今日、明日と春雨のようですが、雨が降ると熊本や九州各地の被災地の方々のことがなおさら氣がかりですね。
まだ車の中で過ごされている方々もおられるようで、一日も早く安心して寝られる日々と、家族揃って落ち着いて生活出来る居所に恵まれますように・・・と心から願っています。
さて、今日は、『くじけないで』でブレークした百歳の詩人、故・柴田トヨさんにも匹敵するような『川柳界の柴田トヨさん』とも言うべき島村美津子さんの川柳句集『生きようと』(2015年/左右社発行)をご紹介します。
島村美津子さんのことは、『桜の花の咲く頃に』という絵手紙川柳集(2007年/自費出版)を、以前このブログでも取り上げたことがありますので、覚えておられる方もおられるかもしれませんね。
私は彼女が七十七歳の祝賀記念に出されたこの絵手紙川柳集で、島村美津子さんの大ファンになってしまいました。
彼女はこの前にすでに第一句集『白い鳩』(1994年)第二句集『花ばさみ』(2000年)を上梓されていて、私はそれらの句集のことについてはあまりよく覚えていないのですが、この『桜の花の咲く頃に』はとても鮮烈な印象で今でも忘れられません。
それで、その次の句集(私は勝手に第三句集と思い込んでいたのですが、実際は第四句集)も大変楽しみに待ち焦がれていました。
ところが、彼女(1930年生まれ)はバセドゥ病に罹られ、「字も書けない打てない状況」(あとがきより)になられたそうで、何度も止めようかと思いながらも周囲の人たちに支えられ助けられて、ようやくこの出版に漕ぎ着かれたとのことです。
(現在神戸にて98歳になる姉上様と二人暮らし)
私はそんなことも全く知らずに(2014年秋の娘の突然の病死で心を立て直すのに必死でしたので)、昨年の5月に発行されたこの本『生きようと』を、ちょうど一年遅れで手にすることとなりました。
そんな個人的ないきさつがあったので、この川柳句集の題名(『生きようと』)に接し万感の想いが込み上げ、思わず涙がこぼれそうになりました。
美津子さん、よくぞ生き抜いてくださってありがとうございます!
大変遅ればせながら、美津子さん、八十五歳での第四川柳句集 ご出版
まことにおめでとうございます!!!
この川柳句集『生きようと』(1111円+税)は、「川柳句集シリーズ」の中の一冊となっていますので、興味を持たれた方はぜひ手に取ってご覧いただけたらと思います。
(図書館とかにでも置いてあるか、あるいは図書館に希望を出せば購入してもらえるかもしれません)
美津子さんの書かれた「はじめに」という一文の中には、師の時実新子から第一句集発刊の折りに賜った珠玉の「序文」が再録、再掲載されていて、こちらもぜひ読んで欲しいです。
この句集の中にはざっと数えただけでも250句以上?の川柳がまとめられています。
きっとどなたにもそれぞれの心にぴったりと寄り添って慰め癒してくれる一句が見つかるに違いありません。
私はこのたくさんの川柳の中から下記のような句が心に残りました。
他にもいっぱい佳句や名句があることと思います。
見落としている句も多々あることでしょうが、ひとまず印象に残った15句を感想に代えてご紹介致します。
(『桜の花の咲く頃に』に所収の句と重なっているものもあります)
==================================
島村美津子川柳句集 『生きようと』 (掲載順に抜粋記載)
生きようと亡夫のマフラー巻いて出る
月をほめ私をほめてひとり寝る
もうかなりへこみながらも生きている
泣いてもいいよ桜は下を向いて咲く
年寄りはいらないという そうかもね
ちちははのヒットはきっとこの私
一つずつ命あるもの照らす月
死に近く自分の名前好きになる
矢を放つ誰にもあたらないように
行方不明の老女はわたしかも知れぬ
蛇に生まれて地を這うことは生きること
お便りしますそのうちにそのうちに
平和とは逢いたい人に生きて逢う
灯り消し誰にともなくありがとう
涙の握手また逢う日まで逢う日まで
================================
島村美津子さんの川柳、いかがでしたでしょうか。
もしも一句でも誰かの心の扉をそっと開いてくれたとしたらとっても嬉しいです♪
美津子さんの「百歳の川柳句集」を楽しみに私も元氣で長生きしますね~
☆ 読んでいただきありがとうございました♡
