それが役者だとはいえ、キム・スヒョンくんはすごいなー。
この人が「星から来たあなた」の彼とはとても思えませんよ。
テギョンもそうなんだよねー。
2PMでバラエティーなんかに出てる時とは全然ちがう。
多少片鱗は見えるんだけど……。
演じるって、すごいことなんだな。
《あらすじ》
6人はドゥシク社長のもとで、デビューすることになった。
サムドンとグクも、晴れ晴れとした顔で互いに話ができる。
「デビューおめでとう」
「お前も意外に早く立ち直ったな!ペンダントはもう用無しか?」
「ん、お前のおかげで目が覚めたよ」
グクもにっこり笑った。
「デビュー決まったし、音感も身についたし、
これならもう、ヘミも同情なんかしないだろ?」
「そうだな、たぶん」
「言い返すかと思ったのに。男同士の勝負をしようって言ったの覚えてるか?」
「覚えてる」
「余裕だな、自信があるのか?」
「自信なんてないよ。お前はどうだ?」
「自信ないよ。勝負するかと思うと。
お前は俺より背も高いしハンサムだろ。自分を顧みず、誰かを守るのも男らしい」
サムドンの手放しの賞賛に、グクは苦笑する。
「手強い相手だからな、正直怖いよ」
「怖いならあきらめたらどうだ?」
「悪いけど、お断りだね」
ずっと笑顔のふたりだった。
渦中のヘミは、というと、サムドンに声をかけられて思わず逃げ出してしまう。
慌てて追いかけたサムドンに聞かれた。
「お前まだ、俺を憐れだと思うか?」
「ど、どうかな?」
動揺しているヘミに家から電話がかかってきた。
「パパが帰ってきたって!」
ヘミの父コ・ビョンジクは、アメリカから戻ってきた。
オヒョクになみなみならぬ敵意を抱いているが、ふたりを世話してもらって一応感謝はしている。
ビョンジクは、ヘミとヘソンを連れてアメリカへ帰るという。
ジュリアードにも挑戦できる。それがヘミの夢だったじゃないか。
「親父さん、ヘミにちょっと似てないか?」
「そっくりだよ」
ヘミはアメリカに行ってしまうのだろうか?グクとサムドンは心配だ。
グクがたずねると、明るい顔でヘミは言う。
「当たり前でしょ。わたしの元々の夢だもん」
「祝って……やるべきなんだよな?」
「そうよ、いいことじゃない?社長には先生が話してくれるよね?」
だが、ひとりになるとヘミはため息をついた。
サムドンが部屋の外でヘミにささやく。
「どうしても行くのか?ここにいちゃダメか?
お前に救われて、お前を捕まえたくて、やっとここまで来たのに。
お前がいなくなったら、俺はどうすればいいんだ?」
ヘミも扉の内側で、サムドンの言葉を聞いていた。
ところが、翌朝起きてみると、ヘミとヘソン、ビョンジクの姿がない!
実はビョンジクは、元通り立ち直ったわけではないのだ。
まだ借金は返せる状態じゃないし、金もない。
ただ、ヘミのことが心配で。夢を捨ててしまうんじゃないかと心配で戻ってきたのだ。
以前ヘミを同じステージに立たせてくれた師匠が、奨学金や寮を準備してくれるという。
サウナでヘミは、考え込んだ。
サムドンはヘミを探して連れ戻そうと思っている。
「あいつの夢をあきらめさせるなんて、そんな権利があるのか?」
グクの言葉にサムドンは言う。
「権利なんてないし、理由なんてない。でも、あいつがいなくちゃダメなんだ」
ふたりは必死にヘミを探し回った。
ヘミは迷いながら街を歩いてたが、知らぬ間に足は学校へと向いていた。
門の前で、ベクヒが抱きついてくる。
「ヘミ!」
勇気を出して授業に出るというベクヒに連れられて、ヘミも学校へ戻ってきた。
6人のデビュー曲が決まった。
グループKが歌ってあまりパッとしなかった楽曲をサムドンが編曲したものだ。
タイトルもあらため、「ドリームハイ」
グループ名もそれで行こう!と大人たちが決めた。
ヘミが抜けると聞いて、ドゥシクは渋い顔だ。
まだ借金の清算は済んでいないはず。
そこへ、ヘミを探してビョンジクが乗り込んできた。
「オヒョク!お前は妻を誘惑しただけじゃ足りなくてヘミまで三流歌手におとしめるつもりか!」
大人たちのもめ事を目の前にして、ヘミは宣言した。
「もういい、わたしがデビューする!」
オヒョクは真摯にヘミに訴える。
「ヘミ、借金なんて心配するな。お金のためにデビューすることなんてない。
本当に声楽を続けたいなら、僕が社長と話をつける。
10年続けた声楽をあきらめるのは惜しい。借金なら、僕の家を担保にしたでしょう?
