酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

毒ギョーザが復活!?

2008-08-07 05:51:24 | Weblog
 メタミドホスが混入した中国天洋食品製のギョーザが、中国で回収された後、流通していたという。食べて重症に陥った人もいると報告されている。 洞爺湖サミットの前に中国政府が外交ルートを通じて日本に伝達していた。読売の特ダネである。


 さもありなんという感じもするが、胡散臭さもある。
 
 ①なぜ日本政府(おそらくは外務省。公安の筋は低いと推測される)は1ヵ月半もこの事実を伏せていたのか。6日の発表も、読売の記事が出たのでコメントしたという域を出ない

 ②中国側は「五輪後に精力的に捜査をしよう」と持ちかけ、日本はこれに了承を与えていた。五輪成功のために恩を売ったのか

 ③それが読売にリークされたのはなぜか。読売は中国に批判的なスタンスだ。カシュガルのテロに続いて、毒ギョーザ。五輪のイメージに大きな傷をつけるのが目的だった? 

 ④なぜ、天洋食品は毒ギョーザを流通させた。出荷したのか、従業員が勝手に持ち出したのか。いくら中国国内とはいえ、こんなギョーザが出回っては会社はお仕舞いになる。誰かが意図的に持ち出したと考えるのが自然だろう。



 とにかく、不可解なことだらけである。妄想をたくましくすれば、以下のようなシナリオが浮かぶ。

 外務省の対米重視派が仕組んだ謀略。

 このところ日米間には軋みが目立つ。北に対するテロ支援国家指定解除や竹島の帰属表記変更などが原因である。米国発の金融不安に伴う景気低迷で経済界の不満も高まっている。

 その米国は、中、米、朝との関係改善が目覚しい。日本の頭越しで直接交渉した方がことがスムーズに進む、との考え方からだろう。もう一年以上、政治的に何らの進展もない日本には付き合いきれないと思っているかもしれない。ここらで、中、韓、朝に時限爆弾を仕込んで、米国との離間を画策しなければ。その第一弾が、米国でも関心が高い食品による攻撃だ。

 かなり無理筋ではあるが、あり得ない事ではない。

 情報操作するつもりで隠し事をしているとろくなことにはならない。積極的に情報公開して、世論を味方につける。もう少しダイナミックな考え方ができる官僚はいないのだろうか。タイミングのずれたリークは、消費期限の切れた食品と同様、害のほうが大きい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北京五輪はどうなる

2008-08-06 06:06:02 | Weblog
 中国の新疆ウイグル自治区カシュガルで国境警備警察隊がダンプカーに乗った男2人に爆弾で襲撃され、16人が死亡した。



 警察部隊は70人が早朝訓練のジョギングをしていたというが、丸腰だったのだろうか。カシュガルは治安が悪化している地域で、イスラム教徒によるデモや暴動も起きていたとされる。五輪直前の厳戒期に、こんな体たらくでどうする。



 治安当局によると、7月に昆明で起きたバス連続爆破テロとの関連がありそうだ。「東トルキスタン・イスラム運動」を名乗るグループで、ウイグル独立を主張する組織と見られている。


 北京五輪前後の中国は何が起きてもおかしくない状況になった。仮に北京は力で治安を押さえ込んだとしても、地方での騒乱は如何ともしがたいだろう。まあ、この時期、中国なんぞに出かけないことだ。


 一部で「だから北京五輪なんかやめてしまえ」という声が聞こえる。ひょっとして胡錦濤もそんなことを考えているかもしれない。「五輪で中国はばらばらになる」という危機感は感じているはずだ。ネット情報は押さえ込むにも限度がある。情報の拡散こそ治安当局が最も恐れるところだ。



 今日の状況を招いたのは中国だけの責任ではない。7年前のIOC総会で圧倒的多数で北京での五輪開催を支持した国際社会にも連帯責任がある。中国の大風呂敷に乗っかり、中国マネーにあやかろうとしたことは間違いあるまい。そのツケがいま噴き出しているのだ。


 中国はまだ五輪を開くには早すぎた。でも、いまさらそんな繰り言を言っても始まらない。五輪自体が国威発揚の場と化してしまっている。ロシアや中国、ブラジルなどの新興国が、五輪開催で「一流国」入りを目指すのも無理はない。


 どこかで一度、五輪を中止して考えてみるのもいい。テレビと商業主義にまみれた平和の祭典などうそ臭い。にわかに人間ドラマがあふれるのに閉口する。スポーツはもっと単純なものだ。速く走りたい、強くなりたい、勝ちたい。その思いが一人の人間に凝縮されるだけの話だ。言葉を費やせば費やすほど、スポーツの本質から遠ざかる。


 五輪も同じことだ。シンプルな競技会であればあるほど、ご利益が増そうというものだ。スケベ心はいけませんよ。TO 石原君
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内閣支持率のうそ