まだ車の中で過ごされている方々もおられるようで、一日も早く安心して寝られる日々と、家族揃って落ち着いて生活出来る居所に恵まれますように・・・と心から願っています。
さて、今日は、『くじけないで』でブレークした百歳の詩人、故・柴田トヨさんにも匹敵するような『川柳界の柴田トヨさん』とも言うべき島村美津子さんの川柳句集『生きようと』(2015年/左右社発行)をご紹介します。
島村美津子さんのことは、『桜の花の咲く頃に』という絵手紙川柳集(2007年/自費出版)を、以前このブログでも取り上げたことがありますので、覚えておられる方もおられるかもしれませんね。
私は彼女が七十七歳の祝賀記念に出されたこの絵手紙川柳集で、島村美津子さんの大ファンになってしまいました。
彼女はこの前にすでに第一句集『白い鳩』(1994年)第二句集『花ばさみ』(2000年)を上梓されていて、私はそれらの句集のことについてはあまりよく覚えていないのですが、この『桜の花の咲く頃に』はとても鮮烈な印象で今でも忘れられません。
それで、その次の句集(私は勝手に第三句集と思い込んでいたのですが、実際は第四句集)も大変楽しみに待ち焦がれていました。
ところが、彼女(1930年生まれ)はバセドゥ病に罹られ、「字も書けない打てない状況」(あとがきより)になられたそうで、何度も止めようかと思いながらも周囲の人たちに支えられ助けられて、ようやくこの出版に漕ぎ着かれたとのことです。
(現在神戸にて98歳になる姉上様と二人暮らし)
私はそんなことも全く知らずに(2014年秋の娘の突然の病死で心を立て直すのに必死でしたので)、昨年の5月に発行されたこの本『生きようと』を、ちょうど一年遅れで手にすることとなりました。
そんな個人的ないきさつがあったので、この川柳句集の題名(『生きようと』)に接し万感の想いが込み上げ、思わず涙がこぼれそうになりました。
美津子さん、よくぞ生き抜いてくださってありがとうございます!
大変遅ればせながら、美津子さん、八十五歳での第四川柳句集 ご出版
まことにおめでとうございます!!!
この川柳句集『生きようと』(1111円+税)は、「川柳句集シリーズ」の中の一冊となっていますので、興味を持たれた方はぜひ手に取ってご覧いただけたらと思います。
(図書館とかにでも置いてあるか、あるいは図書館に希望を出せば購入してもらえるかもしれません)
美津子さんの書かれた「はじめに」という一文の中には、師の時実新子から第一句集発刊の折りに賜った珠玉の「序文」が再録、再掲載されていて、こちらもぜひ読んで欲しいです。
この句集の中にはざっと数えただけでも250句以上?の川柳がまとめられています。
きっとどなたにもそれぞれの心にぴったりと寄り添って慰め癒してくれる一句が見つかるに違いありません。
私はこのたくさんの川柳の中から下記のような句が心に残りました。
他にもいっぱい佳句や名句があることと思います。
見落としている句も多々あることでしょうが、ひとまず印象に残った15句を感想に代えてご紹介致します。
(『桜の花の咲く頃に』に所収の句と重なっているものもあります)
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島村美津子川柳句集 『生きようと』 (掲載順に抜粋記載)
生きようと亡夫のマフラー巻いて出る
月をほめ私をほめてひとり寝る
もうかなりへこみながらも生きている
泣いてもいいよ桜は下を向いて咲く
年寄りはいらないという そうかもね
ちちははのヒットはきっとこの私
一つずつ命あるもの照らす月
死に近く自分の名前好きになる
矢を放つ誰にもあたらないように
行方不明の老女はわたしかも知れぬ
蛇に生まれて地を這うことは生きること
お便りしますそのうちにそのうちに
平和とは逢いたい人に生きて逢う
灯り消し誰にともなくありがとう
涙の握手また逢う日まで逢う日まで
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島村美津子さんの川柳、いかがでしたでしょうか。
もしも一句でも誰かの心の扉をそっと開いてくれたとしたらとっても嬉しいです♪
美津子さんの「百歳の川柳句集」を楽しみに私も元氣で長生きしますね~
☆ 読んでいただきありがとうございました♡