ヘミ、よく考えて決めるんだ」
オヒョクの誠意を知って、ビョンジクも矛先が鈍った。
とりあえず家に戻って、ヘミが考える時間を作ろう。
ヘミはずっと迷っている。行くか、行かないか、どうしたらいい?
そんなヘミを見つけたグク。
「迷ってるのか?」
「うん、わたし、どうしたらいい?」
「お前の気持ちが大事だ。慎重に決めろ」
そうなんだけど、決められない。どうしたらいいのか、自分でもわからないのだ。
「行きたい気持ちと残りたい気持ちが半々だから選ぶのが難しいのさ。
でも選ばなきゃ。選んだ後は振り返らずにその半分を100%にすべきだ。
その道が正しかったと自分に証明しなきゃ」
「行くなって、言わないの?」
「言っても聞かないだろ?」
「それもそうね」
ふと笑ったあと、ヘミは沈んだ顔で、ため息をついた。
新グループ「ドリームハイ」の前途は多難だ。
グクとベクヒのスキャンダルが尾をひいて、局がいい顔をしない。
ジェイソンが以前のコネでなんとか押し込んだピルスクは、
テレビで昔の太った姿を公開されてしまう。
見守っていたジェイソンは怒りを覚えるが、ピルスクは違った。
司会者の意地悪な質問も笑顔でかわし、自作の歌を披露して番組はうまくいった。
「昔の写真、ブログから消したら?」
心配するジェイソンに、ピルスクは言う。
「昔のわたしを恥じなきゃいけないのはかなしいな。
太ってても、わたししあわせだったから。学校へ入れたし、友達もできてしあわせだったの。
あの頃のわたしを、わたし自身が嫌いになっちゃいそうで怖いの」
「あの頃を大事に思ってるやつがもうひとりいるよ」
ジェイソンの携帯の待ち受けは、太っていた頃のピルスクだった。
ヘミはずっと心に引っかかっていた疑問をオヒョクにぶつけた。
本当に先生は、ママを誘惑したの?
明日アメリカに行くつもりだから、誤解したまま立ちたくない……。
わたしのママが、悪い人だったの?
言い渋っていたオヒョクも、真実を話さないわけにはいかなかった。
ヘミの母は、大きな病気を患ってしまっていた。
手術をしたが、成功しなかった。
自分が家族の重荷になるのを恐れて、彼女は嘘をついてほしいと頼んだ。
オヒョクは彼女を愛していたから、その嘘を受け入れた。
「お父さんには内緒だ。愛する人を守れなかったことは、一生の悔いになるからね」
明日、ヘミがアメリカにたつ。
サムドンは、意を決してグクに頼んだ。
「俺じゃダメだけど、お前ならできるかも。
ヘミを、引き止めてくれ。
ヘミが俺の話をきくんじゃなくてもいい。
ヘミの心に、俺じゃなくて、お前がいてもかまわない。
お前ができるなら、引き止めろ」
グクも真剣な表情だ。
「止めるべきじゃないし、止められない」
彼女は本当に、行ってしまうのか?
