2009年10月26日(月曜日)
今日、一番のニュースはなんと言っても
鳩山さんの所信表明演説!
全文がすぐに、web上にアップされたので
保存したけれど・・・長いのでブログにアップするには
何度かに分けないと無理。
よかったなぁ~とわたしが思った一部のみを
ちょこっとだけ、アップしようかな・・・
★政党や政治家のためではなく、選挙のためでももちろんなく、
真に国民のためになる議論を、力の限り、
この国会でぶつけ合っていこうではありませんか。
変革の本番はまさにこれからです。
今日を、その新たな出発の日としようではありませんか。
★ かつて、多くの政治家は、「政治は弱者のためにある」と
断言してまいりました。
大きな政府とか小さな政府とか申し上げるその前に、
政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が
尊重されなければならない。
そのことだけは、私の友愛政治の原点として、
ここに宣言させていただきます。
今回の選挙の結果は、このような「もっとも大切なこと」を
おろそかにし続けてきた政治と行政に対する痛烈な批判であり、
私どもはその声に謙虚に耳を傾け、
真摯に取り組まなければならないと、決意を新たにしております。
★高齢者の方々を年齢で差別する後期高齢者医療制度については、
廃止に向けて新たな制度の検討を進めてまいります。
子育てや教育は、もはや個人の問題ではなく、
未来への投資として、社会全体が助け合い負担するという
発想が必要です。
人間らしい社会とは、本来、
子どもやお年寄りなどの弱い立場の方々を
社会全体で支え合うものであるはずです。
子どもを産み育てることを経済的な理由であきらめることのない国、
子育てや介護のために仕事をあきらめなくてもよい国、
そして、すべての意志ある人が質の高い教育を受けられる国を
目指していこうではありませんか。
このために、財源をきちんと確保しながら、子ども手当の創設、
高校の実質無償化、奨学金の大幅な拡充などを
進めていきたいと思っております。
さらに、生活保護の母子加算を年内に復活させるとともに、
障害者自立支援法については早期の廃止に向け検討を進めます。
また、職場や子育てなど、あらゆる面での男女共同参画を進め、
すべての人々が偏見から解放され、分け隔てなく参加できる社会、
先住民族であるアイヌの方々の歴史や文化を尊重するなど、
多文化が共生し、誰もが尊厳をもって、
生き生きと暮らせる社会を実現することが、
私の進める友愛政治の目標となります。
ほんの一部だけ・・・でした。
さてここからは、朝日新聞の記事です。
ほかの新聞各社もアップしようかと思ったのですが、
今日は、とりあえず朝日だけ・・・
友愛と高揚感 国民に語りかけた52分間 首相所信表明
http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY200910260395.html
注目された鳩山由紀夫首相の初の所信表明演説は、
歴代の自民党政権とは一線を画す内容だった。
約52分間をかけた演説から、政権の今を読み解くと――。
万雷の拍手と野党席からのヤジに迎えられ、
鳩山首相が演壇に立つ。
首相の眼前に居並ぶ議員の3分の2近くが民主党所属だ。
「あの暑い夏の総選挙の日からすでに2カ月――」。
首相は演説を総選挙の話題から始めた。
そして、議場を埋める議員たちに呼びかける。
「全力を振り絞ってお互いに闘ったあの暑い夏の日々を
思い出してください」
「国民の皆さまから直接聞いた声を思い出してください」
首相が「思い出して」と繰り返したのは、
先の総選挙での圧勝だ。
国民の支持こそが鳩山政権の生命線であることを、
自覚しているのだろう。
歴代首相の首相就任後初の所信表明演説からは、
その時々の政治状況が浮かび上がる。
例えば2000年に入ってからの5人の首相の演説を振り返ると、
自民党政権が次第に追いつめられていった歴史を映し出している。
小渕首相の急死を受けて首相の座に就いた森首相は、
所信表明で「継承」を繰り返した。
続く小泉首相は「聖域なき構造改革」を掲げて
自民党立て直しに取り組む。
05年の郵政選挙大勝の余韻が残る中で就任した安倍首相は、
「美しい国、日本」を看板にイデオロギー色の強い
政権運営を進めたが、07年夏の参院選で敗北。
「ねじれ国会」に直面した福田首相は、
「野党の皆様と、誠意をもって話し合いながら」と
民主党の協力を懇願したものの、徹底抗戦にあって辞任した。
麻生首相はインド洋での補給支援活動継続への賛否など
5項目を民主党に「逆質問」し、攻撃に転じようとしたが、
先の総選挙で大敗を喫し、ついに野党に転落した。
これらに対し、政権交代を果たした
鳩山首相の所信表明演説は国民へ語りかけることに
力点を置き、同じく世論の支持に基盤を置いた
小泉首相の演説にも見られない柔らかなスタイルとなった。
「政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が
尊重されなければならない」と「友愛政治」をうたいつつ、
政権が取り組むことを「無血の平成維新」と位置づけるなど、
政権交代の高揚感も漂う。
歴代首相と比べ特徴的なことは、
鳩山首相の個人的な体験談が出てくることだ。
ひとつは、遊説先の青森で会ったおばあさんの話。
「息子さんが職に就けず、自らいのちを絶つしか道がなかった、
その悲しみを、そのおばあさんは私に切々と訴えられたのです」。
もうひとつ、従業員のうち7割が障害者という
チョーク工場の話にも触れた。
そんな新しさの一方で、自身の政治資金問題については
「国民の皆さまにご迷惑をおかけしたことを、
誠に申し訳なく思っております」と国民への
謝罪を盛り込まざるを得なかった。
野党から飛んだ「説明しろっ」というヤジは、
多数を占める民主党議員の拍手でかき消されたが、
自民党がこの問題を今国会で厳しく追及してくることは必至だ。
政権の船出に吹くのが順風ばかりではないことは、
首相自身も自覚している。
慶応大学の渡辺靖教授(文化人類学)は
今回の演説について、
「遊説中のエピソードを紹介するやり方は
とてもアメリカ的だ」と話す。
「あの夏の総選挙の勝利者は国民一人ひとりです」
「国民の皆さま、議員の皆さま、
私たちの変革の挑戦にお力をお貸しください」など、
過去のオバマ演説を想起させるフレーズも散見されたという。
ただ、渡辺氏は「鳩山首相の演説はまだ総花的で、
官僚の作文から脱し切れていない」とも指摘した。
(円満亮太)