順当に進むかと思われたボトムドローで、大波乱発生!
(29)Ana Ivanovic (SCG) d. (3) Amelie Mauresmo (FRA) 64 36 64
アナ・イバノビッチはこのページでも少しだけ取り上げた。若手で急激に実力を伸ばしセクシーさでも話題になっている。その後も、ワルシャワの大会(ティアII)でベスト4まで進みエナンにも食らいついた。それでも、まさかここまでやってくれるとは思わなかった。
2回戦の試合を見る限り、モーレズモにこれといった問題が起きるとは思えなかった。イバノビッチのウィナー42本とは恐ろしいの一言である。世界3位相手に、それも芝とかカーペットならともかくレッドクレーのコートである。よほどフォアハンドが炸裂していたのだろう。
第1セットは、最初のゲームでイバノビッチがいきなりブレークした後、モーレズモがブレークバックし第3ゲームもキープ。その後は互いに2ゲームずつ連取する珍しい展開。ブレークは頻繁にあるのに、第9ゲームまでは一度も2ゲーム以上の差がつかない。しかし第9ゲームで、アメリーが40-15としながらそこから逆転でブレークを許し、これが結局痛かった。第10ゲームをアナがキープしてセットを奪う。
第2セットも、第1ゲームをアナがいきなりブレーク、それも前のセット第9ゲームと同じ40-15からの逆転である。第5ゲームには4-1リードとできるブレークポイントが2回アナにあった。このあたりでは、まさかアナのストレート勝ちかとさえ思われた。しかし、このゲームをキープしたところからアメリーが一気に盛り返す。第6,8ゲームを立て続けにブレークして逆転した。第9ゲームにはアナにブレークポイントもあったが、それをしのいでセットを取り返した。
第3セットも先にブレークしたのはアナである。第4ゲーム、アメリーが終始ポイント先行しながら、3回デュースの後最初のアナのブレークポイントでブレークしてしまった。しかしアメリーも第5ゲームをすぐにブレークバック。しかし第2セットと違い、アナもそれ以降はきっちりキープして食い止め、第9ゲームまで双方キープが続いた。そして第10ゲーム、アメリーに最初から2本Unforced Errorが続き、果たしてそのままラブゲームでアナがブレーク、大金星を挙げた。
アナは今シーズンだけでモーレズモと4回目の対戦、そして初めての勝利を挙げた。若手選手が世界のトップに躍り出る過程には、行く手を毎回のように阻む上位選手がいて、そしてその選手を破るのが大きなブレークスルーになる。今回はそのような勝利かもしれない。
思い出すと、エレーナ姫が出始めの頃、上位に進むと毎回のようにダベンポートに当たって負けた。そのダベンポートを破ったのはやはり大きなポイントであり、初優勝の際も決勝の相手はダベンポートだった。
この試合は、どこでトラブルが発生したかわからないけれども、映像を見ることが全くできなかった。IBMリアルタイムスコアボードの新機能"Stroke Tracker"を使って、どんなラリーだったか時折チェックできたのみである。これは痛恨としか言いようがない。
ここまで波乱のあった試合あるいは上位が苦戦した試合は、上位選手が極端にスロースタートでゲームを立て続けに落としたり、あるいは調子が戻ると実力差通り一気にゲームを連取したりと、荒っぽい展開が多かった。それに対し、このゲームは第2セット後半を除きそのような場面がなく、競り合った場面が続いている。その意味でも見たかった。
ここは是非とも、アナには最悪4回戦は勝ってもらいたい。準決勝まで進めば言うことなし。(ペトロバやボビナはどうするの?アナのほうが優先度上)
(10) Justine Henin-Hardenne (BEL) d. Anabel Medina Garrigues (ESP) 46 62 63
エナンも予想外の苦戦。第1セット立ち上がりはなんと5ゲームを続けて落とす。その後4ゲームを取り返しブレークの数で並びながら、第10ゲームでまたブレークを許すという、かえって悪いセットの落とし方だった。
第2セットはエナンが前半で大きくリードして奪ったが、第3セットも決してエナンの一方的ペースにはならなかった。相手のMedina Garriguesはいいテニスをしており、エナンの強打をよく拾いエナンのミスを誘ったし、逆に攻める場面もたびたびあった。
エナンが極端に悪いとは思えなかったけれども、やはりミスは本来より多い。落とした第1セットにはダブルフォルトも絡んだようで、ミスを少なくしていかないとこの先を勝ち上がるのは難しいかもしれない。
余談だが、この2人、ウェアのデザインが全く同じで、背格好もほとんど同じ(エナンが167cm/57kgでMedina Garriguesが168/59)。つまり、ラリーの途中から見るとどちらがどちらかわからない!これは困った。バックハンドを打てばもちろんわかるけれども、やはり相手としてはエナンにバックハンドを極力打たせないようにするだろう。
地元フランス選手にとっては冷たい冷たい一日。モーレズモの前にもゴロバン・Loit・デシーと立て続けに負け、特にデシーはノーシードのLlagostera Vives相手の敗戦だった。
どうでもいい話だが、4回戦のシャラポワ対Llagostera Vivesの対戦は、「ほぼ最大対ほぼ最小」の対決(笑)になる。「ほぼ」と書いたのは、シャラポワもいくら何でもダベンポートやボビナほど大きくないし(とはいえ公称の183cmより大きいこともほぼ確実。画像判定ではヴィーナスと同じかわずかに大きい)、Llagosteraは155cmでロシアのPanovaより(プロフの出ている選手ではPanovaがたぶん最小)1cmだけ大きいためである。