ヘミは自分がオーディション用に作ったビデオを見ていた。
「こんにちは!コ・ヘミです。ずっと声楽をやってました。
正直、この道へ進んだのは、お金のためでした。
ポップスなんて音楽とはとても言えない、三流だと思っていました。
でも、歌で誰かを応援したり、誰かをしあわせにしたり、誰かを慰めることができると知りました。
振り返るとこんなふうに思えます。
ポップスを馬鹿にしていたわたしは、本当に偏見に満ちた三流だった、と。
この1年でやっと三流から抜け出せました。遠からず一流になります。
以上、コ・ヘミの自己紹介でした」
グクの先輩のために歌った「ジーニー」グクに歌った誕生日の歌、ベクヒのためにも歌った。
ヘミはペンダントを握りしめ、グクの言葉を思い出す。
「選んだからには、100%にしなきゃ。自分自身に証明するんだ」
空港へ向かうバス亭。
サムドンは見送りに来なかった。
ヘミは何かを決心したようだった。
見送りを拒んだサムドンは、襲ってきた耳鳴りと共に、走り出す。
ヘミの乗ったバスを走って追いかけて、叫ぶ。
「ヘミ!行くな!戻ってこい!ヘミ!行くな、ヘミ!お願いだ……行くな……」
泣き崩れたサムドンの肩に置かれた手は、ヘミの手。
「走って行っちゃうんなんて……何度も呼んだのに……。
わたし、行かないよ」
「なんだよ?聞こえないよ……」
ヘミはサムドンにわかるように、はっきりと言った。
「い、か、な、い、の」
「行かない?行かないんだな?」
サムドンは泣きながらヘミをぎゅっと抱きしめた。
「そうだろ、俺はお前のことなら全部わかってるんだ。お前は行けない……」
抱きしめられたヘミの目は、真剣だった。
父親はヘミの決断に憤っていた。
「お前たち、ヘミに何をした?」
グクがそこで提案する。
「お父さん、ヘミにチャンスを与えてては?俺たちの舞台を観てください。
ヘミがこの道を選んだ理由をお見せしますから」
「いったいどうするんだ?デビューしたって、大半は舞台に立てやしないじゃないか!」
ヘミとサムドンが戻ってきた。
「立ってみせる。
1ヶ月以内に必ず立つわ。それぐらい待てるでしょ?
無理だったらきっぱりあきらめる」
ヘソンの応援もあって、父はとうとう折れた。
「1ヶ月、1ヶ月だな?」
「うん!」
時間がない。
6人は、必死にレッスンに励んだ。
アルバムも完成し、ドゥシクもプライドを捨てて、営業に励む。
しかし、大きな壁が立ちはだかった。
やはりグクとベクヒの不祥事が、尾を引いている。
彼らは被害者であるのだが、イメージが悪すぎるという。
ふたりを外さなければ、ドリームハイは決して舞台には立てない。
(つづく)
あ゛~~~~~~!
くそーーーーーーーーーーー!
やっぱりつらいっていうかなんか複雑っ!
「行くなって言ってくれないの?」
ヘミが聞いたとき、行くなと言えなかったグク。
わたしもう身もだえしながら見てたんだよね。
行くなって言えばいいじゃん!って。
今、ヘミに言えば、きっとヘミは行かないよ、って。
でもグクは言わない。
それはね、グクが大人だから!
デビューして、芸能界で活動して、成功して、
一時は挫折を味わってまたどん底に落ちて、
夢を叶えるためにはどんなに苦労が必要なのか知っているから。
夢を叶えることがどんなに素晴らしくて、
夢を見つづけることがどんなに大変なのか知っているからだと思うのよ!
ヘミを好きだから、行くなっていうのは簡単。
ヘミが行くなって言ってほしがってるのもわかってる。
だけどあえて言わないの!
ヘミの心には、サムドンがいるんだろうなって薄々わかってるからよけいにね。
「止めるべきではないし、止められない」
それがグクの正直な気持ちだよ……。
いろいろと思うところはありますが……。
ヘミが本当に夢を叶えるためには、
彼女自身が決断しなければならないとわかっているから、
何も言わずにただ見守っている。
「そうと決めたら、それが100%になるように努力しなきゃ。
それを選んだ自分が正しかったと、自分に証明するんだ」
グクは自らの経験から、そう助言するんだね……。
ぐわーーー!なんていい男なんだーーーー!
もうヘソンだけだよわかってくれるの。
でもヘミの頭の中で、グクが天使でサムドンが悪魔なのは笑ってしまったな。
途中までは、ああ、サムドンが「行くなーーーー!」っていうんだろうな、
そんでヘミは考え直しちゃうのかな、けっ とか思って観てました。
ところがどっこい。
もちろんサムドンは素直に行くなと叫びましたが、
ヘミはそのために心動かされたのではなかった。
彼女自身で、ここに残ることを決断したのです。
ヘミえらい!
