モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ハロウィーンと秋の絵について

2018-11-15 22:38:40 | 幼児

外村です。ミオスでのハロウィーンは初めてでしたが、講師・生徒ともにかなりの熱の入れようで、教室全体でお祭りの熱気に包まれていました。お祭りの準備から皆で行うことは重要な経験だと思います。皆が楽しんで出来ることも大切です。
今日は幼児クラスについてご紹介します。

幼児たちはオレンジや紫・黒といった色の画材が見えた時点で、ハロウィーンを連想して、何を作るのか興味津々です。毎回感じますが、子供たちの集中した時の表情はとても魅力的です。
10/31のハロウィーン当日、今年は水曜日でしたので、お菓子を入れるカボチャ型キャンディーポットを制作しました。年少さんも随分ハサミの使い方が上手だと感心しましたが、制作している隣で小原先生が鏡に向かってゾンビメイク(!)をしているものですから、それがとても気になります。課題内容の説明と小原先生のメイクとの両方に興味を惹かれながらの(そわそわ)授業となりました。
キャンディポットにお菓子を入れてもらってからは、いよいよ幼児も傷作りです!とは言っても、小学生のようなリアルな傷ではなく、モンスターの傷作り。好きな色の粘土で傷を作り(血は控えめ)、ガラスの破片代わりのペットボトルの切れ端を刺して、手の甲にくっつけました。

先週は「秋の樹木を見上げる絵」を描きました。まず10分お絵描きで人物を練習します。年中・年長さんは横向きで「見上げる人」、年少さん・入会したばかりの年中さんは「正面の人物」。人体の大まかな比率、姿勢を勉強しました。
その後の「秋の絵」では、色彩で季節を連想する導入後、人物と樹木の効果的な配置(構図)を実践します。
講師の誘導は勿論ありますが、そこに子供自身の工夫が重なり、作品になります。家族を描く子、樹木を大きく描く子、落葉の様子を描く子、木の根元にキノコを描く子など、それぞれ違った「秋の絵」になりました。
クレヨンで力強く木の表皮を描いてから淡い茶色の水彩を塗る効果や、木と人物の比較を考えた構図など、作業工程の必然性をご理解頂けるかと思います。

僕がミオスに来てから様々な課題がありましたが、特に興味深かったのはホラーハウス(写真一番上の右側)です。トレーシングペーパーを使い霧がかかった印象を出しつつ、不気味に増築された家を描き出していきます。渡された素材の絵画的な効果を実感しながら、工夫やオリジナリティを加えて進んでいく技法は、幼児が制作中に次々に絵を変化させていく『視覚的文脈のある描画活動の楽しみ』をダイレクトに感じる制作でした。
偶然あるいは意図的に描いた線や形の痕跡が次への描画行為に影響を及ぼすという『視覚的文脈』と、描いている途中で湧き起こるイメージや感情が次への描画行為につながっていくという『物語性文脈』 は、幼児ならではの特徴的な制作方法です。

幼児クラスでは課題の内容はその時期(季節)に関連したものが多く、子供が実感しやすい工夫がなされています。新鮮な刺激を僕自身が受けながら時間が過ぎていきます。

コメント
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