〈あらすじ〉
ウノはチェ大監を役所に呼び出した。
骨の墓場を勝手に埋めてしまった理由を問いただすが、
あれは古戦場の跡だと言い逃れられてしまう。
しかも、大監はウノの出自を持ち出し、彼を侮辱。
屈辱に震えるウノの姿を見たアランは、黙っていられなかった。
「おい!じじぃ!それがいったいなんだっていうのよ!
あんたの出自はどんだけえらいんだって話でしょうよ」
大監は激怒し、アランを打とうとする。
その手を止めたのはウノ、アランを引き寄せ父を諭したのはジュワル。
チェ大監は怒り心頭のまま、役所を辞した。
ウノは、自分の怒りを代弁してかばってくれたアランを好ましく思うが、
ジュワルと出かけようとしていたことには腹が立つ。
「生まれがなんだってのよ。もっと楽に生きなさいよ。
ね、気を落とさないで。庶子だって賢い人はたくさんいるわ」
アランはそういってさばさばと笑った。
トルセはアランの正体を怪しんでいる。
巫女に頼んで見極めてもらおうと役所に連れてきたが、
アランを見た巫女は、彼女がトルセに言い寄っている女だと勘違い。
もちろんアランの正体を知る由もなく、見破れるはずもなく、
役人に追い立てられて早々に逃げ出してしまった。
アランは、落ち込んでいるウノを元気づけようと、夜中の花見に誘った。
嶺南楼のサルスベリが美しいと、ジュワルに誘われていたのを覚えていたのだ。
「わたしは花が一番好き。生まれ変わったら花になるわ。ううん、蝶がいいな」
花は美しく咲き乱れている。
「三年も幽霊でいたのに、見るのは初めてなのか?」
「ううん。でも、使道と見るのは初めてだもの。
同じ風景でも違って見える」
アランの思いがけなく素直な言葉に。ウノはどぎまぎ。
「ね、桃ちょうだい?食べ損なっておなかペコペコ」
「俺の部屋の前をウロウロしてたのはそれが理由か?」
「そうよ。ほかに理由なんかないでしょ」
あ、なんか、ドキドキして損したかも……。
「どうして使道はお母さんをそんなに必死で探すの?」
母親の記憶がないアランには、ウノの思い入れがよくわからない。
自分のせいで母は出て行ったのだと、ウノは言う。
ウノが幼い頃から、自らの運命を嘆き、自分を陥れた相手を呪い続けていた母。
そんな母が哀れだった。
「哀れだったの?憎んだんじゃないの?」
ずっとかわいそうだと思っていた。
彼女の世界には、自分も、父上も存在していなかった。
だがある瞬間、初めて母を憎いと思った。気持ちを抑えられなかった。
その時悟ったのだ。
自分はずっと、母親を憎み続けてきたのだと。
「憎んでいた人がいなくなったのは、いいことじゃないの?」
「そうだな、お前相手に愚痴ってもしょうがないか」
ため息をついた使道の前に、うろんなやからが現れた。
有り金全部おいて行けという暴漢に、小銭を一枚投げてゆこうとするウノ。
男たちは、いっせいに襲い掛かってきた。
アランを遠ざけておいて、ウノは暴漢を次々と打ち倒してゆく。
彼らはチェ大監の部下が手配した男たちだった。
闘いの中で、ある男が死んだ。
魂は体を離れ、ぼんやりしている。
と、霊を連れてゆこうとする不審な者たちが出現。
ふたりは夫人の手の者だが、アランはそれを知らない。
「ねえ、あんた、怨霊は自分の意志で残らないとダメよ。悪霊になっちゃうわよ?」
声をかけたアランに、夫人の部下は斬りかかろうと刀を振り上げた。
そこへ助けに入ったのは、すべてを見ていたムヨン。
そして、男たちを片付けてアランを探しにきたウノだった。
ムヨンは一人を切り、
ウノは自分の扇でもう一人を切った。
消滅するふたりの魂。
ムヨンは驚き、アランに怒りつつ、その場を去った。
「お前!頼むから動くなといっただろ!」
ウノの剣幕に、アランは素直に謝れない。
「ただ向こうにいろって言っただけでしょ……」
「ひとりで行くな!そばにいてくれ。気になるだろ。そばにいてくれよ」
ムヨンの行動には、わけがあった。
怨霊を泳がせ、後をつけ、首領の正体を探ろうとしていたのだ。
彼の心配は、根拠がないものではない。
天帝は、「人の心だけは複雑で先が読めぬものだ」とつぶやいている。
閻魔の意見は明快だ。人間には、いい奴と悪い奴しかいない。
翌朝目覚めたアランを、目の下にクマを作ったウノが訪ねてきた。
「ゆうべ俺が言ったことを考えていたんだが……」
「ああ、そのことならわたしも一晩中考えたわ」
(そんなことを一晩中?)