2008-08-05 04:22:11 | Weblog
 2日に正式発足した福田改造内閣に対するマスコミ各社の世論調査が出揃った。
支持率最高は読売の41%、最低は朝日の24%だった。両紙の調査は常に朝日が低く出て、読売が高くなる傾向を示しているが、これほど極端に差がついたのは珍しい。


 ほかにも日経が極めて高い支持率を示し、毎日は低い。共同と産経は似たような感じだ。これだけバラツキが出ると世調そのものの信頼性に疑問が沸く。


 考えても見よう。改造内閣の名簿が発表されるや否やの世論調査である。この時点で「改造内閣を支持しますか」などと尋ねるのは愚問である。まだ何もしていない閣僚たちだ。「この顔触れをどう思いますか」「期待は持てますか」という設問がせいぜいだろう。


 世論調査は比較検討のため継続性が重視されている。したがって、設問も大きく異なることはない。ここに大きな落とし穴がある。初物に高く、時間を経るにしたがって下がってくる。洋の東西を問わず同様の傾向だ。


 組閣直後の世調に何ほどの意味があるのか。これでは人気投票であり、メディアが批判する大衆迎合政治そのものだ。こういう調査をしておいて、「世論に一喜一憂している」などと批判するのは馬鹿げている。


 それにしても読売の調査で支持率が15ポイントも上昇しているのは驚きだ。読売がバイアスをかけているとは思わないが、この支持率はまもなく半減する可能性大である。福田首相にとってはありがた迷惑な数字だろう。


 朝日はこの逆を考えればいい。24%なら上昇の眼がある。福田氏に対する両紙のスタンスが浮かび上がった世調と評しておこうか。


 いすれにせよ、メディアの世論調査はあくまで参考数値だ。首相に限らず、こんなものに振り回されることはない。

 各紙の調査結果は以下の通り。
 
 朝日=福田内閣の改造を受けて朝日新聞社が1、2の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、内閣支持率は24%で、前回(7月12、13日)の24%から変わらなかった。不支持率は55%(前回58%)だった。


 読売=読売新聞社が1日夜から2日にかけて実施した緊急全国世論調査(電話方式)で、福田改造内閣の支持率は41・3%、不支持率は47・0%となった。
 単純比較はできないが、面接方式での7月世論調査(12~13日)の支持率26・6%、不支持率61・3%に比べて評価は好転した。



 共同=福田康夫首相による内閣改造と自民党役員人事を受け、共同通信社が1日夜から2日にかけて実施した全国緊急電話世論調査で、改造内閣の支持率は31・5%と、前回7月の調査から4・7ポイント上昇した。不支持率は48・1%で、5・4ポイント低下した。



 毎日=内閣改造・自民党役員人事を受け、毎日新聞は1、2日、電話による全国世論調査を実施した。2日に正式に発足した福田改造内閣の支持率は7月の前回調査比3ポイント増の25%だった。今回の人事に対する評価では「評価しない」が56%。「内閣改造によって首相の目指す政治がはっきりしたと思うか」という質問への回答も「思わない」が72%に達した。

    

 日経=日本経済新聞社とテレビ東京が2、3日に共同で実施した緊急世論調査で、福田内閣の支持率は38%と、6月末の前回調査に比べて12ポイント上昇した。不支持率は49%で依然、高水準だが前回より14ポイント下がった。内閣改造が「能力重視」と受け止められたことなどが支持率に好影響を与えたようだ。



 産経=産経新聞がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で、福田康夫内閣の改造と自民党役員人事後の2、3の両日に実施した世論調査によると、福田内閣の支持率は29・3%で、過去最低を更新した前回調査(7月12、13日)の21・7%から7・6ポイント上昇した。不支持率は51・5%で前回より9・7ポイント低下した。内閣支持率は昨年9月の政権発足後から下落傾向が続いており、回復したのは初めて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川口父親刺殺 供述の変更は本当か

2008-08-04 05:13:18 | Weblog
 一時は「覚せい障害」が原因の特殊な事件との見方が広がった川口市の中3女子による父親刺殺事件が、おかしな展開になっている。

 8月1日付けの各紙は一斉に「家族全員を殺すつもりだった」と供述、なる記事を掲げた。埼玉県警がこんな発表をするわけがなく、捜査幹部への取材結果と見られる。リークしたのが誰かによって、記事のニュアンスは微妙に違うが、大筋以下の通りである。



 《埼玉県川口市のマンションで7月、中学3年の長女(15)=殺人容疑で送検=が会社員の父親(当時46)を刺殺した事件で、県警の調べに対し、長女が「すべてが嫌になり、父の後に母と弟も殺し、自分も死のうと思っていた」などと供述したことが分かった。県警は、長女が事件前、何らかの理由で過度のストレスを抱え、自暴自棄になっていた可能性が高いとみている。

