モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

講評のこと、日々の作品づくりのこと

2018-11-10 17:16:15 | 展覧会

いつも有難うございます。土曜日の男、岩田です。

先週のブログで展覧会の記事を書かせて頂きましたが、本日は会場での講評の事、私自身の普段の制作に於ける事柄などをお話させて頂きたいと思います。

先日の講評で、作品の前に立ち、作者の話を聞いていると、お話させて頂いた方々がどのような心持ちで作品と対峙しているのかが分かりました。
そこからは、何となく好きなものを描いています、という以上に、描いているものをひとつの「表現」に昇華させたいという気持ちが感じ取られました。それは、特に今回講評させて頂いた方々が絵を描いている経験が長いということもあるでしょう。

例えば、朽ちて置き去りにされた船をある種擬人化し、味わい深い色で、且つ活き活きと描くことで、一見してそのように見えるモノ(者)でもまだまだ頑張れるのだ、といったメッセージを暗喩として込め作品を描いていて、更に1枚の作品としての完成度を高めたい方。

魅力的な作品を描きつつも、本音は、自分の描きたい方向性があり、それを画面にさらけ出してしまうことで、鑑賞者に理解されるのかどうかといった思いを持ち、何となくまとまりの良い絵を描いてしまうという方。

色やその佇まい、雰囲気などは、自分の心を反映した表現となっているのだが、モチーフとしての人物が中々思い通りに描くことが出来ないという方。などなど。

皆さん、高いレベルでの「表現」を目指しているからこその迷いを赤裸々な言葉でお聞きすることができたのでした。
とは言え、私も皆さんと全く同じことで日々、思いを巡らせているというのが正直なところ。「先ずは、鑑賞者のことより、自分がやりたいと思ったことを思い切りやってみましょう。」「ここから自分の理想の絵を作る為には、努力してもう一山超えねばなりませんが、頑張って下さい。」といったアドバイスもよくよく考えてみたら、自分に向けて言っていようなものです。
私の場合、作品制作が生業であるが故、多くの人に支持されることが望みではありますが、それ以前に、自分が出来る限りドキドキワクワクして作品を作っていきたいと思っています。その為には、一頃に留まっていることを是としない気持ちを持つことも必要でしょう。

押しつけがましく聞こえてしまってはいけませんが、皆さんも自分の心に出来るだけ正直に、純度の高いイメージを思い描き、その理想に向けて日々研鑽されて下さい。

コメント
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