調がいまいちな状態が続く中、パソコンがとつぜんフリーズ。
泣きっ面にハチ! な日々が襲ってきた。
寝ては夢 覚めてはうつつ幻の・・・生活である。
でも食欲はある。
パソコンはかなり限界にきているようだ。
それでもなんとか持ちこたえて、動くようになった。
今日は、健さんの診察日。
食道ガンの手術が決まったとのこと。
入院は10月15日・・・18日に内視鏡による手術。
今年に入って4回目の入院である。
入院までの1ヶ月は、体力をつけ肺活量をふやすために
歩く練習と息を吐く練習をしなきゃいけないらしい。
で、トレッキングポールストックなるモンを買ってきた。
明日からさっそくトレーニングを開始する健さん。
まずは、家からアルプラザまで
休まずに歩けるようになることが当面の目標・・・かな?
今日は健さんの診察日・・・
子どもたちが病院へ行ってくれるというので、
わたしは留守番。
傷口は、少しずつだけど回復はしてきているとのこと。
検査などの結果から、腎臓に負担がかかっているらしく
来週は腎臓内科で診察することになったという。
加えて食道がんの手術についても決めなければならないらしい。
また入院?
いまだに飲み物をふくめ食事が、なかなかノドを通りにくく
すぐに咳きこんでしまうから
水分が足りて居ないのかもしれない。
で、飲み物には「つるりんこ」という粉末をまぜて
とろみをつけて、飲んでいるから
おナカが膨れるんだそうな。
「つるりんこ」は嚥下障害のための薬である。
ツルリンとノドを通る粉だから「つるりんこ」らしい。
命名がなかなかおもしろい・・・
食事もメッチャ時間がかかるわりに、量が少ないのも心配。
体重はあいかわらず55キロしかない。
おたがい、自分の病気でいっぱい・いっぱいだけど
それなりに、スローライフを楽しみたいと思っている
今日この頃である。
入院中は、一度もお風呂に入れなかった健さんが
ほぼ2ヶ月ぶりにお風呂に・・・
体力も落ちているから湯船には、
1分ほどしかつかれなかったらしい。
そのあと、傷口の消毒と軟膏の塗布、
ガーゼを貼ってなどなど
かいがいしく(?)看護師の仕事をこなしたわたし・・・
放射線治療の痕の皮膚は、固くなっているし
変色した皮膚の色も赤黒くて元にもどるのだろうか・・・
と、思ってしまう。
傷口も、けっこう深くて1~2ヶ月じゃ
肉が盛り上がってこないかもしれない。
とにもかくにも、食事の量をふやし、体力をつけなきゃ!
今日のお昼頃、健さんがとつぜんの帰宅。
まだ完全に傷口が塞がったわけではないが、
どうしても家に帰りたいとドクターに泣きついたらしい。
今後は、敦賀医療センターで診察を受けることになったという。
傷口が2ヵ所、パックリと割れたままなので
毎日、水で洗浄し薬を塗りこまなければならないのである。
お風呂もシャワーも、傷口をぬらさないようにしなきゃならないし
けっこう大変・・・
ほぼ2ヶ月ぶりに顔を合わせた健さんは
体重が55キロまで落ちているし、
顔も二回り以上小さくなっている。
まだ自分の傷口を見たことがないという健さんに
写真を撮って見せたら、ショックを受けていた。
あまりにグロテスクなので写真のアップはしないことにする。
傷口が盛り上がってこない場合は、
皮膚移植になるかもしれないとのこと。
ただ、移植しても放射線治療で患部がケロイド状になっているので
確率は五分五分・・・
来月早々には、消化器内科で診察を受け
食道がんの手術の日程などを決めることになっている。
全快にはまだまだ遠い道のりだ。
毎晩、8時に健さんからの電話・・・
わたしは秘かに「午後8時の愛の定期便」と呼んでいる。
今日は、なんと昼過ぎにかかってきた健さんからの電話!
