加瀬 油彩
岩田です。
今回は、加瀬さんの油彩をご紹介します。
こちらは、おうちのソファでくつろぐワンちゃん達を描いた作品。何かに気づいてそちらをフッと凝視しているような姿が面白いですね。
主役を右に寄せ、視点の方向を空けている構図が効果的で、見ているこちら側に、「誰か知らない人が入ってきたのかな?」「キッチンでご飯の準備をしているのかな?」といったように、視点の先で何が起こっているのだろう?という想像力を想起させます。
ワンちゃん自体も、いつもよく見ているからこその眼差しで描かれており、特に動物ならではの無垢な顔の表情が印象的です。
こちらは、全てを写真の通りに描こうとし過ぎて、主役のワンちゃん達が目立たなくなってしまい、完成までにかなり時間が掛かりました。写真を元に描くことは、一般的なことですが、背景と主役の色の関係や、見せるべきところとそうでなないところの描き分け等、写真をそのまま描き写すのではなく、あくまでも絵画作品に仕立てる為にの施策を考えることが大切です。
前回のブログでも佐藤先生が『絵を描く時には「いかに描くか」と同じくらい「いかに描かないか」も大切』と書いていましたが、作者が表現したい世界観をもっと考え抜いて制作すると良いかもしれません。