莉奈 高2 岩絵具・金泥/パネルに和紙
毎年衣替えのタイミングがつかめません!マユカです。最近は暑い日が続いている気がしていたのに、今日はめっきり寒いですね。
本日ご紹介する日本画を描いたのは、私が川総デザイン科・高校3年生の時に、1年生として入学して来た後輩の莉奈です。
金魚鉢よりも大きな金魚、傾いた金魚鉢や水しぶきによるダイナミックな構図が印象的!画面全体が青系統の色でまとめられているので、真っ赤な金魚がとても目を惹きますね!飛び散った大粒の雫からはバシャッという音が聞こえてきそうです。また、背景の色を上下で分けることによって、今まさに金魚が水へ飛び込もうとしているようにも見え、見る人を退屈させない一枚となっています。
さて、こちらの日本画、どうしても金魚に目が行ってしまいますが、魅力は水の表現にあると思います。水というとシャープでさらさらとしたイメージがありますが、この作品ではかなりデフォルメして描かれていて、どこか鈍く重く、ガラスの塊のようにも見えます。しかしなんだか手を伸ばして触れてみたくなるような不思議な魅力があり、私は一目で好きになりました。さらさらとした水はもちろん美しいのですが、こういったジブリ映画のような、プルっとした水の表現は彼女の個性を強く感じさせます。描きこみにも一層力が入っていますね。
この作品が持つ独特なもったりとしたテイストは、この記事を読んでいる方の中にも「好き!」という方が一定数居るような予感がします。
描いた本人がこの良さを理解したうえで描いていたかは分かりませんが、もしそうでないなら是非知ってあげてほしいです。突き詰めれば絶対に自分の強みへと変換できるはず!
作品作りにおいて「この人にしか作れない」というのは最大の強みであると予備校の先生に言われたことがあります。今回の日本画で見つけた莉奈の「強み」をこれからの作品作りを通してより伸ばしてあげられたら素敵ですね!