Full-Tone

女性建築士・ふるとちかこの徒然なるままに

最近読んだ本

2023-05-23 21:18:09 | 最近読んだ本

こはくの前足と共に

月の立つ林で 著:青山美智子

著者の作品は、2冊読んだことがあったけれど、この一冊はかなり染みました。

本屋大賞ノミネート作品って、頷けます。

5つの短編が納められていて、それぞれの主人公は直接接点がない。

ある人もいるんだけど、そうとは気づかずそれぞれ暮らしている。

同じポッドキャストを聞いていると言う共通点で繋がっている。

そして、孤独感と言うか、疎外感というか、劣等感と言うか、そんな感情を抱いていることも共通点。

それぞれが置かれた場所で、孤独感から脱却する場面がね、泣ける。

ひとりでいることと、孤独を感じることは別なんだってことなのよ。

いつも誰かにサポートされて、誰かを支えて、見えないところで繋がっている。

装丁にも描かれている、竹林。

そして、月の満ち欠けも、気持ちの切り替えとか、やり直しとか、例えられているんだろうな。

架空のポッドキャストなのだけど、聞いてみたくなる。

それも、この一冊の魅力かもしれません。

 

しばらくぶりに読了できて、途中ウルウルしちゃって、特に最後の短編の中の言葉が刺さりました。

「あせったり、しんどい思いをしながらじゃなくて、

  幸せな気持ちで作られたものをみんな待っているんじゃないかな」

この主人公とは立場も状況も異なるけれど、依頼された仕事を下りる展開になってしまってね。

まさに、この言葉の示す通り。

私が楽しんでないと、いい建物ができませんよ。

よい判断だったんだと思う。

そして、今頂いているお仕事を、楽しく進めるのだ!

@ふると

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