決めたから!ってこの笑顔。いい表情になりました。
本当に見直した。
ってか、この期におよんでヘミの性格を理解していなかったわたし。
10年声楽やってきて、借金のためにひどい仕打ちにも耐えて、
この子は本当に根性のある子なんだよ。
そしてどれだけ丸くなったといっても、
もともとはプライドの高いお嬢様。
動揺はしても、男ごときに自分の道をゆだねることなどできるわけがないのでした。
自分で決めたヘミがかっこいいし、ほこらしいよ。
それを見守ると決めたグクもそうだよ。
もうオヒョク先生の域に達してるよ。
サムドンはね、いいの。
彼の良さは、あの素直さだから。
自分よりグクの方がかっこいい、
ヘミの心にグクがいたってかまわない、
それでヘミがここに残るのなら……。
そう思えるサムドンの純粋さが、彼の強さ。
サムドンだから許される素直な涙。グクには無理なのよねぇ。
行くなってバスを追いかけたとき、
そうだよそうだよ、それでこそサムドンだよ、と感激しましたよ。
ああでも苦しいな。
グクがなにか達観したような様子なのが救いかな。
グクの試練、サムドンの試練、そして最後にヘミの試練、と
物語はできているわけですね。
彼らが何に悩み、何を選び取って行くか。
オヒョク先生もシ先生も、生徒とはまた違った次元でしたが、
自ら選択して変わり、成長しましたよね。
これは本当にいい青春ドラマだなーと思います。
ヘミが残ると決めてからの6人の様子は、すごく楽しそう。
やっぱり夢を持ってみんなでがんばる姿は見ていてワクワクするよ。
ダンスの練習したり、歌の練習したり。
ドリームハイってグループ名になったんだね。
グクが持ってたペンダントは、今ヘミの手元にある。
どういう経緯でヘミに渡されたのか知りたいところですが、
最終回であかされるのかな……。
オヒョク先生の過去も明らかになりました。
後出しじゃんけんになるけど、そーじゃないかと思ってたよ。
ただ、夫も事実を知らないことには驚いた。
大人たちが口裏を合わせてこどもたちに隠していたのかと思っていた。
お母さんの行動が正しかったとはけして思わないが……。
オヒョク先生が初舞台をすっぽかしたのは、お母さんと雲隠れを装うためだったんだろうなぁ。
予想通り、ジェイソンの待ち受けは太っていた頃のピルスクの写真。
そして、あの頃を消したいとは思わない、というピルスクに感動。
そうだよね、しあわせだった自分を肯定してあげなきゃ。
それに、たとえ不幸な過去、消したいくらい醜い過去があったとしても、
それも含めて今の自分があるのだから。
ふふふ、キスシーン照れまくってるジェイソンがかわいいですね。
このあとピルスクから。
本筋のカップリングに興味が持てない方は、このふたりに癒やされるがいいでしょう。
でもわたしの癒やしはヘソンだけだから……。
手をつなごうとしたサムドンをピシッてやるヘソンが大好きだから。
年の差は8才くらいの設定?それなら大きくなったらお嫁さんになれるよ!
がんばれ!
ぶれないヘソンはグクおっぱ命です。
最終回を前にして、グクとベクヒがデビューの障害になりましたが、
仲間の絆を描くにはそういう困難は不可欠。
ふたりを守ってデビューを見送れば、ヘミはアメリカへいくことになるし、
ふたりを見捨ててデビューすれば、それはヘミにとってのしこりになる。
おそらくベクヒとグクは、自分たちが原因だとわかれば身を引くことになるでしょう。
でもそうしたら、二度と芸能界では生きられないと認めることになる……。
いったいどんなミラクルで全員デビューを果たすのでしょうか……。
こうなったらあの方が必要よ……。
ヨンさまーー!カムバァァァァック!
