晴海ヶ丘の空の下

大阪から淡路島に引っ越したアロマピアの 
“おばさんセラピスト” のひとりごと

ハーブ豆知識:オリーブ

2020年04月16日 | ハーブ豆知識
今回はハーブというよりも、オイルやピザの
トッピングで、なじみ深いオリーブです。

実やオイルは料理や化粧品に広く使われ、
おなじみの植物ですがオリーブの葉も、
青臭い葉っぱのような香りで、
シングルでは、おいしいとは言えませんが、
ハーブティーとして飲用できます。

オリーブの花言葉は『平和』で、
聖書に『ノアの大洪水の最後の頃に、
くちばしにオリーブの若葉をくわえた鳩が
ノアのところに戻って洪水の終わりを告げた
(創世記第8章11節)』と記され、
以来鳩と共に『平和の象徴』とされ、
国連旗のデザインにも描かれ、
人々に広く親しまれています。

オリーブにまつわるもうひとつの有名なお話は、
ギリシャ神話で、海の神ポセイドンと女神アテーナが
ギリシャのある都市の権利をめぐって争いを始め、
天上の神々が「人間にもっとも役立つものを創造した方に、
その都市を与えよう」と宣言された2人は
それぞれ、これまで地上になかったものを創造しようと
一生懸命考え、ポセイドンは平和と多産のシンボルとして
『馬』を創造し、アテーナは力と勇気のシンボルとして
『オリーブの木』を創り出しました。

神々はどちらにするか話し合いますが、
なかなか話がまとまらなくて、
結局投票によって決定することにし、
わずか一票差でアテーナの『オリーブの木』が
選ばれました。

そしてその都市の名を女神の名にちなんで
アテネとされたそうです。

オリーブの樹は、地中海周辺の温暖な気候、太陽、
乾燥気味な空気がオリーブには最適であったようで、
4000~6000年前頃からギリシャやローマで
栽培されるようになり、やがてイタリア、北アフリカ、
フランスへと栽培方法や、その利用法が広がっていきました。

古代エジプトでは、王の死後墓にオリーブの実が
供えられたり、枝を装飾品として使用されました。

ギリシャでは、古代オリンピックの優勝者に
オリーブの苗が贈られたり、
葉で編んだ冠は月桂樹と共に、
競技の勝者の頭に飾られました。

また古代は、バジルやニンニクを漬けた
オリーブオイルを聖油として、神の儀式に
使用されていました。

時代とともに、オリーブオイルは傷薬、肌の美容液、
マッサージ用オイル、ランプ油など、
色々な用途に利用されるようになり、
現在では、地中海地方やヨーロッパ各地で、
オリーブオイルが生活に欠かせないものになっています。

日本に初めてオリーブが伝わったのは安土桃山時代で、
当時ポルトガルの宣教師が持ってきたものだったところから、
ホルト油(ポルトガルの油)と呼ばれていたそうです。

幕末や明治の初期に、オリーブの苗木が輸入されましたが、
根付かず、明治41年にアメリカから輸入した苗木が、
三重、鹿児島香川の三県に分けて植えられました。

そのうち、香川県小豆島で、507本が見事に成長し、
3年後には約7kgのオリーブの実が収穫されました。

そのため小豆島は、日本オリーブ発祥の地と
言われるようになりました。


オリーブの花

効能
身体にやさしいオリーブオイルと、
最近は健康雑誌やテレビ番組でもよく取り上げられますが、
中世スペインのアラゴンのいくつかの村は
『長寿村』として有名だったそうで、
その秘訣は村人たちが、オリーブをたくさん食べていたからと
言われています。

老化を防ぐビタミンEをたっぷり含み、
抗酸化作用のあるオレイン酸も多く含まれているため、
コレステロール値の減少に効果があるとされ、
ヴァージンオリーブオイルの中には、
特にビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質が多く、
動脈硬化の予防に効果があると言われています。

またオレイン酸は、子供の骨格の発育、
ミネラル化(骨格組織へのカルシウム沈着)を
促すと言われています。

さらにオリーブオイルは油脂の中でも胃に負担をかけず、
朝の空腹時にスプーン1~2杯を摂取すれば、
慢性の便秘解消に役立つと言われています。

オイルだけでなく、黒く熟した実を潰して塗れば
解熱や毒素を抜く作用があるそうです。

ハーブティーとして、葉は生でもドライでも利用でき、
血圧降下作用により、高血圧、動脈硬化の予防や、
糖尿病、狭心症、冷え性の方にも、おすすめです。

料理
オリーブオイルは、『植物油の女王』と言われていて、
多くの植物油は種子から油脂を取るために、
科学的な処理が必要ですが、
オリーブの実は果実そのものに油脂があるため、
溶剤などを使用せずにオイルを搾り出せるため、
自然のまま搾り出した天然のジュースのようなものですね。


オリーブの実

イタリア料理や地中海料理には欠かせないオイルですが、
オリーブの実の塩漬けも、地中海沿岸の人々にとっては
漬け物みたいな存在で、そのまま食べたり、
料理の彩りや風味付けに欠かせないものです。

また、ビタミンEを体内でうまく働かせるには、
ビタミンCとの組合わせが有効なので、
レモンを絞ったドレッシングや、オリーブオイルを使った
グリルにレモン汁をかけて食べるのは、とても良い組合わせです。

●国際オリーブ協会によるオリーブオイルの分類
・ヴァージンオリーブオイル
 化学処理を一切していない絞った ままのオリーブオイル。
 いわゆる一番搾り酸価が4%以下のもの。
 エキストラヴァージンは、酸価が1%以下で最高級。 

・精製オリーブオイル
 酸価が4%以上のヴァージンオリーブオイルから、
 酸度や感覚刺激を精製処理で取り除いたもの。 

・ピュアオリーブオイル
 ヴァージンオリーブオイルと精製したオリーブオイルを
 ブレンドしたもの。酸価を抑え風味をもたせている。

美容
某化粧品メーカーのクレンジングオイルが有名ですが、
オリーブオイルに含まれるビタミンA、Eが
肌の血行を促進し、細胞の老化抑制の働きがあります。

また保湿作用や抗炎症作用があり、
肌を滑らかにしてくれることから、
古代ギリシャの時代から現代に至るまで、
肌のケアやマッサージなど美容に最適なオイルとして
広く使用されています。

ちなみに、アロマピアでは、オリーブオイルを
キャリアオイルとして精油をブレンドし、
トリートメントに使用しております。
(オリーブオイルのアレルギーの方には、ホホバオイルを使用致します)