加瀬 油彩
佐藤です。本日は水曜午前クラスより加瀬さんの油彩作品をご紹介します。
加瀬さんは以前にも、子供と柴犬をモチーフに油絵を描かれています(以前の作品のブログはこちら)。
以前は2人が草原に座っている情景でしたが、今回の作品では部屋の中から2人が窓の外を眺めています。シチュエーションは異なりますが、作品に漂う柔らかさや暖かい空気感は、過去の作品から一貫して表現されていますね。
加瀬さんご自身も、2人の関係は元より、室内の温度と外の気温の違いや、赤ちゃんの暖かさやミルクの匂い、汗の湿度などを感じさせる絵にすることを目標とされていたようです。
色使いやタッチも勿論なのですが、窓の向こうの景色をほとんど描き込まずに留めていらっしゃるのがとてもお上手だなぁと感じます。
なぜなら、絵を描く時には「いかに描くか」と同じくらい「いかに描かないか」も大切だからです。
全部のモチーフを詳細に描き込みすぎてしまうと、どこもかしこも主張が強く、見せ場が伝わりづらい絵になってしまいます。なので、しっかり描く場所とそうでない場所を決めることは重要なのですが……「描かない」というのは描くことよりも余程勇気が要るんですよね。
この作品では窓の外を描きみすぎないことによって、「快晴ではなく花曇のような日なのかな」「部屋全体に柔らかい日が差し込んでいるんだろうな」と、その空間の明るさや湿度を想像する余白が生まれています。
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岩田先生が4・5月お休みしている間の補佐として、アシスタントを勤めさせて頂いておりましたが、岩田先生が6月も展示会準備のためお休みしなければならないとの事で、引き続きお手伝いをすることになりました。
残り1ヶ月ですが、皆様の美術を愛する気持ちに寄り添えるよう努めて参ります。どうぞよろしくお願いします。