アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測した、棒渦巻銀河NGC 1097の中心部です。この画像では、アルマ望遠鏡が捉えたHCN(シアン化水素)分子の運動のようすを、赤から紫の色の変化で表現しています。アルマ望遠鏡による観測からは、星とは異なり、ガスが銀河の中心とそれを取り巻くリング状に分布していること、そしてその速度分布までもがはっきりと描き出されています。豊富な情報を持つデータから何が読み解けるか、研究者の腕の見せ所です。
見えないブラックホールの見える証拠
ほとんどの銀河中心に存在し、その重力で銀河の星々を引き付けているとされる超巨大ブラックホール。直接観測されていない天体だからこそ、その最も基本的な物理量である質量を測定することはたいへん重要です。研究チームはアルマ望遠鏡を使って銀河の中心部分でのガスの回転運動を観測し、その力学から銀河中心にあるはずのブラックホールの質量を割り出しました。アルマ望遠鏡の高い性能によって、このように新しい科学的事実が次々と解き明かされていきます。これからもアルマ望遠鏡から目が離せません。
<出典>: 「国立天文台:今週の一枚」
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<お知らせ>: 11月11日土曜日に予定されたオービタルATKのアンタレス/シグナス貨物船は、日本時間日曜日午後9時19分に打上られました。国際宇宙ステーションへの到着は火曜日夕刻の予定。捕捉・設置など中継放送時刻等は「ホームページ」の 「ウェブNASAテレビ放送予定」 から。