雑記帳(新居)

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全仏第6日(その2)

2005-05-28 16:58:11 | テニス
順当に進むかと思われたボトムドローで、大波乱発生!

(29)Ana Ivanovic (SCG) d. (3) Amelie Mauresmo (FRA) 64 36 64
アナ・イバノビッチはこのページでも少しだけ取り上げた。若手で急激に実力を伸ばしセクシーさでも話題になっている。その後も、ワルシャワの大会(ティアII)でベスト4まで進みエナンにも食らいついた。それでも、まさかここまでやってくれるとは思わなかった。

2回戦の試合を見る限り、モーレズモにこれといった問題が起きるとは思えなかった。イバノビッチのウィナー42本とは恐ろしいの一言である。世界3位相手に、それも芝とかカーペットならともかくレッドクレーのコートである。よほどフォアハンドが炸裂していたのだろう。

第1セットは、最初のゲームでイバノビッチがいきなりブレークした後、モーレズモがブレークバックし第3ゲームもキープ。その後は互いに2ゲームずつ連取する珍しい展開。ブレークは頻繁にあるのに、第9ゲームまでは一度も2ゲーム以上の差がつかない。しかし第9ゲームで、アメリーが40-15としながらそこから逆転でブレークを許し、これが結局痛かった。第10ゲームをアナがキープしてセットを奪う。
第2セットも、第1ゲームをアナがいきなりブレーク、それも前のセット第9ゲームと同じ40-15からの逆転である。第5ゲームには4-1リードとできるブレークポイントが2回アナにあった。このあたりでは、まさかアナのストレート勝ちかとさえ思われた。しかし、このゲームをキープしたところからアメリーが一気に盛り返す。第6,8ゲームを立て続けにブレークして逆転した。第9ゲームにはアナにブレークポイントもあったが、それをしのいでセットを取り返した。
第3セットも先にブレークしたのはアナである。第4ゲーム、アメリーが終始ポイント先行しながら、3回デュースの後最初のアナのブレークポイントでブレークしてしまった。しかしアメリーも第5ゲームをすぐにブレークバック。しかし第2セットと違い、アナもそれ以降はきっちりキープして食い止め、第9ゲームまで双方キープが続いた。そして第10ゲーム、アメリーに最初から2本Unforced Errorが続き、果たしてそのままラブゲームでアナがブレーク、大金星を挙げた。

アナは今シーズンだけでモーレズモと4回目の対戦、そして初めての勝利を挙げた。若手選手が世界のトップに躍り出る過程には、行く手を毎回のように阻む上位選手がいて、そしてその選手を破るのが大きなブレークスルーになる。今回はそのような勝利かもしれない。
思い出すと、エレーナ姫が出始めの頃、上位に進むと毎回のようにダベンポートに当たって負けた。そのダベンポートを破ったのはやはり大きなポイントであり、初優勝の際も決勝の相手はダベンポートだった。

この試合は、どこでトラブルが発生したかわからないけれども、映像を見ることが全くできなかった。IBMリアルタイムスコアボードの新機能"Stroke Tracker"を使って、どんなラリーだったか時折チェックできたのみである。これは痛恨としか言いようがない。
ここまで波乱のあった試合あるいは上位が苦戦した試合は、上位選手が極端にスロースタートでゲームを立て続けに落としたり、あるいは調子が戻ると実力差通り一気にゲームを連取したりと、荒っぽい展開が多かった。それに対し、このゲームは第2セット後半を除きそのような場面がなく、競り合った場面が続いている。その意味でも見たかった。

ここは是非とも、アナには最悪4回戦は勝ってもらいたい。準決勝まで進めば言うことなし。(ペトロバやボビナはどうするの?アナのほうが優先度上)

