岩田です。GW明け一発目は土曜午前クラスの箕輪さん。
春らしいとても清々しい一枚です。 モチーフはサクラとそこにとまるムクドリ。透明水彩の特徴を活かし、美しく表現されていますね。
密集している花をじみやぼかしを多用して描いていくという狙いは、演出という意味でも面白いですし、こうしたものを描く上で理にかなっている表現だと言えます。脇役の花は雰囲気重視、主役は対照的に描きこんであげることで視点が散漫になってしまうことを防げます。
又、枝を見てみてもサクラの木のごつごつとした印象を良くとらえていますね。光源に対して光が直接当たる側、影側の明度も的確に描いており、自然な立体感が出ています。
主役のムクドリも優しい顔が印象的ですがやや平面的な感じになっていますね。又、ムクドリが止まっている位置や光源を考えるとその上にある枝の影が投影された方が自然な印象になるでしょう。画面の中に箱庭的空間を想像し、そうした現象までも的確に描くことが出来れば作品の質も更にレベルの高いものになっていきます。