午前中に胃カメラの検査を受けて、
無くなっていたと思っていた食道ガンがあったんだという。
ペット検査でも見つからなかったのに・・・
で、やっぱり手術が必要らしい。
8月のお盆にも帰れそうにない・・・とのこと。
まだ手術の詳細については、わからないけれど
いくら Que Sera Sera~ な、
わたしでもちょっとショック。
でもね、いくらわたしがジタバタしたって
どうにかなることじゃないし
ドクターのみなさんを信じて、
手術の成功を祈ることしかできない。
コロナ禍じゃなかったら・・・と、つい恨み節が漏れ出てくる。
「オリンピック開催で3000人」の予想が
当たってしまったし・・・
ひとりぼっちの夜は長い。
昨夜は、家に帰りついたのが午後10時前。
帰り路、コンビニ弁当を買って遅い晩ごはんを食べた。
1週間の疲れがでたのか、8時間も眠っていた。
歳をとると睡眠時間が減ってくるらしい。
で、日中にウトウトしたりするから
なおのこと夜の睡眠時間が減ってくるようだ。
8時間も眠れるとは、わたしはまだ若い?
さて今日も健さんから眠れない・・・と電話があった。
手術後、2週間で退院というはずだった健さん・・・
なのに、まだこの先2週間は退院できないんだという。
点滴が1日に3本、食事の代わりに
トロトロの飲みもの(?)を飲用しているらしい。
寝返りも打てず肩はこるし腰も痛い・・・
手術痕も肉が盛り上がってこないと入浴もできないし
今の状態では、家に帰るよりは病院にいるほうが
ずっと安心だし完全看護だしね。
とにもかくにも、ふつうに食事ができて
入浴ができて、体力をつけてもらうしかないのだから。
病院でひとりがんばってる
健さんにかける言葉が思いつかなくて
また明日ね・・・おやすみ・・・と言って
電話を切った。
昨夜のうちに、中池見へ行く用意をすませ
明日は楽しみだわ~・・・と
遠足の前の日の気分だったのに
朝起きてみれば、脈拍は早いし血圧もちょっと高め。
悔しいけれど、迷惑をかけることになりかねないから
中池見行きは、泣く泣くあきらめることにした。
さて、話はガラリと変わって・・・
「のどちんこ」の正式名称は、口蓋垂という。
70年も生きてきて今日、初めて知った。
健さんが食べ物を飲み込めなかったり、
水を飲んでむせるのは
のどちんこが放射線治療で、
小さくなってしまったからだという。
放射線治療による後遺症はまだある。
首すじの縫合部分や、ドレーンを抜いた穴に
なかなか肉が盛ってこないらしい。
皮膚の細胞が放射線によって壊されてしまったから?
今日、やっと抜糸したけれど、
まだ入浴の許可は下りていないとのこと。
なぜか明日から絶食になるらしいけれど、
健さんの電話では詳細がわからなかった。
退院の予定は未定のまま・・・
病院内は、快適な湿度や温度に保たれているから安心だけど、
真夏に退院してきて傷口が化膿でもしたら
それこそ目もあてられないし・・・
いくらドウウスなわたしでも、
まっ、いいか! どうにかなるさ!
なんて気分にはならない今日このごろ・・・
このところ毎日夕方に、健さんから電話が入る。
手術後、血液を抜くために差し込んだドレーンが
外せない状態らしい。
食べ物や水分を飲み込むときには、ノドの痛みもあって
スムーズにいかないとも言っていた。
まだ、入浴も許可がおりていないらしく
早く風呂に入りたい! とこぼす健さん。
手術から1週間・・・
回復が遅いのは、歳のせいもあるだろうけれど
口から食べるものを摂れないことが原因かもしれない。
当事者にしかわからない身体や心の痛みに
かける言葉もほんとうに難しい。
なんせ健さんはわたしと違って、繊細さんだから・・・
わたしは子どものころ家族や親せきから
「ドウウスな子」と言われていた。
敦賀弁(しかも昔々の)で
鈍感とか横着、可愛げがないという意味で
使われていたらしい。
現在では耳にすることのない言葉だ。
確かに鈍感力と横着さで生きてきたのかな~・・・と
思えるところは多い。
ドウウスなとこはわたしの長所! と勝手に解釈して
明日もがんばるわ・・・