(10) Justine Henin-Hardenne (BEL) d. Anabel Medina Garrigues (ESP) 46 62 63
エナンも予想外の苦戦。第1セット立ち上がりはなんと5ゲームを続けて落とす。その後4ゲームを取り返しブレークの数で並びながら、第10ゲームでまたブレークを許すという、かえって悪いセットの落とし方だった。
第2セットはエナンが前半で大きくリードして奪ったが、第3セットも決してエナンの一方的ペースにはならなかった。相手のMedina Garriguesはいいテニスをしており、エナンの強打をよく拾いエナンのミスを誘ったし、逆に攻める場面もたびたびあった。
エナンが極端に悪いとは思えなかったけれども、やはりミスは本来より多い。落とした第1セットにはダブルフォルトも絡んだようで、ミスを少なくしていかないとこの先を勝ち上がるのは難しいかもしれない。
余談だが、この2人、ウェアのデザインが全く同じで、背格好もほとんど同じ(エナンが167cm/57kgでMedina Garriguesが168/59)。つまり、ラリーの途中から見るとどちらがどちらかわからない!これは困った。バックハンドを打てばもちろんわかるけれども、やはり相手としてはエナンにバックハンドを極力打たせないようにするだろう。

地元フランス選手にとっては冷たい冷たい一日。モーレズモの前にもゴロバン・Loit・デシーと立て続けに負け、特にデシーはノーシードのLlagostera Vives相手の敗戦だった。

どうでもいい話だが、4回戦のシャラポワ対Llagostera Vivesの対戦は、「ほぼ最大対ほぼ最小」の対決(笑)になる。「ほぼ」と書いたのは、シャラポワもいくら何でもダベンポートやボビナほど大きくないし(とはいえ公称の183cmより大きいこともほぼ確実。画像判定ではヴィーナスと同じかわずかに大きい)、Llagosteraは155cmでロシアのPanovaより(プロフの出ている選手ではPanovaがたぶん最小)1cmだけ大きいためである。

全仏第5日

2005-05-27 17:12:18 | テニス
この第5日は豪華な一日になりました!(^^)
最初の観戦はキム対ダニエラの予定だったけれども、この時間には帰宅できず。以降、この日のメニュー
ダベンポート対Razzano
デメ対森上
ナダル対ガスケ
マリー対ベラ子
ヴィーナス対カラタンシェバ

(4) Elena Dementieva (RUS) d. Akiko Morigami (JPN) 63 46 63
さて、まずはディメンティエワだが、勝つには勝ったがいったいどうしたものか。森上に楽には勝てないと覚悟していたけれども、想像以上にひどいものだ。

第1セットは、例によってサービスゲームで森上に攻められ、ブレークポイントをしのぎまくる展開。森上は13回のブレークポイントがありながらブレーク成功は1回だけ。第5ゲーム森上のブレークの直後にエレーナもブレーク、このセットはどうにかリードを保ってエレーナがとった。
第2セットも前半は相変わらず森上のブレークポイントをしのぎまくり。この間に森上のサーブを1回ブレークし、3-1とリードしていた。しかしこのセット中盤からは、いつもに輪をかけてディメンティエワのサーブが入らなくなる。第6ゲームでついにブレークを許し、第7ゲームでブレークバックするものの、第8ゲームからは3ゲーム続けて森上に奪われた。
第3セットも序盤はエレーナが3-1とリードしながら3-3に追いつかれ、このときは第2セットの再現かとさえ思った。しかし最後は、森上のほうがガス欠に見えた。森上にミスが増え、それに乗じてエレーナが勝つ形になった。第8ゲームから合計11ポイントをエレーナが連取し、一気にマッチポイントまでこぎ着ける。最後のポイントは森上のダブルポイントであっけなく終了。

ダブルフォールトが多すぎると1回戦から繰り返してきたけれども、17本とは信じられない。プロのテニス選手にあるまじき状態である。この内容では次のリホフツェワとの対戦はもちろん勝てないだろう。
エレーナは早いサーブも打っているようだが、それによって1stの入りがさらに悪くなっているように懸念される。まして赤土の全仏では、速いサーブが入ったとしても効果は薄い(絶頂時のヴィーナスほどのスピードならともかくも)。今から剛速球サーブを身につけるのもとても期待できない。去年のように、100キロくらいの超スロー変化球サーブを入れていったほうがまだましのような気がする。それでたまに150キロくらいのサーブを入れれば、目くらましになるのではないか。素人考えでは、スピードの絶対値よりスピードの落差が重要だと思うのだが。

