もこにゃんとばあば

もこにゃん もうすぐ八才(2015年生れ)
登場数は少ないですがヨロシク!にゃん

漱石の日

2021-02-21 04:26:50 | 短歌

東西(ひがしにし)南北(みなみきた)より吹雪かな ・・・愚陀仏

(前後左右さえもわからなくなるほどの吹雪の激しさを、ストレートな驚嘆を交えユーモアたっぷりに詠っています。)

 

 

1911(明治44)年2月21日、文部省が作家・夏目漱石に文学博士の称号を贈ると伝えたのに対し、漱石は「自分には肩書きは必要ない」として辞退した。

菫ほどな小さき人に生まれたし・・・愚陀仏(漱石の俳号) 

この句は漱石が最も鬱々とした時分に詠まれたものでした。

国から経済支援を受ける官費生としてイギリスに留学するも、経済的困窮と孤独によって精神的に衰弱し自室に引きこもる日々を過ごします。

半ばノイローゼの状態で帰国した漱石は、日本人初の英文科講師として教鞭をとります。

しかし実父の他界や妻とのすれ違い、流産など悲惨な出来事に見舞われます。

こうした背景を踏まえると、この句に詠まれた「菫ほどな小さき人」とは、面倒な人の世を離れ、菫のようにひっそりと生きる人を表現していると詠みとれます。

漱石の親友は正岡子規で、子規の指導のもと俳句を自分のものにしていき、小説同様、洒落をきかせた句風が特徴的でした。

そうだったのですね~。

ますます漱石さんが好きになりました。