2010年9月21日(火曜日)
ヒャア~である。
不正を暴くはずの地検特捜部の検事が逮捕されたのだ。
今日はこのニュースが日本中を驚愕させた。
地検特捜部の存在を知ったのはロッキード事件のときだった。
小沢さんを追い詰めている陸山会事件も東京地検特捜部だ。
泣く子も黙る地検特捜部は
「越前屋、おまえも悪よのう・・・フォッフォッ・・・」
と、千両箱を眺める悪代官や黒幕のご家老を
やっつけてくれる火付盗賊改方・鬼平こと長谷川平蔵みたく
正義の味方だとばっかり、思い込んでいたのに・・・
当分は大阪地検特捜部の資料改ざん問題が
マスコミをにぎわすことだろう。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100921k0000e040055000c.html
郵便不正事件:特捜捜査に根深い病巣 判決変わった恐れも
厚生労働省の村木厚子元局長(54)に無罪が言い渡された
郵便不正・偽証明書事件。
今回発覚した前田恒彦・主任検事(43)による
重要資料の改ざんは、特捜捜査の根深い病巣を浮き彫りにした。
公判では、あらかじめ立てた「事件の構図」に合わせて
強引に供述調書を作成し、署名させる手法が大きな問題になった。
今回の改ざん問題は、供述調書だけでなく、
客観的証拠の中身まで構図に合わせようとしたことになり、
描いた構図に突き進む強引な捜査の実態が垣間見える。
改ざん前の電子データは、無罪判決の決め手になった重要証拠だ。
これを公判前整理手続きで証拠開示され、
弁護側証拠として提出された。
検察側にとって法廷に出したくない証拠で、
隠そうとした疑いも残る。
仮に、検察の構図に合うよう改ざんされたFDが
証拠提出されていれば、村木元局長による指示が推認され、
判決は違った内容になった可能性もある。
刑事裁判や検察庁に対する信頼の根本を揺るがす事態だ。
前田主任検事は改ざんしたFDをなぜ提出しなかったのか、
何を隠していたのか。
残された疑問はまだ山積している。
信頼回復には徹底した捜査による真相究明が急務だ。
【日野行介 毎日新聞 2010年9月21日 13時36分】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100922k0000m040097000c.html
郵便不正事件:大阪地検の主任検事逮捕 証拠隠滅容疑
厚生労働省の村木厚子元局長(54)に無罪が言い渡された
郵便不正事件で、証拠品として押収した
フロッピーディスク(FD)のデータを改ざんした疑いが
強まったとして、最高検は21日夜、
大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)を
証拠隠滅の疑いで逮捕した。
証拠品のデータ書き換えは、現職特捜検事の逮捕という
極めて異例の事態に発展した。
また、大阪地検は同日、控訴を断念し、
上訴権を放棄したと発表した。
元局長の無罪が確定した。
◇村木元局長の無罪確定
前田検事の逮捕容疑は、09年7月中旬ごろ、
パソコンを使用してFD内に記録された偽証明書のデータの
最終更新日時を「04年6月1日1時20分6秒」から
「6月8日21時10分56秒」に改変し、
他人の刑事事件の証拠を変造したとしている。
最高検は21日、今回の事件の捜査が適正に行われたかを
調査する検証チームを発足させた。
年内に調査結果を公表する方針。
また法務省は、当時の大阪地検幹部らを処分すべきか検討する。
前田検事は20日までの大阪地検の調べに
「誤ってデータを書き換えた」と説明し、
意図的な改ざんではないと主張したとされる。
最高検は21日に大阪高検や地検から報告を受けて対応を協議し、
捜査を開始することを確認。
前田検事を取り調べた結果、強制捜査が不可欠と判断した。
最高検刑事部の検事を主任に、東京高検、東京地検の検事も
含めて検事7人の捜査態勢を整え、同日夜には
大阪府枚方市の前田検事の自宅や大阪地検庁舎内の
前田検事の部屋を捜索した。
今後、前田検事の動機を詳しく調べるとともに、
当時の上司や同僚らからも事情を聴き、
組織的な関与の有無を解明する。
問題のFDには、厚労省元係長、上村勉被告(41)
=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=が作成した
偽証明書のデータが保存されていた。
09年5月の押収時点では、更新日時は
04年6月1日だったが、弁護側に返却された後で
調べたところ、6月8日に書き換えられていた。
検察側は公判で、村木元局長が04年6月上旬ごろ、
偽証明書の作成を部下だった上村被告に指示したと
主張した経緯があり、前田検事が検察側の構図に合うように
FDのデータを改ざんした疑いが持たれている。
刑法104条(証拠隠滅等)は、他人の刑事事件に関する
証拠を隠滅、偽造、変造する行為について、
2年以下の懲役または20万円以下の罰金を科すと定めている。
◇「涙がこぼれた」村木元局長
検察の控訴断念を受け、村木厚子元局長は
「さすがに、この1年3カ月あまりのことを思い、
涙がこぼれました。
前田検事の逮捕の件は報道で知りました。
証拠の改ざんのみでなく、本件全体を通じての問題点を
きちんと検証してくださることを期待しています」
とのコメントを出した。
◇最高検、村木元局長に謝罪
21日午後9時過ぎから会見した最高検の
伊藤鉄男・次長検事は
「重大、深刻に受け止めている。
早急厳正に対処する」と話した。
そのうえで、無罪判決について
「基本に忠実な捜査が不徹底だったと言わざるを得ず、
村木元局長にご負担をかけたことを誠に申し訳なく
思っています」と元局長に謝罪した。
◇「深くおわび」大阪地検
前田容疑者の逮捕を受け、大阪地検の
大島忠郁(ただふみ)次席検事は、21日夜の会見で
「捜査に全面的に協力する所存です。
誠に申し訳ありませんでした」と謝罪した。