松尾K 鉛筆
岩田です。いやー今週も暑かった。しかしそのお陰で小学生のイベントも大成功のようで何よりです!
本日は、松尾さんの作品をご紹介します。
松尾さんは、今回が初めての作品掲載になりますが、特に風景を鉛筆で描くことがとても好きで、これまでも、龍安寺の枯山水やご自身で撮影した川の風景などを描いてきました。
白と黒だけで表現するシンプルな描画材だからこそ、奥が深く、工夫によって驚くような表情を見せてくれるものです。作者もそうした工夫という意味では余念がありません。
例えば電動で先が動く消しゴムや8Bや10Bなどの通常では使わないくらいの濃い鉛筆を駆使しています。そうすることで、描くことが楽しくなったという言葉も聞いていて、今回描いた波の表現においても、そうした心持ちが反映されているように思います。
掲載した作品は、伊勢の海岸にある二見興玉神社の夫婦岩。
作者が今まで選んだものの中でも、決して容易には描くことができないであろうモチーフ。
でも、そうしたことを苦と思わず、チャレンジし攻略しようとする気持ちが、描画材への工夫へと繋がっているのでしょう。
前述したような緻密で滑らかな白波立つ水面、それと対比するような黒い岩の硬い表情、そして向こうに見える夫婦岩を微妙な濃淡で美しく描いています。建物の後ろの山にも細かい描写がされており、様々なバリエーションで楽しませてくれますが、その分、どこに視点を置きたいのかという意味では散漫なようにも見えます。
これからは、写真をそのまま参考にするというところから、もう一歩進んで、「絵を作る」という観点で描いてみましょう。