奥高尾"日影林道”で見掛けた「アサギマダラ(浅葱斑)」。タテハチョウ科アサギマダラ属の蝶で、翅の長さは5~6センチ。日本全土から中国やヒマラヤ山脈まで広く分布し長距離を移動する。アサギマダラは10月頃に山から平地に降りてくるので多摩ニュータウンでもたまに見ることがある。
今年はカメムシが全国的に大発生しているようだ。農林水産省は9月13日に『令和5年度病害虫発生予報』を発表しており農作物への被害を注意喚起している。我が家でも洗濯物に付いたり雨戸の開け閉めの間に部屋に入り込んだりして虫嫌いのカミサンはそのたびに悲鳴を上げている。
写真はカメムシ科キンカメムシ属の「アカスジキンカメムシ(赤筋金亀虫)」の幼虫。カゴノキを観察しているとその葉に付いていた。頭部、胸部、腹部が黒褐色になり腹部の周辺部に環状の白い斑がある。これを見ると私は"ちびまる子ちゃん”が大笑いしている姿を思い浮かべてしまう。アカスジキンカメムシは成虫になるとその姿は一変。金属光沢のある緑色に赤い筋が入る美しい色彩になる。
奥高尾"もみじ台南巻き道”で見掛けた小型のチョウ。以前、見たことがあったジャノメチョウだと思ったが丸紋の位置が違う。調べてみるとこれは「ヒカゲチョウ(日陰蝶)」のようだ。タテハチョウ科ヒカゲチョウ属で日本固有種。曇天や夕刻などに見られることから名付けられているが、この日は晴天で時刻は午前10時頃。名前通りにはいかない。
谷戸に咲くヒガンバナに止まっている大型の蝶。翅の模様の感じからクロアゲハだと思ったが調べてみると「ナガサキアゲハ(長崎揚羽)」のように思える。アゲハチョウ科アゲハチョウ属で東南アジアや中国、台湾や日本の近畿地方以南に分布している。21世紀に入ってから関東地方や東北地方南部で成虫が確認されている。クロアゲハの後翅には尾状突起があるがナガサキアゲハには突起が無い。私は蝶や昆虫には詳しくないので違うかも知れない。
長沼公園"野猿の尾根道”で見掛けた蝶。飛んでいる時はツマグロヒョウモンかと思ったが止まった姿を見ると色合いが少し異なる。これはどうやら「ミドリヒョウモン(緑豹紋)」のメスのようだ。タテハチョウ科ヒョウモンチョウ属で翅を拡げると6~7センチある。
ベニバナボロギクを撮ろうとしていると横に止まった「コオニヤンマ(小鬼やんま※)」。サナエトンボ科コオニヤンマ属のトンボで体長は8~9センチ。オニヤンマに良く似ているがオニヤンマの複眼が接するのに対して本種は少し離れているのでコオニヤンマのようだ。子供の頃はそんな区別を考えず"オニヤンマ”として追い掛けていたのだろう。ちなみにオニヤンマはオニヤンマ科で科が異なる。
※"やんま”の漢字は蜻+虫へんに廷
奥高尾“日影沢林道”で吸水していた「ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)」。翅をパタパタ小刻みに動かすのでなかなか翅を拡げた瞬間が撮れない。何度かシャッターを切って何とか翅の色がわかるのがこの一枚。ミヤマカラスアゲハはアゲハチョウ科アゲハチョウ属のチョウで写真は夏型のオスのようだ。翅の一部は“構造色”という特殊な仕組みで美しい金属光沢の色彩を生み出している。ミヤマカラスアゲハが実際に持っている色素は黒系、赤系、黄系、白系であり青系や緑系の色は構造色の光の反射具合により発色している。
東光寺第一緑地の木杭に止まった「ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)」。タテハチョウ科ツマグロヒョウモン属のチョウで翅の褄(つま=先端)が黒く翅全体に豹紋がある。写真はオスの個体でメスは前翅の先端に黒い部分と白い帯がある。幼虫は毒々しい色をしているが突起には毒は無く刺すこともない。スミレ類を食草としており、喰い荒らされたスミレを見ることがある。
野津田公園の林縁で見掛けた「ジャノメチョウ(蛇の目蝶)」。タテハチョウ科ジャノメソウ属で成虫は夏に見られる。翅に“蛇の目”模様が特徴で写真の個体はオスにようだ。幼虫はカヤツリグサ科やイネ科植物を食草にする。
ツクバネの葉に止まっている「アカスジキンカメムシ(赤筋金亀虫)」。キンカメムシ科アカスジキンカメムシ属の昆虫で関東地方以南で見られる。幼虫は“ちびまる子ちゃん”の顔のような模様だが、写真は成虫のもので緑色地に赤い筋が入りとても美しい。