食と世界

食と世界についての雑記 菜食・断食の勧め

誰がキリスト教を始めたのか

2012-01-11 18:40:42 | 焚書/解体


キリストとミトラスの驚くべき類似性(生活上の出来事、特徴…)は太陽崇拝という同一の発端に裏打ちされていた事が明らかになる。

 
誘惑 好敵手セトによってアメンタの砂漠から山の高みに連れて行かれた。 好敵手サタンによってパレスチナの砂漠から山の高みに連れて行かれた。
誘惑の結果 ホルスはうまく誘惑に抵抗する イエスはうまく誘惑に抵抗する
変身 山頂で変身する 山の高みで変容する
行動 水面を歩く。悪魔を追い払う。病人を治療する。盲目を治す。彼は彼の能力で海を静めた。 水面を歩く。悪魔を追い払う。病人を治療する。盲目を治す。彼は海に『静まれ!動くな!』と命令した。
死者の蘇生 父オシリスを墓場から蘇らせる ラザロを墓場から蘇らせる
(『ヨハネ』)
蘇生が起きた場所 Anu (エジプトの都市) ベタニア (Bethany:文字通りなら「Anu の家」)
大切な演説 山での説教 山での説教 (『マタイ』)
死に方 十字架での死 十字架での死
一緒に死んだのは 2人の泥棒 2人の泥棒
死後の運命 墓場に埋葬され3日後に復活 墓場に埋葬され3日目に復活
復活の報告 女性達によって 女性達によって
未来 千年間の支配 千年間の支配
肩書き Karast (KRST):
油を塗って清められた人
Christ :
油を塗って清められた人
他の名前 良き羊飼い。神の子羊。命の糧。人の子。漁師。選別者。 良き羊飼い。神の子羊。命のパン。(以上『ヨハネ』) 人の子。漁師。選別者。

変身:ペテロ、ヨハネ、ヤコブの前での変容。 演説:『ルカ』では平地の説教。 3人の十字架刑:ホルスも盗人に挟まれ刑死、埋葬、復活する。ローマ法ではイエスと強盗2人は十字架刑にならない。


初めの福音書『マルコ』には処女降誕も復活(16章後半)も記されていなかった。福音書の主眼は順当に"ユダヤ教の改革者人間イエス"で残りの奇跡譚・復活はあくまで付録的に付いて来ただけと考えることができる。

キリストに様々な尾ひれが付いた背景は1~2世紀のローマ世界という、史上最も多彩な神と女神で満たされていた特殊な土壌が影響したのだと思う。新宗教を売り出す際の必要で異教神話から模られ旧約聖書を経由した新たな救世主の偶像(アイドル)が創られた。見切り発車であったのか家系や降誕物語等のプロフィールにはボロが多い。

原始キリスト教とは恐らくキリスト教と呼ばれる事さえ嫌ったはずの、ユダヤ教徒の集団だった。しかし次第に“決別”は不可避になったのだろう。パウロら反ユダヤ的パワーの外部拡散を抑えられなくなり、そして明確に新宗教となるや、彼らは狡猾なレトリックでユダヤ教徒を神の敵に仕立て上げたのである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/キリスト教の歴史
しかし、ユダヤ教主流派による迫害を契機に各地に離散したヘレニスト(ヘレニスタイ:ギリシア語使用者)が精力的な伝道を展開し…





何者がキリスト教を創ったのか?
4世紀のエウセビオス著『教会史』によれば福音書はエッセネ派の文書だったとある。キリスト教運動は“エッセネ派の逆襲”だったのだろうか・・・? 結局、外部に適応する過程でキリスト教は1世紀から破損を続け、最終的には完全にローマの諸宗教と習合するのである。(「復活」と弟子達の伝道が起点だったとする教会の狂育は現実的観測でない)

数世紀の後に残ったのは元来有していた精神性が破棄された変わり果てた宗教だった。"原罪""契約""メシア" と辛うじてユダヤ教らしい所は残るものの、何れもが的外れな流用である。

ユダヤ教で言う一般的なメシアとはダビデの様な戦う王、漲る力でイスラエルをローマの植民地から解放する厳格な統治者のことだ。当時としてベツレヘムに生まれ、蚊を叩く様にローマ帝国に殺され、挙句墓場から甦る救世主など誰一人求めてはいなかっただろう。


キリスト教が現行の信仰体系を維持したいのなら、「聖書」のカバー+旧約聖書をユダヤ教へ返却してからにすべきだと考える。ユダヤ教から見たキリスト教文書は旧約と何の関連もない神への冒涜、現代まで連錦と続く迫害の種ともなったこの上なく忌まわしい偽典群だからだ。何より、聖書の神に息子はいないらしい。イスラム教でも「アッラーに息子などあるものか」(『コーラン』)と手厳しい。

原理主義者達が何を喚こうと、実数にして百分の一以下の聖書本家の訴えに耳を貸す気がない限り、物事の実相を正しく捉えることはできないだろう。

画像出典:LiveJournal.com

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コメント (8)
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