この人が「星から来たあなた」の彼とはとても思えませんよ。
テギョンもそうなんだよねー。
2PMでバラエティーなんかに出てる時とは全然ちがう。
多少片鱗は見えるんだけど……。
演じるって、すごいことなんだな。
《あらすじ》
6人はドゥシク社長のもとで、デビューすることになった。
サムドンとグクも、晴れ晴れとした顔で互いに話ができる。
「デビューおめでとう」
「お前も意外に早く立ち直ったな!ペンダントはもう用無しか?」
「ん、お前のおかげで目が覚めたよ」
グクもにっこり笑った。
「デビュー決まったし、音感も身についたし、
これならもう、ヘミも同情なんかしないだろ?」
「そうだな、たぶん」
「言い返すかと思ったのに。男同士の勝負をしようって言ったの覚えてるか?」
「覚えてる」
「余裕だな、自信があるのか?」
「自信なんてないよ。お前はどうだ?」
「自信ないよ。勝負するかと思うと。
お前は俺より背も高いしハンサムだろ。自分を顧みず、誰かを守るのも男らしい」
サムドンの手放しの賞賛に、グクは苦笑する。
「手強い相手だからな、正直怖いよ」
「怖いならあきらめたらどうだ?」
「悪いけど、お断りだね」
ずっと笑顔のふたりだった。
渦中のヘミは、というと、サムドンに声をかけられて思わず逃げ出してしまう。
慌てて追いかけたサムドンに聞かれた。
「お前まだ、俺を憐れだと思うか?」
「ど、どうかな?」
動揺しているヘミに家から電話がかかってきた。
「パパが帰ってきたって!」
ヘミの父コ・ビョンジクは、アメリカから戻ってきた。
オヒョクになみなみならぬ敵意を抱いているが、ふたりを世話してもらって一応感謝はしている。
ビョンジクは、ヘミとヘソンを連れてアメリカへ帰るという。
ジュリアードにも挑戦できる。それがヘミの夢だったじゃないか。
「親父さん、ヘミにちょっと似てないか?」
「そっくりだよ」
ヘミはアメリカに行ってしまうのだろうか?グクとサムドンは心配だ。
グクがたずねると、明るい顔でヘミは言う。
「当たり前でしょ。わたしの元々の夢だもん」
「祝って……やるべきなんだよな?」
「そうよ、いいことじゃない?社長には先生が話してくれるよね?」
だが、ひとりになるとヘミはため息をついた。
サムドンが部屋の外でヘミにささやく。
「どうしても行くのか?ここにいちゃダメか?
お前に救われて、お前を捕まえたくて、やっとここまで来たのに。
お前がいなくなったら、俺はどうすればいいんだ?」
ヘミも扉の内側で、サムドンの言葉を聞いていた。
ところが、翌朝起きてみると、ヘミとヘソン、ビョンジクの姿がない!
実はビョンジクは、元通り立ち直ったわけではないのだ。
まだ借金は返せる状態じゃないし、金もない。
ただ、ヘミのことが心配で。夢を捨ててしまうんじゃないかと心配で戻ってきたのだ。
以前ヘミを同じステージに立たせてくれた師匠が、奨学金や寮を準備してくれるという。
サウナでヘミは、考え込んだ。
サムドンはヘミを探して連れ戻そうと思っている。
「あいつの夢をあきらめさせるなんて、そんな権利があるのか?」
グクの言葉にサムドンは言う。
「権利なんてないし、理由なんてない。でも、あいつがいなくちゃダメなんだ」
ふたりは必死にヘミを探し回った。
ヘミは迷いながら街を歩いてたが、知らぬ間に足は学校へと向いていた。
門の前で、ベクヒが抱きついてくる。
「ヘミ!」
勇気を出して授業に出るというベクヒに連れられて、ヘミも学校へ戻ってきた。
6人のデビュー曲が決まった。
グループKが歌ってあまりパッとしなかった楽曲をサムドンが編曲したものだ。
タイトルもあらため、「ドリームハイ」
グループ名もそれで行こう!と大人たちが決めた。
ヘミが抜けると聞いて、ドゥシクは渋い顔だ。
まだ借金の清算は済んでいないはず。
そこへ、ヘミを探してビョンジクが乗り込んできた。
「オヒョク!お前は妻を誘惑しただけじゃ足りなくてヘミまで三流歌手におとしめるつもりか!」
大人たちのもめ事を目の前にして、ヘミは宣言した。
「もういい、わたしがデビューする!」
オヒョクは真摯にヘミに訴える。
「ヘミ、借金なんて心配するな。お金のためにデビューすることなんてない。
本当に声楽を続けたいなら、僕が社長と話をつける。
10年続けた声楽をあきらめるのは惜しい。借金なら、僕の家を担保にしたでしょう?
