元サラリーマンの植物ウォッチング第6弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part6
ムクノキ・4~アザラシ顔
長池公園“里山口”から里山に向かっている途中で気付いた顔。これは「ムクノキ(椋木)」の樹皮に出来たコブでまるでアザラシのようだ。以前、スダジイやエノキでもアザラシ顔を見ていたがこれもなかなかのもの。10年以上前に多摩川に現れたアザラシが“タマちゃん”と呼ばれたが、その後各地に現れて、宮城県本吉郡歌津町では“ウタちゃん”、鴨川シーワールド付近では“カモちゃん”など全国各地で話題になった。最近はそんなニュースを聞かないがそもそもアザラシはオホーツク海などの冷たい海に生息しておりここ数年は日本近海の水温が高くなっている。アザラシが東京湾に現れることはもう無いのかも知れない。ムクノキはアサ科(←ニレ科)ムクノキ属の落葉高木。
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シロモジ
クスノキ科クロモジ属の「シロモジ(白文字)」。中部地方以西の低山に分布する落葉低木でソハヤキ要素(※)に該当する種でもある。クロモジの樹皮が黒っぽいのに対して本種の樹皮は灰褐色で白っぽい。雌雄異株で春に葉の展開と同時に散形花序を出し黄緑色の花を咲かせる。写真は冬芽の様子で尖っているのは葉芽で球形のものが花芽のようだ。これは東京都薬用植物園のもので当地では自生は見られない。
※ “ソハヤキ”とは植物学者の小泉源一博士(1883ー1953)が名付けた用語で具体的な定義は無いが、九州南部、四国南部、紀伊半島・東海地方、研究者によっては伊豆半島や神奈川県まで含む地域に分布の中心がある日本固有の植物のことを指している。これらの地域は現在は海を隔てているが日本列島が形成される過程では陸続きの暖温帯で共通した植物が分布していたと考えられている。漢字表記は“襲速紀”だがこれは“襲(=九州南部の民族の熊襲(くまそ))”と“速(=豊予海峡の古い呼び名の速吸瀬戸(はやすいのせと))”と“紀(=紀伊))”を合わせた造語になる。この“ソハヤキ要素”に該当する植物は約100種類が挙げられており、このブログに登場しているものではクロガネモチ、クロモジ、コウヤマキ、シモバシラ、トサミズキ、ナギ、ヒメシャラ、マルバノキ、モチツツジ、ユキワリイチゲなどがある。
※ “ソハヤキ”とは植物学者の小泉源一博士(1883ー1953)が名付けた用語で具体的な定義は無いが、九州南部、四国南部、紀伊半島・東海地方、研究者によっては伊豆半島や神奈川県まで含む地域に分布の中心がある日本固有の植物のことを指している。これらの地域は現在は海を隔てているが日本列島が形成される過程では陸続きの暖温帯で共通した植物が分布していたと考えられている。漢字表記は“襲速紀”だがこれは“襲(=九州南部の民族の熊襲(くまそ))”と“速(=豊予海峡の古い呼び名の速吸瀬戸(はやすいのせと))”と“紀(=紀伊))”を合わせた造語になる。この“ソハヤキ要素”に該当する植物は約100種類が挙げられており、このブログに登場しているものではクロガネモチ、クロモジ、コウヤマキ、シモバシラ、トサミズキ、ナギ、ヒメシャラ、マルバノキ、モチツツジ、ユキワリイチゲなどがある。
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サンショウバラ・3~冬芽
バラ科バラ属の「サンショウバラ(山椒薔薇)」。葉は奇数羽状複葉になりサンショウに似ていることから名付けられている。花期は5~6月で直径5~9センチの淡紅色の5弁花を咲かせる。写真は冬芽の様子でまだ寒いので中に縮こまっている。両側にはトゲがあり両手を拡げたように見える。
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ハゼノキ・9~果実2
ウルシ科ツタウルシ属の「ハゼノキ(櫨の木)」。先日ここ望地公園の林縁で雄株を見ていたが少し離れたところに果実をたわわに稔らせていた雌株を見つけた。果実は直径1センチほどの楕円球形で熟すと外果皮が剥がれ中から蝋質の中果皮が現れその中に長さ6~7ミリの核がある。
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サルトリイバラ・4〜奥高尾
奥高尾“防火帯”の急坂で見掛けた「サルトリイバラ(猿捕茨)」。シオデ科(←ユリ科)シオデ属のつる性落葉木本で雌雄異株。春に目立たない花を咲かせ秋に赤い果実を稔らせる。果実は直径8~9ミリの液果で中に種子が1~3個入っている。サルトリイバラを“サンキライ(山帰来)”と呼ぶことがあるが、中国に生育するサンキライ(ドブクリョウ=土茯苓)とは別物であり、在来種であるサルトリイバラは“ワノサンキライ(和山帰来)”と呼ぶ。
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メグスリノキ・5~紅葉2
ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の「メグスリノキ(目薬の木)」。宮城県以南の山地に分布する落葉高木で雌雄異株。葉は3枚の小葉からなる3出複葉で葉身は5~14センチ。側脈は15~18対で秋には美しく紅葉する。メグスリノキの名はこの樹皮を煎じた汁を目の洗浄に利用したことから名付けられている。姫路市史には戦国武将の黒田官兵衛の祖父、黒田重隆が家伝の目薬を調合して播磨一円に売り歩き財を成したとの記述があるようだ。司馬遼太郎著の『播磨灘物語』もそのくだりがある。これは高尾山“1号路”のもの。
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