今年のダービーは本当に堅いのか?巷間言われているほど、それほど堅くはない、むしろ、大荒れになるような気がしてならない。
まず、「2強」が入った馬番。Ⅴピサとペルーサが入ったのは、過去18年で一度も勝ち馬が出ていない7番と9番。
そして、突然飛び込んできたダノンシャンティ骨折のニュース。NHK杯組からは、4着サンライズプリンスに続いての2頭目の故障発生である。また、同2着のダイワバーバリアンは、早々と休養を宣言していることを考えると、やはり、あの高速決着で上位に来た馬は、かなりのダメージが残っていると考えていいだろう。同3着のリルダヴァルをはじめ、他の路線組も含め、全出走馬に何も起こらなければいいのだが。
ましてや、日曜日の東京は雨の予報。なにやら、一筋縄ではいきそうにない不穏な雰囲気が漂ってきた。98年秋天のサイレンススズカの悲劇だけは、繰り返して欲しくない。ただただ全馬完走を願うのみ。
前日最終オッズを見て驚いた。そこではペルーサが僅かながらもⅤピサを逆転し1番人気。その差は限りなく小さくなるとは思っていたものの、逆転するとは思っていなかった。いくらなんでも、皐月賞馬を差し置いてペルーサが1番人気になるとは、如何に多くのファンがマスコミに踊らされ、ペルーサを買いに走ったかを物語る。
成駿が書いているように、ペルーサがこれまで戦ってきたメンバーは、お世辞にも強いとは言えない面々ばかり。唯一、評価できるのは皐月賞2着のヒルノダムールを負かしている点くらい。また、青葉賞のラップを以って最強とする向きも多く見られるが、競馬は一頭でやるものではない。当時のラップから推測すれば、どんなペースでも差し切れるとの結論が出るらしいが、相手があっての競馬である。競馬には絶対はないのである。そして、みなが荒れると思えば堅く収まり、堅いと思えば荒れるのが競馬である。
ほとんどの予想家の◎は、Ⅴピサかペルーサのどちらか。98年のダービーでボールドエンペラーに『孤独の◎』を打ち、その名を不動のものにした成駿でさえ、Vピサ◎のペルーサ○。たとえ鉄板級の人気馬がいようとも、その馬を負かす一発の可能性がある馬に◎を打つのが、成駿の真骨頂。が、その成駿が順当な◎○とは、穴党の出番はないとういことなのか。Ⅴピサとペルーサの馬連は3倍。馬単ではいずれも6倍くらいと、ドブに捨ててもよい潤沢な資金がある御大尽はともかく、いくら一点勝負とはいえ、そうでない人にとっては安過ぎるので、無茶を承知でコネクリ回してみる。
成駿が98年のダービーで14番人気ボールドエンペラーに◎を打った根拠は、皐月賞で大外をブン回したにもかかわらず、上がり3Fが2位であったこと。当時、Bエンペラーの上がりは、3着スペシャルウィーク(36.1)に次ぐ36.5であった。通過ポジションは17-16-16-15で、4角15番手の位置から上がり2位の脚を繰り出したものの、その位置では届くはずもなく、結果、勝ったセイウンスカイから1.1秒、着差にして6.5馬身差の6着。そこに成駿が目をつけた。ただ、なんでもかんでも皐月賞で上がり3Fが速ければよいというわけではなく、当時の皐月賞は逃げたセイウンスカイが1着で、2着は番手につけたキングヘイロー。この結果からわかるように、完全に前に有利なペースで終始した。そこを後方から追い込んだBエンペラーに◎を打ち、3角~4角で捲くっていったにもかかわらず、最速の上がりを繰り出したスペシャルウィークを○にしたという次第。
今年の皐月賞の上がり最速(35.0)は、2着のヒルノダムール。この「皐月賞上がり3F」の法則は、広く知られているようで、同馬は単勝8.6倍と「2強」に次ぐ3番人気に祭り上げられている。ここまで人気になると、全く妙味はない。
そこで、注目したいのが皐月賞9着のレーヴドリアン。上がりではヒルノに0.1秒劣るものの、Ⅴピサを0.1秒上回る35.1。皐月賞の位置取りは、17-16-16-16と最後の直線に賭けた(?)戦法。ヒルノが3角~4角で15番手から12番手にポジションを上げたのに対して、レーヴは、直線に向くまで動かずじまい。この点を考慮すると、先に動いて最速の上がりをマークしたヒルノに分があるが、人気を考慮すればレーヴの方に食指が動く。また、最後の直線に賭けるといえば聞こえはいいが、他のレースのVTRを見る限り、この馬はズブいことがよくわかる。実際には、動きたくても動けない、否、動かないというのが本当のところ。だが、今回は525mの直線が最後に待ち受ける府中。スペ産駒の特徴の一つとして、よい脚を小出しに長く使えるというのがあるのだが、この特徴を最大限に活かせるのが府中の最後の直線だ。