ヘミ、よく考えて決めるんだ」
オヒョクの誠意を知って、ビョンジクも矛先が鈍った。
とりあえず家に戻って、ヘミが考える時間を作ろう。
ヘミはずっと迷っている。行くか、行かないか、どうしたらいい?
そんなヘミを見つけたグク。
「迷ってるのか?」
「うん、わたし、どうしたらいい?」
「お前の気持ちが大事だ。慎重に決めろ」
そうなんだけど、決められない。どうしたらいいのか、自分でもわからないのだ。
「行きたい気持ちと残りたい気持ちが半々だから選ぶのが難しいのさ。
でも選ばなきゃ。選んだ後は振り返らずにその半分を100%にすべきだ。
その道が正しかったと自分に証明しなきゃ」
「行くなって、言わないの?」
「言っても聞かないだろ?」
「それもそうね」
ふと笑ったあと、ヘミは沈んだ顔で、ため息をついた。
新グループ「ドリームハイ」の前途は多難だ。
グクとベクヒのスキャンダルが尾をひいて、局がいい顔をしない。
ジェイソンが以前のコネでなんとか押し込んだピルスクは、
テレビで昔の太った姿を公開されてしまう。
見守っていたジェイソンは怒りを覚えるが、ピルスクは違った。
司会者の意地悪な質問も笑顔でかわし、自作の歌を披露して番組はうまくいった。
「昔の写真、ブログから消したら?」
心配するジェイソンに、ピルスクは言う。
「昔のわたしを恥じなきゃいけないのはかなしいな。
太ってても、わたししあわせだったから。学校へ入れたし、友達もできてしあわせだったの。
あの頃のわたしを、わたし自身が嫌いになっちゃいそうで怖いの」
「あの頃を大事に思ってるやつがもうひとりいるよ」
ジェイソンの携帯の待ち受けは、太っていた頃のピルスクだった。
ヘミはずっと心に引っかかっていた疑問をオヒョクにぶつけた。
本当に先生は、ママを誘惑したの?
明日アメリカに行くつもりだから、誤解したまま立ちたくない……。
わたしのママが、悪い人だったの?
言い渋っていたオヒョクも、真実を話さないわけにはいかなかった。
ヘミの母は、大きな病気を患ってしまっていた。
手術をしたが、成功しなかった。
自分が家族の重荷になるのを恐れて、彼女は嘘をついてほしいと頼んだ。
オヒョクは彼女を愛していたから、その嘘を受け入れた。
「お父さんには内緒だ。愛する人を守れなかったことは、一生の悔いになるからね」
明日、ヘミがアメリカにたつ。
サムドンは、意を決してグクに頼んだ。
「俺じゃダメだけど、お前ならできるかも。
ヘミを、引き止めてくれ。
ヘミが俺の話をきくんじゃなくてもいい。
ヘミの心に、俺じゃなくて、お前がいてもかまわない。
お前ができるなら、引き止めろ」
グクも真剣な表情だ。
「止めるべきじゃないし、止められない」
彼女は本当に、行ってしまうのか?
ヘミは自分がオーディション用に作ったビデオを見ていた。
「こんにちは!コ・ヘミです。ずっと声楽をやってました。
正直、この道へ進んだのは、お金のためでした。
ポップスなんて音楽とはとても言えない、三流だと思っていました。
でも、歌で誰かを応援したり、誰かをしあわせにしたり、誰かを慰めることができると知りました。
振り返るとこんなふうに思えます。
ポップスを馬鹿にしていたわたしは、本当に偏見に満ちた三流だった、と。
この1年でやっと三流から抜け出せました。遠からず一流になります。
以上、コ・ヘミの自己紹介でした」
グクの先輩のために歌った「ジーニー」グクに歌った誕生日の歌、ベクヒのためにも歌った。
ヘミはペンダントを握りしめ、グクの言葉を思い出す。
「選んだからには、100%にしなきゃ。自分自身に証明するんだ」
空港へ向かうバス亭。
サムドンは見送りに来なかった。
ヘミは何かを決心したようだった。
見送りを拒んだサムドンは、襲ってきた耳鳴りと共に、走り出す。
ヘミの乗ったバスを走って追いかけて、叫ぶ。
「ヘミ!行くな!戻ってこい!ヘミ!行くな、ヘミ!お願いだ……行くな……」
泣き崩れたサムドンの肩に置かれた手は、ヘミの手。
「走って行っちゃうんなんて……何度も呼んだのに……。
わたし、行かないよ」
「なんだよ?聞こえないよ……」
ヘミはサムドンにわかるように、はっきりと言った。
「い、か、な、い、の」
「行かない?行かないんだな?」
サムドンは泣きながらヘミをぎゅっと抱きしめた。
「そうだろ、俺はお前のことなら全部わかってるんだ。お前は行けない……」
抱きしめられたヘミの目は、真剣だった。
父親はヘミの決断に憤っていた。
「お前たち、ヘミに何をした?」
グクがそこで提案する。
「お父さん、ヘミにチャンスを与えてては?俺たちの舞台を観てください。
ヘミがこの道を選んだ理由をお見せしますから」
「いったいどうするんだ?デビューしたって、大半は舞台に立てやしないじゃないか!」
ヘミとサムドンが戻ってきた。
「立ってみせる。
1ヶ月以内に必ず立つわ。それぐらい待てるでしょ?
