Full-Tone

女性建築士・ふるとちかこの徒然なるままに

3.11

2022-03-11 17:57:06 | 最近読んだ本

 

最近読んだ本

【氷柱の声】 著:くどうれいん

1月末から先週まで、図書館がお休みしていたのですが、

その休みに入る前にドサッと借りていた中の1冊。

芥川賞候補になった時に、お気入りに入れていた。

紹介された内容は、とっくに忘却の彼方でした。

高校生で東日本大震災を経験して、

大学生へ進学し、社会人となり、コロナ禍までの約10年を

一人の女性の目を通じて書かれた物語でした。

被災地に住みながらも、被災していないもどかしさが、

繊細な言葉で綴られている。

私も同じような立ち位置にいて、共感できる。

関わる人物が震災を経験してて、逞しいながらも、かなり切ない。

食事に入ったお店で、テーブルライトのキャンドルを「無理かも」と言う青年。

震災の記憶を綴ったノート。

悲劇を美化して伝えようとする違和感。

経験したことも、感じたことも、今も、そしてこれからも。

ひとり1人が違うし、答えが無い。

忘れないようにもしなければならない一方で、

出来ることなら忘れたい方もいるでしょう。

皆に穏やかな春がくるといいね。

そんな風に思える作品でした。

再読したい本です。

@ふると

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