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ワビスケ

 尾根緑道から南多摩尾根幹線に繋がる遊歩道に植栽されている「ワビスケ(侘助)」。ツバキ科ツバキ属の常緑小高木で樹高は3~4メートル。中国原産のウラクツバキから生まれたとされており普通のツバキの品種より小型でやや早咲きの傾向がある。花は完全に開ききらないものが多く八分咲きくらいで落花する。また雄蕊の葯は退化して花粉を作らない。
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ナニワイバラ

 私は大学卒業まで横浜で過ごしたハマっ子だが、就職と同時に大阪勤務を命ぜられ独身寮に放り込まれて結局9年間関西で生活した。当初は言葉遣いや食生活などでずいぶん戸惑ったが2~3ヶ月もすると自然に大阪弁を話すようになり関西文化に順応していった。
 当時良くわからなかったのが地名表記やその読み方。大阪を“なにわ”というのは知っていたが、その漢字表記は“難波”“浪速”“浪花”とさまざま。“難波”は地下鉄駅では『なんば』であり、『なみはやく』と読んだ浪速区は『なにわく』だった。子供の頃テレビで見ていたオロナイン軟膏のCMは浪花千栄子(なにわちえこ)さんの印象が強くやはり浪花が一番しっくりきた。
 また十三(じゅうそう)は“てなもんや三度笠”の藤田まことさんが『♪♪十三のねえちゃん~』と歌っていたので知っていたが、放出(はなてん)、門真(かどま)、松屋町(まっちゃまち)、道修町(どしょうまち)などは正しく読めなかった。もうほぼ半世紀前の思い出だ。
 写真はバラ科バラ属の「ナニワイバラ(浪花茨)」。中国、台湾原産のつる性常緑木本で江戸時代に大阪商人によって持ち込まれたので名付けられている。4~6月に直径7~8センチの花を咲かせ果実は秋に熟す。果実は長さ3~4センチの偽果でオレンジ色になり表面には長い毛が密生している。果実にはビタミンCが豊富に含まれ美容や薬用に利用されている。
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ドイツトウヒ・2~果実

 マツ科トウヒ属の「ドイツトウヒ(独逸唐檜)」。ヨーロッパ原産の常緑高木で原産地では樹高は40メートルにもなる。花期は5~6月で果実はその年の秋に熟す。果実は長さ10~20センチ、直径3~4センチの球果でトウヒ属の中では一番大きくなる。果鱗は長さ2~2.5センチ。
 当地ではドイツトウヒの園芸種が見られるが、樹高はせいぜい3~4メートルで花も咲かなければ果実も見たことがない。当地の植物公園をいくつか探してみたが神代植物公園でも東京都薬用植物園でも見つけられなかった。
 昭和記念公園でスタッフに尋ねると『確か“こどもの森”辺りにあり長い松ぼっくりを見たことがある』との情報を得て“こどもの森”をくまなく探したがこれが見つからない。ついに諦めて公園管理センターに電話したところ『“こどもの森”のドイツトウヒは枯死しました 別の場所に1株あるが藪の中で綺麗な樹形は見られないがスタッフをそこに向かわせる』との有り難い回答。20分後に合流した若いスタッフがスマホで位置を確認して示した高木の葉を良く見るとそれはドイツトウヒではなくヒノキかサワラの葉の形。結局ドイツトウヒは確認できなかった。どうやら昭和記念公園ではドイツトウヒは無くなったようだ。
 最後に訪れた多摩森林科学園でやっとドイツトウヒを確認できたが、周りには他の常緑樹が聳えておりドイツトウヒの葉は20メートル以上の枝にしか残っていない。そこで根元を探して大量の落ち葉の中からやっと果実を見つけた。どこかで樹形の整ったドイツトウヒの高木を見てみたい。
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ヤドリギ

