長沼公園“栃本尾根”で見られる「ネジキ(捩木)」。ツツジ科ネジキ属の落葉小高木で芽吹きの頃は若い枝や冬芽が赤くなる。ネジキの冬芽はコクサギとザイフリボクと合わせ“三大美芽”とされている。ネジキの冬芽の美しさは赤くなる若い枝の美しさも加味されている。ネジキは5~6月に簪飾りのような白い壺状の花を咲かせる。
長沼公園“霧降の道”の林内に生えている「コクサギ(小臭木)」。ミカン科コクサギ属の落葉低木で本州~九州の低地や低山に分布している。樹全体に独特な臭気があることで小さいクサギという意味で名付けられている。冬芽は濃紅色の芽鱗に包まれており次第に緑色に変化していく。
太田川遊歩道脇に生えてきた「マグワ(真桑)」。 クワ科クワ属の落葉高木で雌雄異株。全国の山野に分布している。花期は4~5月だがこれはまだ若木なので花を付けるまでは数年掛かるだろう。その葉痕を良く見ると何となく意地悪そうな顔が見えた。
小山内裏公園“大田切池”畔に植栽されている「フユザキニオカズラ(冬咲匂蔓)」。スイカズラ科スイカズラ属の半常緑低木で「ロニセラ・フラグランティシマ(Lonicera fragrantissima)」とも呼ばれる。2~3月に直径1~1.5センチ白~淡紅色の花を咲かせる。名前の通り花には微かな芳香がある。花冠は5裂しそのうち4片は上部に1片は下部に伸びている。
クルミ科サワグルミ属の「シナサワグルミ(支那沢胡桃)」。中国原産の落葉高木で日本には明治時代に渡来し街路樹や公園樹として利用されている。その葉痕は腎形~心形で維管束痕は3つのグループになりそれぞれ数個の小さな維管束痕がある。
クルミ科サワグルミ属の「シナサワグルミ(支那沢胡桃)」。果実は堅果でクルミ科ではあるがオニグルミのように食用にはならない。果実は直径8~9ミリの球形で左右に長さ2センチほどの翼が付いている。樹の根元には大量の果実が散乱しておりあまり遠くまでは飛ばないようだ。
大塚公園の遊歩道脇に生育している「シナサワグルミ(支那沢胡桃)」。クルミ科サワグルミ属の落葉高木で中国原産。日本には明治時代に渡来し街路樹や公園樹として利用されている。雌雄同株で4~5月に新葉の展開と同時に雌雄の花序を垂らし果実は秋に稔る。
バラ科ウワミズザクラ属の「イヌザクラ(犬桜)」。本州~九州の山地に分布する落葉高木で樹皮が白っぽくなるので「シロザクラ(白桜)」の別名がある。春に試験管ブラシのような総状花序を立ち上げ直径5ミリほどの小花を多数咲かせる。冬芽は卵形で先端が尖り4~8枚の芽鱗に包まれている。長さはわずか3ミリほどと小さいがその鮮やかな色から“マリリン・モンローの赤い爪”や“冬芽のルビー”とも呼ばれている。樹木の冬芽はそれぞれ特徴があり、誰が決めたか不明だが愛好家の間では“三大美芽”という言葉が知られており、ネジキ、コクサギ、ザイフリボクの冬芽をそのように呼んでいる。個人的にはこのイヌザクラや金色のリョウブを加えて“五大美芽”と呼びたい。
小山内裏公園“戦車道路”脇に生えている「ウワミズザクラ(上溝桜)」。バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木で北海道~九州の陽当たりの良い山野に分布している。樹皮は同属のイヌザクラが白っぽくなるのに対して黒くなり横向きの皮目がある。春に葉が展開した後に長さ8~10センチの総状花序を出し直径5~6ミリの小花を多数咲かせる。冬芽は濃赤紫色の艶のある芽鱗に包まれている。冬芽の下の円形の部分は葉痕ではなく落枝痕。ウワミズザクラの一年枝の大部分は枯れ落ち同じ節から新しい芽が伸びていく。写真の冬芽はウサギが口をとがらせているように見える。