9月議会が終了しました。本会議の最終日は第48号議案「子ども・子育て支援法の規定により条例に委任された基準等に関する条例の制定について」の反対討論と第54号議案 「平成26年度三木市一般会計補正予算(第2号)について」の賛成討論を行いました。その討論原稿をアップします。
48号議案「子ども・子育て支援法の規定により条例に委任された基準等に関する条例の制定について」の反対討論、並びに第54号議案 「平成26年度三木市一般会計補正予算(第2号)について」の賛成討論を行います。
初めに、子ども・子育て支援法の規定により条例に委任された基準等に関する条例の制定について反対討論を行います。
この条例案は子ども子育て支援法及び児童福祉法等の規定により条例に委任された基準等について定めるものです。具体的には特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準、放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準、家庭的保育事業等の設備及び運営の基準を定めるものです。
反対の理由は2点あります。1点目に今回の条例は子ども子育て支援法に基づく子ども子育ての大改革の条例にもかかわらず、市民的議論が不十分であり、議員に対しても説明責任を十分に果たせていないと考えるからです。
三木市は基準を定めるにあたって非常にシンプルにまとめられています。A4の紙2ページでまとまるものです。具体的基準については内閣府令、厚生労働省令の定める基準どおりとしています。
小野市、加西市、加東市、西脇市、多可町の北播地域の他市町では、この9月議会において特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例、放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例、家庭的保育事業等の設備及び運営の基準を定める条例、保育の必要性の認定に関する条例の3つ或いは4つの条例に分けてそれぞれ審議されています。
さらに、加東市、加西市と多可町では国の基準を一つ一つ条文化しています。特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準を定める条例は53条までありA4の紙で約23枚、放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準を定める条例は22条までありA4の紙で4枚、家庭的保育事業等の設備及び運営の基準を定める条例は49条までありA4の紙で約20枚、のボリュームがあるものです。約50ページにわたる議案を審議されています。
勿論、条文が長ければよいというものではございません。しかしながら今議決されようとしている基準についてどこまで議員や市民が理解出来ているでしょうか?私は十分な議論が出来たとは思えません。
2点目に国の基準は小規模保育事業等で保育士資格のない人が保育を担うことを前提としており、保育の質の低下が懸念されますが、三木市においてその懸念がないことが問題だと考えます。
兵庫県下では神戸市が小規模保育事業等で原則A型のみとし、宝塚市が「小規模保育事業B型、C型の事業者は3年以内に保育従事者をすべて保育士とする」など保育の質を国の基準以上にする努力をなされています。
保育資格者が3分の1で良いとされてきた認可外保育所での子どもの死亡率が圧倒的に高いことを考えると地域型保育事業は保育資格のあるものが原則的に行うように誘導すべきだと考えます。国はこの分野において企業参入を安易にさせることを狙っています。また、働く女性を増やすために保育資格のない人でも保育の仕事が出来ることを試みています。
しかし、そのことは今でも安い保育労働の対価がより安くなることが考えられますし、保育水準を高めていこうという動きに反します。安心して子どもを預けることが出来る施設をつくるべきです。
三木市の幼保一体化計画案でも0から2歳児の保育の預け先として地域型保育事業が市内で100人程度を担う計画となっています。本来であれば今の認可保育所である、特定教育・保育施設が0から2歳児の保育を担うべきです。仮に全てを担えないときは特定地域型保育事業において特定教育・保育施設と同程度の質を確保しながら担うことが、子どもを預ける保護者の思いに寄り添うのではないでしょうか。
この度の国の基準通りとする三木市の姿勢は「子育てしやすい三木市」を本当につくろうとしておられるのか疑問に思わざるを得ません。
以上の点から、第48号議案「子ども・子育て支援法の規定により条例に委任された基準等に関する条例の制定について」は反対します。
次に、第51号議案平成26年度一般会計補正予算について賛成の討論を行います。この予算案は歳入歳出5億5344万3千円追加して総額を2,930億8,908万5千円にしようとするものであります。
このうち歳出では前年度の繰越金の財政基金への法定積み立て分1億4,383万7千円や心のふるさと応援基金3,500万円の積立金の基金積立金があげられています。
民生費の吉川健康福祉センターの介護予防機器購入200万円、衛生費の未熟児に対する養育医療事業200万円は市民の健康増進のために必要なものであります。
農業費の雪害被害のハウス再建補助600万円、土地改良補助金3,696万円や商工費で女性起業家支援事業補助金100万円、中小企業融資保証補助金1,115万円、住宅リフォーム助成金3,900万円、設備投資促進補助金2,071万1千円などは市内の農業や中小企業の振興のために必要な予算であります。
土木費の志染駅南口側の駐輪場整備工事350万円は神戸電鉄粟生線の活性化につながる必要な予算であります。
これらの予算が補正されていることは大いに評価したいと思います。
しかしながら国の制度として行われる社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)は国民一人一人に番号を付け、税や社会保障など個人情報を一元的に管理するもので2015年10月から個人番号を記載した通知を住民に発送し、16年1月から個人番号カードの交付や利用、17年1月から行政機関同士の情報連携を始める予定であります。このたびマイナンバー制度に伴うシステムの変更のための予算5460万9千円を計上されています。
日本共産党は、この制度が(1)「納付に見合う給付」の名の下に社会保障削減と、税や社会保険料の徴収強化の道具に使われる危険がある(2)原則不変の一つの番号で個人情報を照合できる仕組みをつくることは、プライバシー侵害や“なりすまし”犯罪を常態化させる(3)導入費用に3000億円が見込まれながら、具体的なメリットも費用対効果も政府は示していないことから反対であります。
また、9月10日に議決された病院解体工事費の追加分2,000万円や国の農業改革に伴って出されている農地台帳システム整備172万円、農地中間管理事業82万円には疑問点があります。
こうした問題点があるものの全体として必要なものとして補正予算に賛成いたします。
以上討論とします。