(29)Ana Ivanovic (SCG) d. (3) Amelie Mauresmo (FRA) 64 36 64
アナ・イバノビッチはこのページでも少しだけ取り上げた。若手で急激に実力を伸ばしセクシーさでも話題になっている。その後も、ワルシャワの大会(ティアII)でベスト4まで進みエナンにも食らいついた。それでも、まさかここまでやってくれるとは思わなかった。
2回戦の試合を見る限り、モーレズモにこれといった問題が起きるとは思えなかった。イバノビッチのウィナー42本とは恐ろしいの一言である。世界3位相手に、それも芝とかカーペットならともかくレッドクレーのコートである。よほどフォアハンドが炸裂していたのだろう。
第1セットは、最初のゲームでイバノビッチがいきなりブレークした後、モーレズモがブレークバックし第3ゲームもキープ。その後は互いに2ゲームずつ連取する珍しい展開。ブレークは頻繁にあるのに、第9ゲームまでは一度も2ゲーム以上の差がつかない。しかし第9ゲームで、アメリーが40-15としながらそこから逆転でブレークを許し、これが結局痛かった。第10ゲームをアナがキープしてセットを奪う。
第2セットも、第1ゲームをアナがいきなりブレーク、それも前のセット第9ゲームと同じ40-15からの逆転である。第5ゲームには4-1リードとできるブレークポイントが2回アナにあった。このあたりでは、まさかアナのストレート勝ちかとさえ思われた。しかし、このゲームをキープしたところからアメリーが一気に盛り返す。第6,8ゲームを立て続けにブレークして逆転した。第9ゲームにはアナにブレークポイントもあったが、それをしのいでセットを取り返した。
第3セットも先にブレークしたのはアナである。第4ゲーム、アメリーが終始ポイント先行しながら、3回デュースの後最初のアナのブレークポイントでブレークしてしまった。しかしアメリーも第5ゲームをすぐにブレークバック。しかし第2セットと違い、アナもそれ以降はきっちりキープして食い止め、第9ゲームまで双方キープが続いた。そして第10ゲーム、アメリーに最初から2本Unforced Errorが続き、果たしてそのままラブゲームでアナがブレーク、大金星を挙げた。
アナは今シーズンだけでモーレズモと4回目の対戦、そして初めての勝利を挙げた。若手選手が世界のトップに躍り出る過程には、行く手を毎回のように阻む上位選手がいて、そしてその選手を破るのが大きなブレークスルーになる。今回はそのような勝利かもしれない。
思い出すと、エレーナ姫が出始めの頃、上位に進むと毎回のようにダベンポートに当たって負けた。そのダベンポートを破ったのはやはり大きなポイントであり、初優勝の際も決勝の相手はダベンポートだった。
この試合は、どこでトラブルが発生したかわからないけれども、映像を見ることが全くできなかった。IBMリアルタイムスコアボードの新機能"Stroke Tracker"を使って、どんなラリーだったか時折チェックできたのみである。これは痛恨としか言いようがない。
ここまで波乱のあった試合あるいは上位が苦戦した試合は、上位選手が極端にスロースタートでゲームを立て続けに落としたり、あるいは調子が戻ると実力差通り一気にゲームを連取したりと、荒っぽい展開が多かった。それに対し、このゲームは第2セット後半を除きそのような場面がなく、競り合った場面が続いている。その意味でも見たかった。
ここは是非とも、アナには最悪4回戦は勝ってもらいたい。準決勝まで進めば言うことなし。(ペトロバやボビナはどうするの?アナのほうが優先度上)
(10) Justine Henin-Hardenne (BEL) d. Anabel Medina Garrigues (ESP) 46 62 63
エナンも予想外の苦戦。第1セット立ち上がりはなんと5ゲームを続けて落とす。その後4ゲームを取り返しブレークの数で並びながら、第10ゲームでまたブレークを許すという、かえって悪いセットの落とし方だった。
第2セットはエナンが前半で大きくリードして奪ったが、第3セットも決してエナンの一方的ペースにはならなかった。相手のMedina Garriguesはいいテニスをしており、エナンの強打をよく拾いエナンのミスを誘ったし、逆に攻める場面もたびたびあった。
エナンが極端に悪いとは思えなかったけれども、やはりミスは本来より多い。落とした第1セットにはダブルフォルトも絡んだようで、ミスを少なくしていかないとこの先を勝ち上がるのは難しいかもしれない。
余談だが、この2人、ウェアのデザインが全く同じで、背格好もほとんど同じ(エナンが167cm/57kgでMedina Garriguesが168/59)。つまり、ラリーの途中から見るとどちらがどちらかわからない!これは困った。バックハンドを打てばもちろんわかるけれども、やはり相手としてはエナンにバックハンドを極力打たせないようにするだろう。
地元フランス選手にとっては冷たい冷たい一日。モーレズモの前にもゴロバン・Loit・デシーと立て続けに負け、特にデシーはノーシードのLlagostera Vives相手の敗戦だった。
どうでもいい話だが、4回戦のシャラポワ対Llagostera Vivesの対戦は、「ほぼ最大対ほぼ最小」の対決(笑)になる。「ほぼ」と書いたのは、シャラポワもいくら何でもダベンポートやボビナほど大きくないし(とはいえ公称の183cmより大きいこともほぼ確実。画像判定ではヴィーナスと同じかわずかに大きい)、Llagosteraは155cmでロシアのPanovaより(プロフの出ている選手ではPanovaがたぶん最小)1cmだけ大きいためである。