モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

構成力とは

2014-01-27 21:16:53 | 大人 パステル・色鉛筆・他
Hanzawa2
「照らされて」 半澤 油性マジック/アクリルガッシュ

どうも幸介です!本日ご紹介するのは大人クラスより半澤さんの作品です。ここのところ写真などを見て作品にすることが続いていた半澤さんですが、今作モチーフを見て久々に描きたい!と作り始めました。2枚で一対の作品です。アトリエの壁面にかけてあった右側のマリアの絵はご存知の方もいらっしゃるかとは思います。このマリアの対になる絵にはにガイコツがいたんですね。

近代的でいて「美しさ」よりも「格好良さ」を感じさせてくれるこちらの作品。しかし、この正方形の画面に配置されたモチーフの印象はアカデミックで、金属やガラスはあっても近代的な物は置かれていません。半澤さんの選択する色彩も、極彩色な印象は受けますが、コントラストを強調して色を配置しているのであって、けっして奇をてらって着彩しているわけではありません。半澤さんの作品を「モダン」たらしめるのは、その画面構成にあるのではないでしょうか。

背景を見ても、何もないグレーの空間を時おり分断するように急に色彩の密集が現れたり、高明度・高彩度のモチーフの軽さを無理やりにでもグッと黒い色面で抑えたりしていますね。そういったデザイン的な手法で構成するわけですから、アカデミックなモチーフでも近代的な印象を受けるのだと思います。

デザイン的な手法は一見手軽で、密集と拡散のバランスさえ覚えてしまえばどんな人でもある程度は格好いい画面がつくれます。しかしただルールを覚えて制作しただけでは、格好は良くても魅力の無い作品が出来上がってしまいます。浅い、軽い作品になってしまうんですね。そこを魅力的な作品へと押し上げるのは、今まで山のように作品を描いてきた鍛錬と、それで培われた画面構成力を持っている半澤さんだからこそ、なのだなと思いました。

こちらの作品、今ならちょうど2枚アトリエの壁に飾ってあります。そのタッチや構成・直感的な色彩選びなど是非実物でご覧になってください!!

田中幸介




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