動揺するウノに、アランは言った。
「お母さんのためでしょ。わたしがいなけりゃ、お母さんも探せないもんね。
そうでしょ、母親っこ」
「お、おお、そうだ。そうなんだ、それでつい神経質に」
「そうだと思った」
「それでちょっと考えたんだ。お前を気にせずにすむ方法をさ」
ウノは、アランに護身術を教えようという。
アランは懐疑的だ。怨霊でいた3年間で、そんなことは身についている。
案の定、ウノはアランにやられっぱなし。
そして練習中に思いがけず至近距離で向き合ってしまったウノは、
内心平静ではいられない。
「きょ、今日はここまで!続きはまた今度だ!」
こっそり覗き見していたトルセもやれやれだ。
アランものんびりしてはいられない。
そもそもこの村の使道が死んだのは、アランが驚かせてしまったからだし。
そのせいで村の評判も落ちた。
「悪かったわ。死ぬのは怖かったでしょうね。あの世にいったら土下座するからね」
ジュワルは、アランの言葉を思い出して微笑んだ。
庶子だって、人に変わりはない。死んだらみんな一緒なんだから。
傲慢な父親をやり込めた様子も、胸がすく思いだった。
なぜ、夫人はアランを所望するのだろうか?
ジュワルは、アランへの好意が増すにつれ、
夫人の言いなりになることに疑問を持ってしまうのだ。
「最近口答えが多いぞ!わたしの命令に従うのだ!」
夫人は気づいている。
アランを作り出したのは、自分を捕えようとしている天帝と閻魔なのだと。
ジュワルはアランを訪ねた。
それを見咎めたウノは、敵愾心むきだしでくってかかる。
ジュワルと出かけようとしたアランにも、「行くな!」と叱った。
しかしアランは納得しない。
なぜ、顔も名前も覚えていない女性と婚約したのか、
本当にイ・ソリムのことを何も知らないのか、聞き出すつもりだ。
ウノは仕方なくいかせたが、いてもたってもいられない。
ふたりの後をつけようと役所を出たところで、
幼い子どもにとりすがられた。
「父さんを助けてください、チェ大監の家につかまっているんです」
「トルセ、お前がいってやれ」
「若旦那!下僕が行ってどうにかなるもんですか!」
泣いてすがる子どもを一度は突き放したものの、
アランたちはさっさと行ってしまうし、どうにも面倒なことになったものだ。
(つづく)
ははは、トルセは相変わらずアランとウノの心配をしているようです。
「九狐尾じゃないのか?顔が似てる」とは、
「僕の彼女は九狐尾」の主役をシン・ミナちゃんが演じていたから。
またもや妖怪?の役なわけで、スタッフのお遊びですね。
彼の心配ももっともで、客観的にみて、ウノはアランにすっかり恋をしていますよね。
ぐぐっと近寄られてどぎまぎ。
間近で無防備な美しい顔を見てドキドキ。
「そばにいろ」と思わずくちばしって言い訳。
恋敵に嫉妬して喧嘩を売り、「行くな!」と叱る……。
ロードオブザキング!
ちがうか、ザはいらんか。
いや、そもそも英語がおかしいか。
まーさーに、王道!
ラブコメの王道!
わかりやすすぎてありがとう!
アランの方は、まったくドキドキしていない状況というのがまたド定番。
複雑な彼氏彼女の事情は置いといて、
こんなわかりやすいエピソードを楽しめるのも、
イ・ジュンギのツンデレ演技を愛しているから~。
もうほんと、彼のことがそもそも好みでない方は、
そうそうに脱落しちゃうでしょうね。
このドラマ、はまった人とそうでない人の差は、
主役のウノが愛せるか愛せないかということにつきるのではないでしょうか。
こればっかりは好みの問題ですから仕方がないですね。
それにしてもウノくん、お母さんを憎んでいたんですねぇ。
しかし、愛しているから憎いんですねぇ。
自分を陥れた人間を呪うことにとらわれていて、
目の前の愛情に気づくことができなかった母は哀れでしたが、
同時に自分を受け入れてくれない憎い存在だったんですね……。
アランは、幽霊だから、というよりも、
そうした愛憎關係の経験がないからよくわかんないんだな。
箱入り娘っぽいし。
ジュワルに誘われた花見だったんだけど、ウノと行っちゃう天然娘。
口説いている方としてはさ、
「俺と君でいくから意味があるんだろ!(怒)」って話ですよ。
「こないだのレア情報ありがとう!彼氏と行ってきた!」とか言われた日にゃあ、
泣いちゃうよ。
ジュワルくん耐えられるでしょうか、心配ですね。(嘘)
さて、幽霊が見えることはわかっていましたが、
ウノくん、すごい扇子を持っていました。
霊魂が斬れちゃう扇子なんでしょ?
ずいぶん強力な武器を持ってるね。誰にもらったんかいね?
あの野良怨霊にやられた時も、持ってたらよかったのに~。
これもまた新たに加わった謎です。
小出しにされるとちょっと気になるね!
脚本家の思うつぼだね!
チェ大監のくそじじぃをやり込めるとき、
アランが「西出、西出ってうるさいわね、あんたの家は東の方だから東出?
それって偉いわけ?」 みたいに言いますが、
これは「西出」と「庶出」が同じ発音だからですね。
(同じ発音だとおかしいかな?似てるだけかな?)
とんち的嫌味なんだろうけど、これって吹き替えのときどうしてたのかな~。
意図を伝える翻訳って、難しいでしょうね。
ご存知の方がいたら教えてくだされ。
うっふっふっふっふ。
どうにもこうにも心配で、ふたりの後をつけようとまでするウノが大好きだ。
見方を変えれば偏執狂ともいえるのだが……。
「お前に護身術を教えよう!」と見当違いのウノも好き。
迷える男子はいつの世もかわゆらしいものですね。
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