
森 油彩
今回はチケットでいらしている森さんの作品です。左側は雪の中リヤカーを引き、朝市に向かう人を描いたものです。そして右は、ご自身のお孫さんを描かれたもの。森さんの作品はその独特なタッチで描かれているのが魅力です。
ご家族の肖像を描かれる時、特に顔を似せるのにじっくりと時間をかけることの多い森さんですが今回お孫さんを描く上では、とてもすんなりと顔の印象が決まっていったと記憶しています。又、難しいアングルからの三輪車も難なく形を取られていたりと、今作は大変スムーズな流れで描き切ることができました。森さんから見たお孫さんの愛らしい姿がストレートに表現されていますね。
一方、雪の風景を描いた作品はご自身曰く、今までの風景作品はどちらかというと海外のものがほとんどでこちらのような日本の所謂ローカルな事象を題材にしたようなものは初めてということでしたがそういった意味でも今までの作品とは一風異なる印象を受けます。
ヨーロッパの広大な山並みや華やかな異国の風情とは違う日本の湿度を伴う土着的な風景というのも実に赴き深いものです。そうした華やかさとは対照的な世界観をその独特なタッチで見事に表現されています。心に染み入るものがありますね。
今後はもっと細密画のような、しっかり描き込んだリアルな描写系の絵を描いてみたいとの思いがおありとのこと。新しい技術を身に付け制作しようというチャレンジ精神、素晴らしいですね!これからも楽しみにしています!岩田でした。