オバラです。今年も川崎市美術展に、学生クラスの作品を応募してきましたが、下記6名のみ入選致しました。部門ごとに入選数が決まっており、かなりな倍率が予想されます。
毎年こちらの思惑(予想)と違った作品の入選に、指導する立場の我々講師も翻弄されっぱなし。「なんでこの絵が落ちるの!?」は当たり前、「え?この絵でいいの?これ飾って大丈夫?」という作品もあり、基準が全くわかりません。まさに賭博!
左 萌恵 高2『蛇喰鷲』油彩 / 右 由紀 高2『鹿児島県産豚肩しょうが焼き200g』油彩
今回はその賭けを見事に裏切ってくれた?代表作、写真右側ー由紀の『鹿児島県産豚肩しょうが焼き200g』。だいたいタイトルの意味が分かりませんし、作品自体も中2病っぽいし。
元々はアンティークな花瓶と薔薇の花の写真を見て描いていたのですが、花びらがなんだか分厚くなってきて「もういっそ肉にしちゃおうか?」と買いに行かせました。しかし器用に肉を巻いて薔薇の花を作り、模写をしたまでは「まぁ面白くていいんじゃない?」だったのですが、まさかそれをそのまま題名にするとは!その豪快なセンスに脱帽です。入選しなければただの変な絵だったかと思うと、この絵に価値を与えてくれた市美術展に感謝ですね。
打って変わってその隣の萌恵の『蛇喰鷲』。小さい頃から小鳥を飼っている鳥類好き。好きこそものの上手なれで、前回ブログに載せたカラスの鉛筆デッサンも、繊細で素晴らしい描写力でしたが、今回は油絵の具特有のマチエールをふんだんに使い、迫力満点な風格をまとった鷲になりました。特徴的な鉤型に曲がった嘴と鋭い目の輝きがリアルです。また猛禽類とはいえ小首を傾げた仕草は鳥類共通で、らしさを丁寧に追い掛けました。静かで真面目な萌恵の安定感ある仕事っぷりは、何をやらせても信頼できます。そこを評価されたようで本当に嬉しく思います。
左上から 藍 高1『自画像』 油彩/ 優 中1『江の島 in 俺』油彩
さくら 高2『貴方の全てを食す』油彩 / 大志 中1『ゾンビバスター』水彩
こちら4枚は、以前にブログでご紹介していますので、記憶に残っている方も多いのでは?タイトルをクリックして頂けると前回のブログが見られます。
土曜日まで展示されていますので、お時間ございましたらぜひご高覧下さいませ。
第52回記念 かわさき市美術展 入賞・入選作品展
川崎市民ミュージアム 2F 企画展示室2
2019年3月2日(土)~3月16日(土)9:30~17:00(入場は閉館の30分前まで)
※3月16日(土)のみ15:00まで
観覧料 無料 / 主催 川崎市・かわさき市美術展運営委員会