晴海ヶ丘の空の下

大阪から淡路島に引っ越したアロマピアの 
“おばさんセラピスト” のひとりごと

ハーブ豆知識:ワイルドストロベリー

2020年04月12日 | ハーブ豆知識
ワイルドストロベリーは、小ぶりながら
香りが爽やかな野イチゴで、
学名をFragariaVescaといい、
Fragaria(フラガリア)は芳香のするという意味です。

近年では、『西の魔女が死んだ』という小説の映画化で、
おばあちゃんがワイルドストロベリージャム作りを
主人公の少女に教えてくれるシーンで
有名になりましたね。

和名は「エゾヘビイチゴ」と言い、
北海道の山野では、初夏になればたくさんの
小さな赤い実をつけるのが見られるそうです。

北米インディアンは、葉、根、果実を
古くから薬草として、根は下痢に、
茎は傷に利用していました。

中世ヨーロッパでも、『苺から蒸留された水は、
精霊の乱れに起因する情欲によい』
-ジョン・パーキンソン1640年-
とされ、不思議なパワーがあるハーブと
信じられていて、ヨーロッパ各地の遺跡から
種の化石がたくさん発見されています。

作家バトラーは、「全能の神は、おそらく、
これよりよいベリーをお作りになることが
できただろう。しかし神は、
あえてそうなさらなかった」
と言っているように、
ベリーは人々にとても愛されている果実で、
ドイツのバイエルン地方の民話には、
雌牛の角の間にベリーの入ったカゴを
結んでおくと、妖精たちが喜んで
たっぷり乳を出させてくれると言われています。

ワイルドストロベリーのハーブティーは
「ストロベリー」とつくので、
苺味のフルーティーな
お茶を連想される方も多いのですが
どちらかというと、くせのない飲みやすい番茶
といった感じのお茶です。         

効能
ワイルドストロベリー

ワイルドストロベリー果実

ワイルドストロベリーのハーブティーは、
カルシウムやリン、鉄分が豊富で、
腎臓の機能を高めると言われ、
体内の浄化作用が促され利尿作用により
水太りによる肥満の解消に役立つとされています。

また、下痢と消化器系の不調に穏やかに役立ち、
食欲増進にもなります。

しかし果実は、鉄分が豊富ですが、
体を冷やす働きがあるので、
発熱症状には良いのですが、
胃が冷えていたり、冬など寒い時期は、
食べ過ぎると消化不良など、
逆に消化器系に負担をかけてしまいます。

料理
葉はもちろんハーブティーにして飲みますが、
香りの強いハーブとブレンドすると、
香りをマイルドにする働きをしてくれます。

またスープストックを作るときに入れるのも、
よく知られています。

果実も、もちろん新鮮なうちに生のまま食べたり、
ジャム、ケーキ、シロップ、リキュールに用います。

ラップ人は、ベリー、トナカイのミルク、
ブルーベリーを混ぜクリスマスプディングを
作る習慣があるそうです。

果実をワインに漬けておくと
『精神をよみがえらせ、心を楽しませてくれる』
伝統的な薬酒ができあがるとされ、
古くから親しまれています。

[ブレンドハーブティー]
-下痢気味で体調不良のときに-
ワイルドストロベリー     小さじ1/2
ラズベリーリーフ       小さじ1/2
セージ           小さじ1/2
カモミール          小さじ1/2

-疲れやすく、むくみが気になるときに-
ワイルドストロベリー 小さじ1/3
ローズ 小さじ1/3
ユーカリ 小さじ1/2又は1枚
ネトル 小さじ⅓

-肝腎を酷使しているあなたに-
ワイルドストロベリー     小さじ1
ネトル 小さじ1/2
レモンバーム        小さじ1
梅ジャム 小さじ1
(梅酒の梅を利用してもOKです)

-発汗でミネラル不足から夏バテしたときに-
ワイルドストロベリー 小さじ1 
コンフリー 小さじ1/2
ローズヒップ        小さじ1/2
ハイビスカス 小さじ1/2     

美容

つぶした果肉

ワイルドストロベリーの果実は、
古来より肌を白くして、
シミ、そばかすを消す美容液として
用いられていました。

軽い日焼けの応急処置として、
つぶした果肉を肌にのせれば
肌の炎症を鎮めるのに役立つと言われています。

また、歯石や歯のきばみを取り除き、
歯や歯茎を丈夫にする働きがあるそうです。