無理だったらきっぱりあきらめる」
ヘソンの応援もあって、父はとうとう折れた。
「1ヶ月、1ヶ月だな?」
「うん!」
時間がない。
6人は、必死にレッスンに励んだ。
アルバムも完成し、ドゥシクもプライドを捨てて、営業に励む。
しかし、大きな壁が立ちはだかった。
やはりグクとベクヒの不祥事が、尾を引いている。
彼らは被害者であるのだが、イメージが悪すぎるという。
ふたりを外さなければ、ドリームハイは決して舞台には立てない。
(つづく)
あ゛~~~~~~!
くそーーーーーーーーーーー!
やっぱりつらいっていうかなんか複雑っ!
「行くなって言ってくれないの?」
ヘミが聞いたとき、行くなと言えなかったグク。
わたしもう身もだえしながら見てたんだよね。
行くなって言えばいいじゃん!って。
今、ヘミに言えば、きっとヘミは行かないよ、って。
でもグクは言わない。
それはね、グクが大人だから!
デビューして、芸能界で活動して、成功して、
一時は挫折を味わってまたどん底に落ちて、
夢を叶えるためにはどんなに苦労が必要なのか知っているから。
夢を叶えることがどんなに素晴らしくて、
夢を見つづけることがどんなに大変なのか知っているからだと思うのよ!
ヘミを好きだから、行くなっていうのは簡単。
ヘミが行くなって言ってほしがってるのもわかってる。
だけどあえて言わないの!
ヘミの心には、サムドンがいるんだろうなって薄々わかってるからよけいにね。
「止めるべきではないし、止められない」
それがグクの正直な気持ちだよ……。
いろいろと思うところはありますが……。
ヘミが本当に夢を叶えるためには、
彼女自身が決断しなければならないとわかっているから、
何も言わずにただ見守っている。
「そうと決めたら、それが100%になるように努力しなきゃ。
それを選んだ自分が正しかったと、自分に証明するんだ」
グクは自らの経験から、そう助言するんだね……。
ぐわーーー!なんていい男なんだーーーー!
もうヘソンだけだよわかってくれるの。
でもヘミの頭の中で、グクが天使でサムドンが悪魔なのは笑ってしまったな。
途中までは、ああ、サムドンが「行くなーーーー!」っていうんだろうな、
そんでヘミは考え直しちゃうのかな、けっ とか思って観てました。
ところがどっこい。
もちろんサムドンは素直に行くなと叫びましたが、
ヘミはそのために心動かされたのではなかった。
彼女自身で、ここに残ることを決断したのです。
ヘミえらい!