しかも、4角から緩やかながら上り坂になり、ゴール前400m付近から斜度が急激に上がる府中は、スタミナがない馬にとっては、まさに心臓破りの坂。レーヴのスタミナは、父と母父から折り紙つき。これまで6戦して最速の上がりをマークしたのが5回。あとの1回は皐月賞での2位と、終いは確実に切れる。他の馬が、最後の坂で音をあげ脚が鈍ったところを、後ろからトコトコと、じれったいくらいに差を詰めてくるレーヴの姿が目に浮かぶ。エンジンのかかりが遅い同馬にとって、直線が長い府中はドンピシャのコースである。
そして、このスタミナが、レーヴを推せるもう一つの根拠でもある。
スタミナを問われる3歳クラシックといえば、菊花賞。過去20年を遡ってみると、ダービーの時点で低評価だった馬が穴を出し、その後菊花賞で好走というパターンが、ままあることに気付く。
【ダービーで人気薄で3着以内に入った馬の菊花賞での成績】
90年ホイトストーン:ダ3着(12人気)⇒菊2着
92年ライスシャワー:ダ2着(16人気)⇒菊1着
94年ヤシマソブリン:ダ3着(10人気)⇒菊1着
03年ザッツザプレンティ:ダ3着(7人気)⇒菊1着
06年ドリームパスポート:ダ3着(7人気)⇒菊2着
07年アサクサキングス:ダ2着(14人気)⇒菊1着
一昨年のダービーでは、この傾向だけを頼りに菊花賞で好走しそうな馬の先物買いで、15番人気のフローテーションに◎を打ち大火傷をしたのだが、本番の菊花賞では2着になり、きっちりと借りは返してもらった。
レーヴの父は、フローテーションと同じスペシャルウィーク。そして、母父ハイエストオナーは、昨年の菊花賞2着フォゲッタブル、06年2着ドリームパスポート、03年2着リンカーンの母父トニービンと同じグレイソブリン系である。また、08年1着はトニービン直仔のジャンポケ産駒のオウケンブルースリが1着となったように、グレイソブリン系は菊花賞で活躍している血統なのである。レーヴの母父ハイエストオナーの祖父はトニービンと同じカラムーン。血統構成的には、菊花賞で好走する下地は十分にある。
☆ ②レーヴドリアン…スペシャルウィーク×ハイエストオナー
■きさらぎ賞■
■皐月賞■
ここは菊花賞馬の先物買い。「東洋の夢」ならぬ「東京優駿の夢」をこの馬に賭けてみたい。
でも、佑介がダービージョッキーというイメージは沸いてこない。あっても2着が精一杯のような気がしてならないのも確か。
=つづく=
まず、「2強」が入った馬番。Ⅴピサとペルーサが入ったのは、過去18年で一度も勝ち馬が出ていない7番と9番。
そして、突然飛び込んできたダノンシャンティ骨折のニュース。NHK杯組からは、4着サンライズプリンスに続いての2頭目の故障発生である。また、同2着のダイワバーバリアンは、早々と休養を宣言していることを考えると、やはり、あの高速決着で上位に来た馬は、かなりのダメージが残っていると考えていいだろう。同3着のリルダヴァルをはじめ、他の路線組も含め、全出走馬に何も起こらなければいいのだが。
ましてや、日曜日の東京は雨の予報。なにやら、一筋縄ではいきそうにない不穏な雰囲気が漂ってきた。98年秋天のサイレンススズカの悲劇だけは、繰り返して欲しくない。ただただ全馬完走を願うのみ。
前日最終オッズを見て驚いた。そこではペルーサが僅かながらもⅤピサを逆転し1番人気。その差は限りなく小さくなるとは思っていたものの、逆転するとは思っていなかった。いくらなんでも、皐月賞馬を差し置いてペルーサが1番人気になるとは、如何に多くのファンがマスコミに踊らされ、ペルーサを買いに走ったかを物語る。
成駿が書いているように、ペルーサがこれまで戦ってきたメンバーは、お世辞にも強いとは言えない面々ばかり。唯一、評価できるのは皐月賞2着のヒルノダムールを負かしている点くらい。また、青葉賞のラップを以って最強とする向きも多く見られるが、競馬は一頭でやるものではない。当時のラップから推測すれば、どんなペースでも差し切れるとの結論が出るらしいが、相手があっての競馬である。競馬には絶対はないのである。そして、みなが荒れると思えば堅く収まり、堅いと思えば荒れるのが競馬である。
ほとんどの予想家の◎は、Ⅴピサかペルーサのどちらか。98年のダービーでボールドエンペラーに『孤独の◎』を打ち、その名を不動のものにした成駿でさえ、Vピサ◎のペルーサ○。たとえ鉄板級の人気馬がいようとも、その馬を負かす一発の可能性がある馬に◎を打つのが、成駿の真骨頂。が、その成駿が順当な◎○とは、穴党の出番はないとういことなのか。Ⅴピサとペルーサの馬連は3倍。馬単ではいずれも6倍くらいと、ドブに捨ててもよい潤沢な資金がある御大尽はともかく、いくら一点勝負とはいえ、そうでない人にとっては安過ぎるので、無茶を承知でコネクリ回してみる。
