
オバラです。昨日から授業は始まっていますが、もうちょっと旅行話しにお付き合い下さいね。
長距離国鉄の中で、ミラノに出稼ぎに行く途中と見られる家族スリにあいました。
最初は前の席に躾の悪い子ども達とヤンママが座っているなと思っていたのですが、その内小学生の男の子が妙ななつき方をしてきて、中学生の女の子が私の隣の座席に置いておいたカバンに膝を置きながら、私の帽子を取って振り回し、もう片方の手でショルダーバッグに手を掛け「ティッシュを一枚ちょうだい!」と絡んでくるのです。そこでバックを開けたら最後、サッと財布を取られるのは明らかだったので、「持ってない。あっちに行け!」と軽く突飛ばしましたが、恐れ知らずな堂々とした子どもスリは旅行にウカレる私を強烈にノックアウトしました。
あの器用な身のこなしなら、スポーツ選手や両手両足をバラバラに使うパイプオルガン奏者にもなれそうなのに、生まれ育った環境のせいで家業(?)を継ぐことになってしまった少女。
日本があまりに恵まれているので、世の中の裏社会をすっかり忘れていました。
私がグズグズと反抗期を迎えないでいる学生に悪事を勧められるのも、安定した生活の基盤あればこそ。
外国に行く意味は、平和な町に暮らしていることが当たり前になっている自分に、日々感謝と祈りを捧げるよう思い出させてくれることだった、とインドやメキシコに行った時以来久しぶりに再確認しました。