決めたから!ってこの笑顔。いい表情になりました。
本当に見直した。
ってか、この期におよんでヘミの性格を理解していなかったわたし。
10年声楽やってきて、借金のためにひどい仕打ちにも耐えて、
この子は本当に根性のある子なんだよ。
そしてどれだけ丸くなったといっても、
もともとはプライドの高いお嬢様。
動揺はしても、男ごときに自分の道をゆだねることなどできるわけがないのでした。
自分で決めたヘミがかっこいいし、ほこらしいよ。
それを見守ると決めたグクもそうだよ。
もうオヒョク先生の域に達してるよ。
サムドンはね、いいの。
彼の良さは、あの素直さだから。
自分よりグクの方がかっこいい、
ヘミの心にグクがいたってかまわない、
それでヘミがここに残るのなら……。
そう思えるサムドンの純粋さが、彼の強さ。
サムドンだから許される素直な涙。グクには無理なのよねぇ。
行くなってバスを追いかけたとき、
そうだよそうだよ、それでこそサムドンだよ、と感激しましたよ。
ああでも苦しいな。
グクがなにか達観したような様子なのが救いかな。
グクの試練、サムドンの試練、そして最後にヘミの試練、と
物語はできているわけですね。
彼らが何に悩み、何を選び取って行くか。
オヒョク先生もシ先生も、生徒とはまた違った次元でしたが、
自ら選択して変わり、成長しましたよね。
これは本当にいい青春ドラマだなーと思います。
ヘミが残ると決めてからの6人の様子は、すごく楽しそう。
やっぱり夢を持ってみんなでがんばる姿は見ていてワクワクするよ。
ダンスの練習したり、歌の練習したり。
ドリームハイってグループ名になったんだね。
グクが持ってたペンダントは、今ヘミの手元にある。
どういう経緯でヘミに渡されたのか知りたいところですが、
最終回であかされるのかな……。
オヒョク先生の過去も明らかになりました。
後出しじゃんけんになるけど、そーじゃないかと思ってたよ。
ただ、夫も事実を知らないことには驚いた。
大人たちが口裏を合わせてこどもたちに隠していたのかと思っていた。
お母さんの行動が正しかったとはけして思わないが……。
オヒョク先生が初舞台をすっぽかしたのは、お母さんと雲隠れを装うためだったんだろうなぁ。
予想通り、ジェイソンの待ち受けは太っていた頃のピルスクの写真。
そして、あの頃を消したいとは思わない、というピルスクに感動。
そうだよね、しあわせだった自分を肯定してあげなきゃ。
それに、たとえ不幸な過去、消したいくらい醜い過去があったとしても、
それも含めて今の自分があるのだから。
ふふふ、キスシーン照れまくってるジェイソンがかわいいですね。
このあとピルスクから。
本筋のカップリングに興味が持てない方は、このふたりに癒やされるがいいでしょう。
でもわたしの癒やしはヘソンだけだから……。
手をつなごうとしたサムドンをピシッてやるヘソンが大好きだから。
年の差は8才くらいの設定?それなら大きくなったらお嫁さんになれるよ!
がんばれ!
ぶれないヘソンはグクおっぱ命です。
最終回を前にして、グクとベクヒがデビューの障害になりましたが、
仲間の絆を描くにはそういう困難は不可欠。
ふたりを守ってデビューを見送れば、ヘミはアメリカへいくことになるし、
ふたりを見捨ててデビューすれば、それはヘミにとってのしこりになる。
おそらくベクヒとグクは、自分たちが原因だとわかれば身を引くことになるでしょう。
でもそうしたら、二度と芸能界では生きられないと認めることになる……。
いったいどんなミラクルで全員デビューを果たすのでしょうか……。
こうなったらあの方が必要よ……。
ヨンさまーー!カムバァァァァック!
一難去ってまた一難よね。このあたりって。
それでも6人の友情のおかげで私はそんなに苦しくもなく見てたかも。
しかもビスコさんには悪いけど(え?)ヘミがサムドンを意識してるってわかったし。
グクにはヘソンがいるって事で勘弁してちょ。(笑)
しかしグクの台詞にはぐっとくるよ。確かに選んだ以上それを100%にする努力は
ちゃんとしないとだよね。あっちを選んでいればって思っちゃいかん!
そこは都会の男、人生色々経験してるグクならではだなって。
その反対にいるのがサムドン。まっすぐでわからないなりに考えて
引き留められないとわかりつつもやっぱり嫌だって素直に言えるのよね。
あー、まったく青春っていいわ~(って違うか)
最後の最後にこれまた問題が……。
あと1話しかないでしょ!どーすんの!
でも6人が楽しそうなので救われるのよね。わかるわかるわ。
サムドンとグクは正反対に見えるけど、
たぶん表現方法が違うだけなんだと思うのよ。
ヘミとベクヒが実は似たもの同士だったように、
彼らも通じるものがあるから、お互いをライバルと認められるんだと思うわ。
ほんとに青春っていいな~!違わないよー!