 長女は「人に気を使って生きるのに疲れた」「全部をなくしたかった」などと2日、事件後初めて涙を流しながら話したという。「自殺も考えたが、残された家族が周りから変な目で見られると思いできなかった」とも供述しているという。

 これまでの調べに、長女は「直前に、父が母と弟を殺す夢を見たので殺そうと思った」と話していたが、「自分が母も殺そうとしていたことが分かると、残った母や弟につらい思いをさせてしまうと思い、うその夢の話をした」と供述を変え始めているという。

 父親については「特別な恨みや憎しみはなかった」と話していて、「お父さんを殺してごめんなさい」と後悔している様子だという》=朝日


 一見理路整然としている。反省の色も顕著だ。でも、逆にそれが不自然にも思える。殺意に具体性が乏しいのが最大の理由だ。「すべてが嫌にな」ったという。それは「人に気を使って生きるのに疲れた」ためであり、こんな人生は「全部をなくしたかった」というのだ。


 一連の通り魔事件の「容疑者」らと同じような言い草だ。決定的に違うのは、境遇であろう。この中学生の場合、何にそれほど追い詰められていたが見えてこない。殺意が家族に向かう理由もなさそうだ。



 警察が供述を誘導しているように感じる。確たる動機のない殺人が増えている。この件もそれで公判維持できそうだ。少なくとも「夢」が殺人にかかわっているよりは、はるかにいい。こう考えて、一斉リークに走ったのではないか。


 身柄を拘束された直後に発した言葉は重い意味を持つ。一突きにした勢いも覚せい障害と符合する。この事件の報道は、今後「夢」から離れ、「15歳にして人生に疲れ果てた少女の物語」となっていくに違いない。

引き続き要注目だろう


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新聞界大乱の予兆

2008-08-02 05:40:39 | Weblog
 洋の東西を問わず、新聞社の経営が厳しさを増しているようだ。アメリカのNYタイムスとWSジャーナルは、広告不振を理由に揃って30%前後の値上げに踏み切ると発表した。


 新聞広告はここ10年来右肩下がりが続いているが、一昨年あたりから下落速度の加速が目立つ。今年は前年比7割前後という惨状らしい。一人勝ち状態といわれる日経でも、単価の低下に悩んでいるようだ。


 読売、朝日も苦しい。用紙費やインク代など経費は増大している。値上げをして一息つきたいところだが、上げる気配はない。《山形新聞は7月から3300円へ値上げを決定しましたが、読売新聞は3007円でがんばります》=山形読売会のHP=。


 我慢できずに値上げする地方紙を兵糧攻めにしようということなのだ。朝日もこのスタンスである。毎日は共同加盟で乗り切る腹を固めたとの情報がある。


 秋田魁が1日、「値下げ」を発表したという。


 《秋田魁新報社(秋田県、佐藤暢男社長)は10月から夕刊を廃止する。1日付の朝刊で明らかにした。同時に、1カ月の購読料を現行の朝夕刊セット3007円から2950円に値下げする。

 最近の原油価格の高騰に伴って用紙代や配達費用などが上昇したことや、県内の景気低迷で広告需要が落ち込んだためという。夕刊は8ページ。現在、夕刊に掲載されている文化欄や読者の投稿欄などは朝刊のページ数を増やして対応する。

 同紙はすべて朝夕刊セットで、発行部数は25万9千部(日本ABC協会調べ)》=朝日。


 このご時世に値下げとはおかしい。よく読むとこれは実質値上げらしい。夕刊の8ページをなくして朝刊は何ページ増やすのかが明らかになっていない。増えても2ないし4ページだろう。それなら、経費減の方が値下げを上回ることになる。秋田は山形が値上げした際、追随すると見られていた新聞だ。


 長年発行してきた夕刊を廃止し、値上げを「値下げ」と言わねばならない心情は複雑だろう。地方の中小紙は、夕刊とのセット価格が安い。これまでよく踏ん張ってきたというべきだ。


 問題はブロック紙や有力地方紙がどう対応するかだ。しばらくはやせ我慢比べが続くことになる。この暑いさなかに体力勝負とはきつい。


 テレビも変調らしい。TBSは本業だけでは将来がないと、輸入生活雑貨の「プラザ」を連結子会社にして商売に乗り出す。テレビショッピングにも使うつもりなのだろう。フジは産経新聞を完全子会社化し、総合メディア産業を目指す?


 昔から新聞発行などもうからないと決まっていた。本来の姿に戻ればいい。余計なことに手を出して、報道機関としての節操を失ってはならない。新聞社にはやせ我慢が似合うのだ。頑張ってほしい。


 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする