命からがら北朝鮮を脱出してきた女が、実はスパイだった。
あれだけ多くの脱北者がいれば、中にこういう手合いがいると考えるのはむしろ自然だろう。いままで一人も見つかっていなかったことの方が不自然だ。
《韓国の夕刊紙、文化日報は27日、北朝鮮脱出住民(脱北者)を装って韓国に亡命した女性(35)が北朝鮮のスパイとして活動、韓国の軍事機密などを北朝鮮側に送っていたとして、国家保安法違反容疑で韓国の捜査当局が身柄を拘束したと報じた。
同紙によると、女性は2005年に脱北して韓国入り。ソウル近郊の軍部隊の将校らと親しい関係になり、軍施設の写真や軍事地図、兵器情報などを電子メールで中国にいる北朝鮮の公安機関、国家保衛部の幹部に送付していた。
女性は韓国でスパイ活動を行うため、北朝鮮でスパイ教育を受けていた。女性に協力した軍将校ら2人も拘束されたという》=共同=。
韓国の警備・公安もなめられたものだ。取調べ段階で怪しいとは思わなかったのだろうか。やつれ方や言葉の端々で察知できるのではないか。取調官も色仕掛けでやられてしまったか。
この報道はなかなか示唆に富む。北を逃れてきたと称する人物の中に、かなりの数のスパイが紛れ込んでいることを暗示している。妙齢の女が、涙を流しながら北の惨状を訴える。かなりの堅物でなければイチコロだろう。さすがスパイ映画が好きな金正日さまだ。芸が細かいねえ。
ここから汲み取るべき教訓は何か。脱北者だとか、政治的迫害を理由にした亡命者だとか言っても、頭から信用するのは考え物だ。金日成のころから、北から南への浸透作戦は続いている。韓国の政治的デモやストライキにこれらの人物がかかわってはいなかったか。
これは韓国にとどまる問題ではない。北朝鮮の罠は思いがけないところに仕掛けられている(それでこそ罠といえるのだが…)。一つ一つの事象を注意深く見守る慎重さが求められている。軽率な行動で窮地に陥っている大物がいるとも伝えられるが、さて。
あれだけ多くの脱北者がいれば、中にこういう手合いがいると考えるのはむしろ自然だろう。いままで一人も見つかっていなかったことの方が不自然だ。
《韓国の夕刊紙、文化日報は27日、北朝鮮脱出住民(脱北者)を装って韓国に亡命した女性(35)が北朝鮮のスパイとして活動、韓国の軍事機密などを北朝鮮側に送っていたとして、国家保安法違反容疑で韓国の捜査当局が身柄を拘束したと報じた。
同紙によると、女性は2005年に脱北して韓国入り。ソウル近郊の軍部隊の将校らと親しい関係になり、軍施設の写真や軍事地図、兵器情報などを電子メールで中国にいる北朝鮮の公安機関、国家保衛部の幹部に送付していた。
女性は韓国でスパイ活動を行うため、北朝鮮でスパイ教育を受けていた。女性に協力した軍将校ら2人も拘束されたという》=共同=。
韓国の警備・公安もなめられたものだ。取調べ段階で怪しいとは思わなかったのだろうか。やつれ方や言葉の端々で察知できるのではないか。取調官も色仕掛けでやられてしまったか。
この報道はなかなか示唆に富む。北を逃れてきたと称する人物の中に、かなりの数のスパイが紛れ込んでいることを暗示している。妙齢の女が、涙を流しながら北の惨状を訴える。かなりの堅物でなければイチコロだろう。さすがスパイ映画が好きな金正日さまだ。芸が細かいねえ。
ここから汲み取るべき教訓は何か。脱北者だとか、政治的迫害を理由にした亡命者だとか言っても、頭から信用するのは考え物だ。金日成のころから、北から南への浸透作戦は続いている。韓国の政治的デモやストライキにこれらの人物がかかわってはいなかったか。
これは韓国にとどまる問題ではない。北朝鮮の罠は思いがけないところに仕掛けられている(それでこそ罠といえるのだが…)。一つ一つの事象を注意深く見守る慎重さが求められている。軽率な行動で窮地に陥っている大物がいるとも伝えられるが、さて。