 陵南公園分園のサクラに寄生している「ヤドリギ(宿木)」。ビャクダン科(←マツグミ科)ヤドリギ属の常緑低木で北海道~九州の山野に分布している。雌雄異株で3~4月に枝先の葉腋に小さな花を咲かせ果実は秋に稔る。果実は直径8~9ミリの液果で表面には褐色の斑点がある。ヤドリギの果実には粘着物質に包まれた種子があり、この果実を好むヒレンジャクなどが果肉を食べて排泄する際に消化されなかった種子がそのまま出て他の樹木に付着して発芽する。
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ツガ

 マツ科ツガ属の「ツガ(栂)」。福島県以南の暖温帯に分布する常緑高木で樹高は20~30メートルになる。細かな葉が次々に展開していくことから“継ぐ”が名前の由来とされ公園樹や神社のご神木として使われている。樹形はモミのような整った円錐形にはならず、葉は左右2列に開き先端は尖らず凹む。雌雄同株で2月に開花し秋に球果が稔る。
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アスナロ

 ヒノキ科アスナロ属の「アスナロ(翌檜・明日檜)」。日本固有種で北海道南部~九州の山地に自生する常緑高木。樹高は10~20メートルで大きなものは30メートルにもなる。材にはヒノキチオールなどの精油が含まれ医薬品や化粧品などに利用されるが、材としてはヒノキに少し劣るようだ。葉の裏面には明瞭な白い気孔帯がある。
 芥川賞作家“井上靖”の長編小説に『あすなろ物語』がある。天城山麓の小さな村で祖母とふたり土蔵で暮らしていた少年が、多感な青年時代を経て新聞記者となり終戦を迎えるまでの道程を6人の女性との交流を軸に描いている。明日はヒノキになろうと念願しながら永遠にヒノキになれないというアスナロの悲しい説話に主人公の成長を重ねて描いている。
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ドイツトウヒ・1〜高木

 マツ科トウヒ属の「ドイツトウヒ(独逸唐檜)」。ヨーロッパ原産の常緑高木で樹高は30~40メートルになり環境が合うと50メートルにもなるようだ。樹形は美しい円錐形になるが、この株は樹林内にあり周りの高木に囲まれて下部の枝はほとんど無くなり上部の枝にしか葉が残っていない。望遠レンズで覗いてみると細長い果実が見えた。
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イカダカズラ・3~トゲ

 オシロイバナ科イカダカズラ属の「イカダカズラ(筏葛)」。南アメリカ原産の熱帯性つる性常緑木本で一般的には「ブーゲンビリア(Bougainvillea)」と呼ばれている。熱帯地方では蔓が他の樹木や岩などを10メートル以上よじ登るものもあるようだ。ここでは直径4~5センチの太い幹に成長している。その枝にはトゲがたくさん出ていた。蔓には葉が付きその脇に花芽が付くが、それが花に成長しなかったものがトゲになるようだ。トゲは1~1.5センチありかなり鋭い。
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イカダカズラ・2~果実

 オシロイバナ科イカダカズラ属の「イカダカズラ(筏葛)」。熱帯アメリカ原産のつる性常緑木本で、1768年にブラジルで発見したフランス人の探検家ブーガンヴィルに因み「ブーゲンビレア(Bougainvillea)」と呼ばれている。沖縄などでは良く見られるが耐寒性があり最近は東京の街中でも時々植栽を見掛ける。4~11月に赤紫色の苞に包まれた花を咲かせるが苞はすっかり色褪せている。果実は痩果になるが種子は出来にくくこの果実も中身は空の“粃”だった。
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ヒマラヤスギ・17~シダーローズ2

 マツ科ヒマラヤスギ属の「ヒマラヤスギ(喜馬拉耶杉)」。10~11月に雌雄の花を咲かせ果実は翌年の秋に熟す。卵形の球果は高さ10センチほどに成長し熟すと果鱗が開き始め下部の外側から剥がれていく。樹の下には果鱗が散らばっており、全部剥がれずに球果の上部がそのまま落ちたものが写真の“シダーローズ(Cedar Rose)”と呼ばれるものになる。これは昭和記念公園のもの。
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