# この試合で動くエレーナを今大会初めて見たけれども、エレーナのウェアがピンク色でシャラ風(?)でちょっとセクシーなウェアに変わっている。ヨネックスはこれまでウェアが地味だとさんざん言われおり、ヨネにとって女子のNo.1モデルはデメだから、ここでイメージチェンジしてきたのか。しかし、エレーナには違和感があると感じるのは、管理人だけか。

(1) Lindsay Davenport (USA) d. Virginie Razzano (FRA) 75 46 64
今大会、ダベンポートも悪い方に驚かせてくれる。
1回戦2回戦といずれも第1セットを落としているダベンポート、この試合も最初4ゲームを続けて落とすという超スロースタート。そこから追いついて逆転で第1セットをとったので、今度はストレート勝ちとばかり思った。しかし第2セットを奪われ、第3セットも先にブレークをしながら第8ゲームで追いつかれるという、全くしまりのない展開だった。第9ゲームにRazzanoに2本ダブルフォールトが出て、これを利してダベンポートがブレーク、第10ゲームをキープしてようやく試合を決めた。Razzanoとしては、金星を惜しくも逃したという印象である。

(21) Mary Pierce (FRA) d. (9) Vera Zvonareva (RUS) 76(2) 75
ここまで管理人の見た中では間違いなくベストゲーム。相変わらずのベラ子の感情の激しさが玉に瑕だが。この試合を選んでたっぷり時間をとって放送した、大本の放送局もGood job!
今大会マリーは元気だ。5年ぶりの大爆発を本当に起こしてしまうかもしれない。問答無用でウィナーを奪える破壊力は、まだまだ若い者には負けない。
これまで見た試合はなんとなく不満を抱く内容が多かったけれども、両方ともひたすら強打で攻撃しまくるから、とにかく面白かった。せこいことは絶対にしないと言わんばかりである。ミスも極端に多いけれどもそれを不満に感じることはないのだ。

Sesil Karatantcheva (BUL) d. (11) Venus Williams (USA) 63 16 61
カラタン(カラタンシェバ)でかしたぞ!!
浅越相手にも第1セットの競り合いを制してストレート勝ち、これはヴィーナス相手にもおもしろい試合ができるかもと思ったけれども、まさか本当に倒してしまうとは。
この試合は一瞬しか見られなかったけれども、ヴィーナスがひどい内容であっただろうことは想像がつく。一時期は強くて憎たらしくてどうしようもなかったヴィーナスがこのラウンドで15歳相手に負けてしまうとは、一抹の寂しさも感じる。
QFは「カラタン対エレーナ」確定か。本当なのか。←リホフツェワが勝っても「エレーナ」です

こうなるとトップハーフはキムが楽々と勝ち抜きそうだ。直前に痛めた膝の状態がかなり悪いと伝えられたので、事前予想から外してしまったけれども、これまでのところ問題はなさそう。まず、ダベンポートはキムの敵にはなりそうにない。キムにとって最初の山はQFで、5年ぶり爆発のマリーがきても今期好調の技巧派パティがきても、それまでのような楽な試合にはならないはずだ。それをクリアすれば、SFがまた楽で、デメでもリホフツェワでも間違ってカラタンでも問題にしないだろう。

全仏第4日

2005-05-26 02:27:18 | テニス
管理人のほうが少し息切れしつつある。

シャラポワは、Rezaiとの対戦で序盤リードを許し、またしてもかと心配された。しかし、第1セット中盤以降は5ゲームくらい連取、第2セットも確実に先行して結局はストレートで勝った。(6-3 6-2)しかし、内容的にはまだまだ問題がありすぎるようだ。Statsは、シャラポワのミスというよりも、むしろRezaiに極端にミスが多いという数字である。ウィナーはシャラポワよりもRezaiのほうが多い。
クズネツォワもArvidssonとの対戦でどこか不安定な試合をした。パリは熱波襲来、気温30度前後に達しているようだが、その暑さのせいか動きが鈍く、第2セット1-4とリードを許したときはどうなることかと思った。そのあと5ゲームを連取して結局はストレート勝ちとしたものの、これも相手ミスに助けられたという印象が強い。

