坂本 岩絵具(日本画)
早いもので9月となりました。秋も近づいております。
今回は、土曜午前クラスの坂本さんの作品をご紹介します。お堀沿いの桜の並木が最盛期を迎えた春の景色をモチーフに描かれました。手前から奥へゆったりと広がった空間が目を引きます。
坂本さんにとって岩絵具は未知の素材ではありながら、やはり色の取り合わせという意味ではいつもながらのセンスが反映されています。
以前からも水面を描くことはしばしばありましたが、それを表現する上での色の取り合わせが何とも美しいのです。桜の色が影の投影と共に水面に反射して、うっすらと紫がかった色など絶妙な色をあてはめているのが見てとれます。
それでも全体的には桜を主役として引き立たせる為に、抑えるところはちゃんと抑えるといった絵作りもぬかりがありません。
今回は、日本画の最初のチャレンジということで桜の花の柔らかさ、繊細さはまだまだこれからという印象をもつ反面、坂本さんが岩絵具描を扱い続けるならば、どんな絵を見せてくれるのだろうかという期待感があります。
幾ばくかの面白みを岩絵具に感じたとしたら、是非又描かれることをお勧めします。