
このモチーフ、見覚えのある方も多いのでは…。以前のブログにのっていた学生の油彩で登場していた、小原先生が意地悪でセットした難しーくわけわかんないモチーフです。実は大人クラスでも挑戦していた方がいました!
というわけで、本日は水曜午前大人クラスより鈴木さんの水彩画2点をご紹介します。今までの作品ではきっちり描き込んでいる鈴木さんなので、大胆なタッチも試して欲しい!と私が勧めたんですけど…、これは難しいよーと苦戦されていましたが、堂々完成です!
鈴木さんはじっくり真面目に描かれる方です。一つ一つのモチーフに熱中し強い情熱で向き合っているのです。その分描き過ぎてしまうので、その克服を今の目標としています。
最近完成した上の作品は、ごちゃごちゃしたモチーフですから、自分の中でどこに重点を置くか定めて整理しなければいけません。今回は何より鹿の骨がメイン。ここはじっくり描き、角のゴツゴツとした質感に骨の少しぬめっとした色と形もよく表現されています。
骨以外のモチーフと背景も、手を入れ過ぎないことに気を配って進められました。赤い布や新聞紙も、もっと描きたい!という気持ちをぐっと抑えたことで纏まりがでたのではないでしょうか。垂れる毛糸がまた美しく、画面に緊張と遠近感を与えています。
背景も白で抑え、影は思い切り黒に近い色をおくことで骨の美しいフォルムが浮かび上がっています。全体がぐっと引き締まって格好良い作品になりました!ぜひぜひ学生たちの油彩とも見比べてみてくださいね。

描かない部分を見定めて省略したり暗く塗りつぶすのはポイントですが、どこまで描けばいいんだろう…と、ついつい描き過ぎてしまうことってありますよね。現在の状態を冷静に見られるよう、頻繁に作品から何メートルか離れて見ることも重要です。
透明水彩では、白を残す描き方なので特に頭のなかでの設計図が大切になってきます。後戻りできない一発勝負も多くなります。ですが、鈴木さんのモチーフに真摯に向き合う姿勢こそがその勝負にも打ち勝つパワーです!
というわけで…次回作ではかなりの勝負してますよ~!皆様乞うご期待! 庄司でした。