しかし、全体としてはこの日は上位シードの楽勝試合が多く、無風だった。

おまけ
この日の後半にはモーレズモ対Corneという対戦を見た。Corneは地元フランスのまだ15歳の選手、体がとても小さいしまだ線も細い。可愛くて一生懸命ボールを追いかけているのが伝わってくるのはよいけれども、アメリー相手にウィナーなどとれそうにない。アメリーがミスしなければポイントにならない。
終盤何ゲームかは、アメリーが可愛い自国の後輩に稽古をつけてやっているという雰囲気だった。どこかのどかな感じ。もちろん結果は6-0 6-2のモーレズモの完勝。実質6-0 6-0に近い。

全仏第3日

2005-05-25 02:07:53 | テニス
デメはMamicという選手に7-6(7) 6-2で勝って、何とか3回戦に進んでいる。
この試合はスコアボードを追っていただけだったけれども、第1セットは何度となくだめだと思った。このセットゲームカウント4-1とリードして、今度はすんなり勝つものかと思いきや、全然そうではなかった。第12ゲームには相手にServing for setを握られ、それをブレークしてタイブレークに突入してからも何度も相手のセットポイントがあった。本人が言っているように、またしても肝心の場面でダブルフォルトが絡んでいるようである。

この日は結局波乱はなかったけれども、悪い意味で一番驚いたのはダベンポートだろう。中国のPengとの対戦で、第1セットを落とし第2セットも先にブレークを許し、そのままPengのServing for the matchを迎えた。さらにそのゲームも30-15となり、敗戦まであと2ポイントのところまで追い込まれた。
この場面でようやく、実に遅いダベンポートのお目覚めとなった。結局そのあとの11ゲームのうち10ゲームを奪取。第2セットはタイブレークで、第3セットは1ゲームも落とさずに勝った。
ヴィーナスもZuluaga相手に1セットを失っての勝ち上がりとなっている。

ドロー上半分はいったい誰が上がってくるだろうか。キムはすんなり抜け出しそうだが、ほかは誰になるか見当がつかない。

全仏第2日

2005-05-24 01:04:42 | テニス
シャラポワ 6-7(4), 6-2, 6-4 リネツカヤ
とにかく心臓に悪いので、こんな試合は1回限りにしてほしい。
この試合は映像がほとんど見られなかったけれども、シャラポワが勢いに乗って続けてポイントを取る場面がほとんどない。Unforced Errorが異常に多く、寒い内容だったことは見当がつく。
第3セットもリネツカヤに先にブレークを許し、その後4-3とリードしながらまたブレークされて4-4と追いつかれるなど、最後まで勝つという気分が全くしなかった。
シャラポワは実は取りこぼしはきわめて少ないので(*)、初戦敗退の心配は全くしていなかったけれども、ふたを開けたらひどいものである。ドローもシャラポワは非常にきついので、これでは上位進出はおぼつかない。
(*)格下の選手に負けたのは、去年のUSオープンでピエルスに負けたのが最後。それ以降負けた相手は、クズ・モリック・モーレズモ・セレナ・ダベ・キム・エナンなので、明らかに格下の選手には負けていない。

エナンもマルチネス相手にフルセットでかなり苦戦(6-0, 4-6, 6-4)。
しかし、映像を見ていた人によると、エナンが悪かったというよりは、老獪なコンチータワールド全開の試合だったらしい。シャラポワと違い、ある程度は織り込み済みの苦戦だったようだ。
また、エナンはずっと連勝を続けているけれども、その連勝中も1回戦とか2回戦では意外と格下相手にセットを落とす場面はある。

この日は、残る上位シード、モーレズモ・クズネツォワ・ペトロワはいずれも楽勝通過。