元サラリーマンの植物ウォッチング第6弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part6
タカオフウロ
奥高尾の沢沿いに生育している「タカオフウロ(高尾風露)」。フウロソウ科フウロソウ属の多年草でミツバフウロの変種。1910年に牧野富太郎博士が高尾山で採取したミツバフウロの中で萼片に開出毛があるものがあった。この標本について研究した桧山庫三氏がこれをタカオフウロと名付けて1963年に発表した。花柄には短い圧毛があり開出毛も見られる。ミツバフウロには開出毛は見られずゲンノショウコは毛深い。またゲンノショウコの茎の上部の葉は3裂するものが多いが下部の葉は5裂する。変種なので毛の様子など個体差があると思うが、写真はタカオフウロとしておこう。多摩ニュータウン界隈や高尾山系では圧倒的にゲンノショウコが多くミツバフウロは高尾山系で稀に見られる程度。タカオフウロの個体数は更に少ないと思われる。
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サガミラン・5~長池公園2
長池公園“芝生広場”の林縁に生育している「サガミラン(相模蘭)」。ラン科シュンラン属の多年草で日本固有種。自身ではほとんど葉緑素を持たない菌従属栄養植物で菌類と共生している。同じ仲間のマヤランと同様、サガミランには“二季咲き”の性質があり7月頃と9月頃に花を咲かせる。サガミランは関東平野南部で最初に確認されたので名付けられており、以前はマヤランの白花品種と考えられていたが、マヤランとは遺伝子レベルの分化が大きく今は別種として扱うのが適当とされている。
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レダマ・2~莢
マメ科レダマ属の「レダマ(連玉)」。地中海沿岸原産の落葉低木で日本には江戸時代初期に渡来した。和名はスペイン語の“retama"に由来するようだ。5~6月に黄色い蝶形花を枝に連なるように咲かせるので当て字の“連玉”はなかなかセンスある命名だと思う。サクラソウ科のクサレダマはこの花の付き方に似ているということで名付けられたが、そちらはどうも『?』と思わざるを得ない。写真は果実の莢で中の種子は既に無くなっていた。
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コバノカモメヅル・6~鹿島公園
鹿島公園の林縁に蔓を伸ばしている「コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)」。キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属のつる性多年草で関東地方以西の太平洋側に分布している。花径は8~9ミリで花冠は星形に5裂し雄蕊は雌蕊を囲んで蕊柱を形成している。
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ヤハズソウ・2~茎毛
マメ科ヤハズソウ属の「ヤハズソウ(矢筈草)」。陽当たりの良い草地や河原などに生える多年草で茎は根元で分枝し地表をやや斜めに伸びていく。茎は細いが固くなかなか千切れない。写真の右側がヤハズソウで茎には下向きの毛が多く生えている。写真の左側はマルバヤハズソウの茎でそちらは上向きの毛になる。
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マルバノキ・6~若い果実
マンサク科マルバノキ属の「マルバノキ(丸葉の木)」。中部地方以西の山地の渓流沿いなど分布する落葉小高木で当地では庭木や公園樹で見られる。花期は10~11月で写真は若い果実。果実は蒴果で熟すと果皮が裂開して中の種子を遠くに飛ばす。同じ科のマンサクも果実が熟すと同じように種子を飛ばす。
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マルバヤハズソウ・2~開花
向山緑地付近の空き地に群生している「マルバヤハズソウ(丸葉矢筈草)」。マメ科ヤハズソウ属の一年草で日本全土に分布している。同属のヤハズソウの葉先が尖るのに対して本種は葉の幅がやや広く葉先は丸くなり少し凹んでいる。花は長さ5~6ミリの蝶形花で旗弁の基部に濃紫色の筋が放射状にある。草丈は20~40センチで茎には上向きの毛が生えている。一年草だが茎は木質化し枯れた後でも茎は長く残っている。
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ヤハズソウ・1~開花
マメ科ヤハズソウ属の「ヤハズソウ(矢筈草)」。日本全土に分布する多年草で小葉の先を引っ張ると矢筈のようにちぎれることから名付けられている。良く分枝して草丈は20~40センチになる。花期は8~10月で葉腋に長さ5~6ミリの蝶形花を付ける。マルバヤハズソウと混生することが多いが葉は細く葉先は尖るので区別できる。
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ヒロハフウリンホオズキ・3~若い果実
大栗川遊歩道脇で見られる「ヒロハフウリンホオズキ(広葉風鈴酸漿)」。ナス科ホオズキ属の一年草で熱帯アメリカ原産。8~10月に淡黄色の花を咲かせ花後に萼片が袋状になり中の液果を包み込む。写真の一番下の袋を開くと若い果実が確認できた。この後黄色く熟していく。
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シマサルスベリ・12~花径
昭和記念公園で見られる「シマサルスベリ(島百日紅)」。ミソハギ科サルスベリ属の落葉高木で鹿児島県~沖縄に分布している。同属のサルスベリの枝はやや横に伸びて樹高はせいぜい7~8メートルだが本種の幹は真っ直ぐ伸びて樹高は15~20メートルになる。そのため花をなかなか間近で見られないが、枝を引っ張って何とか花を撮ることができた。花の形はサルスベリと同じだがサルスベリのひとつの花の直径が3.5センチほどになるのに対して本種は1.3~1.5センチと小さい。高い枝の花では大きさがわからなかったが間近で見ると違いが良くわかる。
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