ブログで扱う記事はテーマ性を持ちたいと思っており、あまり時事ネタは書かないつもりでいました。
でも書きたいと思う衝動に駆られました。
ユヌス総裁が竹細工を作る女性たちに、ポケットマネーで無担保・無利子で融資を始めたことがきっかけになり、広がりを見せたマイクロクレジットというグラミン銀行の金融モデル。1970年代に南アジア発、で中東・アフリカに広がり、その他の金融サービスに発展しました。わかりやすいこんなお話も⇒
こちらをどうぞ!
今年のノーベル平和賞は、ユヌス総裁とグラミン銀行に贈られました。
慈善や援助に頼らず、経済的な自立を望む人に無担保で少額の資金を貸し付けるグラミン銀行では貸し倒れの懸念に反し、98%の資金の回収率だそうです。
日本では、上場している消費者金融会社でさえ、借り手に、生命保険に加入させて貸し倒れのリスクに備え、利息制限法と出資法に守られた貸し出しの際の高い制限利率を当面保持し、金融機関を保護しようという政治家がいる現状とは、うーん、大きな違いがありますね・・・
借りたお金が返せずに、強烈な取立てを苦にし、命を絶ってしまう悲惨な事件や、巧みで詐欺的な手法に巻き込まれ、身に覚えのないお金まで払ってしまう人が後を絶たない日本です。
物質的な豊かさに慣れてしまった日本ですが、貸し手の意識も、借り手の意識も当然バングラデシュとは異なって仕方ないとあきらめる訳にもいかず、消費者団体や行政が金融消費者を地道に啓発・教育する、志の高い司法家が貸し手の金融業者や行政に働きかけをしていくなどの仕掛けはありますが、借りた本人のエネルギーは低空飛行のような・・・
それはさておき、あと自分はさておき、女性は本来すごい力を持っています。
子供を産み育てていかなければならない母としての強さ、家庭を守り、もちろん豊かになりたいという願い、生活の中で、昨日よりもよいものを常に何か作りたいという思いと創造性に溢れ、そして何よりも若く、美しくありたいと思う気持ちは男性より上回っているはずです。
飢えと闘う国・・・・
生命をこの世に創造した女性がそう簡単に死ねるはずがないし、死なせたいはずがない。
生きたい、生かしたい。
まだまだもっとたくさんの力に溢れています。
その思い・願いを叶えるには経済的な自立・自律は大切なファクターです。
ユヌス総裁は6ドルのお金を貸すことを自分から選び、相手を信頼し、何よりも自立を期待する心を一貫し、借りる側の女性の「明日を変えたい」という意志、夢、希望も、双方の「返済できるか?」という一抹の不安など一掃するものであったと思います。必ず戻ってくる資金・・・・
発展途中の国の、このような力に溢れた姿には、日本が戦後急速に発展を遂げたスピードと比べれば少し緩やかなスピードかもしれないけれど、ずっと続く発展を遂げていく力を感じます。もちろん「構造上の問題」から未だ貧困から抜け出せない国や地域だって残されているとは思いますが。
今は手工業、軽工業で少量生産しかできていない状況かもしれません。でも息切れしそうな中で、別の使命を持った日本から見れば、戦後ある程度豊かな中で育った私たちには新鮮で、すごいエネルギーに溢れています。
個人的には、フェアトレードのような形で、いいなと思うものを買い求めたりはしてきましたが、心のどこかで、先進国に暮らす1人として「支援」しているという気持ちがぬぐえませんでした。
しかし、今、手元にある彼女たちが作ったものを見直すと、その商品ひとつひとつから強いエネルギーを感じ、そういうものが私をひきつけ、また勇気付けられていることに気づきます。
核兵器を振りかざし、経済支援を乞う国がある一方で、同じアジアの国からこのような金融モデルがさらに広がりを見せていることに感動しました。
「ノーベル賞はグラミン銀行を成功に導いたすべての女性のものだ」
胸を打つ言葉ですね。
女性は強く美しく、そして優しく・・・・。
そんなことを感じています。
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