成駿が98年のダービーで14番人気ボールドエンペラーに◎を打った根拠は、皐月賞で大外をブン回したにもかかわらず、上がり3Fが2位であったこと。当時、Bエンペラーの上がりは、3着スペシャルウィーク(36.1)に次ぐ36.5であった。通過ポジションは17-16-16-15で、4角15番手の位置から上がり2位の脚を繰り出したものの、その位置では届くはずもなく、結果、勝ったセイウンスカイから1.1秒、着差にして6.5馬身差の6着。そこに成駿が目をつけた。ただ、なんでもかんでも皐月賞で上がり3Fが速ければよいというわけではなく、当時の皐月賞は逃げたセイウンスカイが1着で、2着は番手につけたキングヘイロー。この結果からわかるように、完全に前に有利なペースで終始した。そこを後方から追い込んだBエンペラーに◎を打ち、3角~4角で捲くっていったにもかかわらず、最速の上がりを繰り出したスペシャルウィークを○にしたという次第。
今年の皐月賞の上がり最速(35.0)は、2着のヒルノダムール。この「皐月賞上がり3F」の法則は、広く知られているようで、同馬は単勝8.6倍と「2強」に次ぐ3番人気に祭り上げられている。ここまで人気になると、全く妙味はない。
そこで、注目したいのが皐月賞9着のレーヴドリアン。上がりではヒルノに0.1秒劣るものの、Ⅴピサを0.1秒上回る35.1。皐月賞の位置取りは、17-16-16-16と最後の直線に賭けた(?)戦法。ヒルノが3角~4角で15番手から12番手にポジションを上げたのに対して、レーヴは、直線に向くまで動かずじまい。この点を考慮すると、先に動いて最速の上がりをマークしたヒルノに分があるが、人気を考慮すればレーヴの方に食指が動く。また、最後の直線に賭けるといえば聞こえはいいが、他のレースのVTRを見る限り、この馬はズブいことがよくわかる。実際には、動きたくても動けない、否、動かないというのが本当のところ。だが、今回は525mの直線が最後に待ち受ける府中。スペ産駒の特徴の一つとして、よい脚を小出しに長く使えるというのがあるのだが、この特徴を最大限に活かせるのが府中の最後の直線だ。
しかも、4角から緩やかながら上り坂になり、ゴール前400m付近から斜度が急激に上がる府中は、スタミナがない馬にとっては、まさに心臓破りの坂。レーヴのスタミナは、父と母父から折り紙つき。これまで6戦して最速の上がりをマークしたのが5回。あとの1回は皐月賞での2位と、終いは確実に切れる。他の馬が、最後の坂で音をあげ脚が鈍ったところを、後ろからトコトコと、じれったいくらいに差を詰めてくるレーヴの姿が目に浮かぶ。エンジンのかかりが遅い同馬にとって、直線が長い府中はドンピシャのコースである。
そして、このスタミナが、レーヴを推せるもう一つの根拠でもある。
スタミナを問われる3歳クラシックといえば、菊花賞。過去20年を遡ってみると、ダービーの時点で低評価だった馬が穴を出し、その後菊花賞で好走というパターンが、ままあることに気付く。
【ダービーで人気薄で3着以内に入った馬の菊花賞での成績】
90年ホイトストーン:ダ3着(12人気)⇒菊2着
92年ライスシャワー:ダ2着(16人気)⇒菊1着
94年ヤシマソブリン:ダ3着(10人気)⇒菊1着
03年ザッツザプレンティ:ダ3着(7人気)⇒菊1着
06年ドリームパスポート:ダ3着(7人気)⇒菊2着
07年アサクサキングス:ダ2着(14人気)⇒菊1着
一昨年のダービーでは、この傾向だけを頼りに菊花賞で好走しそうな馬の先物買いで、15番人気のフローテーションに◎を打ち大火傷をしたのだが、本番の菊花賞では2着になり、きっちりと借りは返してもらった。
レーヴの父は、フローテーションと同じスペシャルウィーク。そして、母父ハイエストオナーは、昨年の菊花賞2着フォゲッタブル、06年2着ドリームパスポート、03年2着リンカーンの母父トニービンと同じグレイソブリン系である。また、08年1着はトニービン直仔のジャンポケ産駒のオウケンブルースリが1着となったように、グレイソブリン系は菊花賞で活躍している血統なのである。レーヴの母父ハイエストオナーの祖父はトニービンと同じカラムーン。血統構成的には、菊花賞で好走する下地は十分にある。
☆ ②レーヴドリアン…スペシャルウィーク×ハイエストオナー
■きさらぎ賞■
■皐月賞■
ここは菊花賞馬の先物買い。「東洋の夢」ならぬ「東京優駿の夢」をこの馬に賭けてみたい。
でも、佑介がダービージョッキーというイメージは沸いてこない。あっても2着が精一杯のような気がしてならないのも確か。
=つづく=
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