ロシアがなぜウクライナに侵攻しているのか、なぜウクライナは徹底抗戦に出ているのか、実はよくわかっていなかったのですが、過去にあった両国の因縁を考えると、ウクライナの戦争もわかるような気がします。
この戦争が始まる前は、両国の関係なんてさっぱりわからなかったというか知らなかった私。この2国、昔は一緒だったけど、ソ連崩壊で別々になったんでしょ、ぐらいの知識しかありませんでした。それに、ウクライナには金髪美人が多い、とか。
が、実はキエフ公国からの繋がりがあって、さらには20世紀になってこんな恐ろしいというか非人道的なことがスターリンによって行われていた、ということを初めて知って、ウクライナの徹底抗戦も理解できるようになりました。
その、スターリンによるウクライナに対するとんでもない政策のことが描かれているのがこの映画です。
ウクライナとは、ロシアにとっては西側に対する最前線。加えて肥沃な土地を持っており、そこから上がる利益は莫大なものだったのでしょう。スターリンはその利益に目をつけ、利益を全て国のものにしようとします。ですから、利益の殆どを国が吸い上げ、ちょっとしか農民に与えない、そのため、本来なら飢えるような土地ではないのに、食料が自分の手元に残らないから、ほぼ全員が飢餓状態。また、食料を求めて自分の土地を離れることも許されなかったということです。
その結果、600万人もの人が亡くなったということです。
こんな状態を
ホロドモール
と言うのだそうです。
その、ホロドモールの様子を描いたのが、この映画です。
原題は
Mr.Jones
と言うらしいですが、これだけでは日本人にはなんのことかわからないので、今のタイトルにしたようです。
Mr.Jones はフリーランスのイギリスの記者で、この方がホロドモールの実態を探っていく、と言うのがこの映画の大まかなあらすじ。
結局、捕まってしまうのですが、スパイとして、がどうにか釈放されてイギリスに戻って来れるんですが、その後満州に取材に行った時に、ソ連のスパイに殺されてしまうのだそう、、、。
なんと言うか、、、、。おそロシア、、。
当時、このホロドモールはお偉いさんたちの間では公然の秘密だったようですが、公にすることはありませんでした。スターリンには逆らえない。イギリスだって、戦争の相手にされたくなかったでしょう。
過去に何度もソ連から独立しようとして、その度に失敗したウクライナ。
が、ロシアにとっては西側への最前線で穀物地帯とあっては、ロシアだって手放したくないのはわかるような気がしますが、過去にこんなことをされているウクライナ人からしてみれば、2度とごめんだ、と強く思っていることでしょう。
それにしても、あのホロドモールを乗り越えてやってこれた、と言うのもすごいとだと思ってしまいます。
この映画が日本で公開されたのが2020年です。今の戦争が始まる前ですね。Huluでも配信されているのは知っていましたが、当時はなんの映画なのかよくわからず、パスしていました。
今だからこそ見れる映画。
一見の価値はあると思います。
お勉強のために。
【閲覧注意】生きるために家族を食べる…ウクライナで起きた最悪の大飢饉【ホロドモール】