モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

可愛いは正義

2016-05-09 21:03:43 | 大人 油絵・アクリル

斉藤 オイルパステル

どうも幸介です!あの憎きゴールデンウィーク(1日しか休みが取れませんでした…)も終わり、本日からブログも再開、平常運転です!!本日ご紹介するのは斉藤さんの作品。パステルカラーが目と心に優しい、オイルパステルの作品です!!ご友人へホワイトデーのお返し用に制作されていた絵とのこと。

こちらの絵、フワッとした毛並や目の艶など、動物の生き物然とした温かさが伝わってきますね!!絵本の挿し絵のような温かみがあります。パッと画像を見た感じだと、0号ぐらいのキャンバスの作品かな?と思われるでしょう。でも実はこれ、もっと小さい極少キャンバスなんです。細かいところまで描きこまれているので、画像だと分かり辛いかもしれませんね!

キャンバスの縦は6cm、横は4cmぐらいの手のひらサイズ。そこにこれまた耳かきのように小っさいペインティングナイフで細かに色を乗せて乗せての作業。試し塗りなどの色のチェックも欠かしません。オイルパステルの作品は何枚も制作されているんので、細かな混色などもお手の物!斉藤さんの画風は、年々職人化していってます。

今作で描かれているモデルたち、長毛&ボリューミーな犬と、みんな大好きウサギさんです。ウサギ、絵にするのがすごく難しいんですよね。僕も昔ウサギを飼っていまして、何度かデッサンしたことがあるんです。一見可愛い動物なんですが、ウサギってよくよく見るとネズミ系のちょっと間抜けな顔だし、目は割と飛び出しているし、耳なんてよく見たら血管がクッキリしていてリアルだし、本物に近づこうとすればするほど可愛く描けないんです。そもそも、果たして本当にウサギは可愛い動物なのか!?という疑問もありますね。多くの人が「ウサギ=可愛い」と平均的に認識しているのは、きっと刷り込みなんじゃないでしょうか。ウサギは幼児が絵を描く際によく好まれる動物です。なぜかというと、絵の上手に描けない幼児でも、「長い耳を二本」という確固たるアイデンティティ付け加えた生物を描けば、親御さんや周囲に「ウサギさん描いたのね。上手ね。」と分かってもらえるからです。幼児がモチーフとしてウサギを好む→子ども向けにウサギを商品&キャラクターなどに起用する→さらに幼児が好む→さらにキャラクターが………という具合で『ウサギどんどん可愛いポジションになっていく』スパイラルが生まれるのです!!

…話がそれましたが、要はリアルに捉えようとすると可愛さや温かさの伝わらないモチーフを、斉藤さんは良いバランスで描けていると思います!!これ以上描いたら、きっと可愛くなくなります。陰影も全体的に中間色でまとめ、立体感を出し過ぎないようにする。背景色の明度を、ウサギで使用している色と同じくらいに合わせる。ウサギがニンジンを食べている構図にして、動きを出す。動きを出すことによって、見る人それぞれの記憶の中のウサギの印象を揺さぶる。そうすると、日本人はウサギ=可愛いと刷り込まれていますから、必然的に可愛く思えてくる。

そんな数々の高等テクニックを斉藤さんは駆使して描かれています!!ちなみに僕がこの世で一番可愛いと思う動物はウサギです!!可愛いは正義!!

ということで斉藤さん、季節も暖かくなってきまして、また月曜クラスでは予約をお待ちしておりますよー!!斉藤さんいないと静かすぎ&真面目すぎるので、首を長くして皆でお持ちしております!!
コメント (2)
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