福島のラストを飾るのは、夏の風物詩・七夕賞。
■血統傾向■
昨年は中山開催だったので、オミット。
福島開催の過去9年で、父SS系は【3-2-3】と、この距離を草刈り場としているSS系にとってはやや物足りない印象。SS系のなかではダンスインザダーク(04年3着マーベラスダンス)、スペシャルウィーク(07年1着サンバレンティン)、ステイゴールド(09年、10年2着アルコセニョーラ)といった長距離型のSS系が活躍している。
全体的に見てみても、ノーザンテースト系(母父で3勝)、サドラーズウェルズ系(2勝2着1回)、グレイソブリン系(0-3-2)などのスタミナ豊富な長距離血統の好走が目につく。
上述以外のノーザンダンサー系では、ニジンスキー系(3-0-1)、ヌレイエフ系(1-1-4)も活躍している。特に母父ノーザンダンサー系は過去9年で7勝をあげており、父方の血統はなんであれ外せない。
あとは父、母父合計で【3-5-3】のミスプロ系。
■コース傾向■
ここまでの8レースで、父SS系は【5-5-5】と活躍している。複数回3着以内に入ったのはステイゴールド(2勝3着1回)、ディープインパクト(2着2回)、アグネスタキオン(2着、3着各1回)の3頭。
SS系以外では、父、母父合計で【3-3-2】のロベルト系で、内訳はBT系【2-2-1】、シルバーホーク系【1-1-0】。七夕賞にはシルバーホーク系のグラスワンダー産駒ミキノバンジョー1頭のみで、BT系の該当馬の出走はないが、3Rと9RでBT系が出てくれば是非とも押さえることをお勧めしておく。
あとは、母父で【0-1-3】のトニービンのライン(ライン違いのテハノランも1勝)で、昨日の11Rの3着の父サムライハートの母父もトニービンである。
■牝馬■
昨年は個人的にはノーマークだった牝馬が1着、3着に入り、やられてしまったが、牝馬は中山開催を含む過去10年では、昨年の2頭の他には10年、11年のアルコセニョーラの3頭しかおらず、【1-2-1-4/8】で勝率12.5%、連対率37.5%、複勝率50%と、2頭に1頭は馬券対象になる計算。今年の牝馬はアニメイトバイオ一頭のみ。
■年齢■*データは昨年の中山開催を含む過去10年。%は勝率、連対率、複勝率の順(以下同)。
4歳:0-1-3- 7/11 0.0%、 9.1%、36.4%
5歳:4-4-4-32/44 9.1%、18.2%、27.3%
6歳:5-3-3-24/35 14.3%、22.9%、31.4%
7上:1-2-1-49/53 1.9%、 5.7%、 7.5%
5歳と6歳が中心。なお、7歳以上の馬で馬券になったのは7歳馬のみで、8歳以上の馬は一度も馬券になったことがない。
■人気■
今年で48回目を迎える七夕賞であるが、過去には79年~04年までなんと1番人気が26連敗したこともある。過去10年での1番人気は【2-2-2】と勝ち切れないものの、複勝率では60%あるのでバッサリと切るのは無謀。
2番人気【0-2-3】、3番人気【2-0-4】で、04年を除けば毎年必ず1~3番人気の馬が3着以内に1頭は入っていることからも、大振りは厳禁。二桁人気の馬は08年2着ミストラルクルーズと10年1着の「どうにかなった」ドモナラズの2頭しかおらず、大穴狙いではなくても、ハンデ戦のG3ということで毎年人気が割れるので、一桁着順の馬同士の組み合わせで高配当にありつける。
■斤量■
52.0未満:0-0-0-13/13 0.0%、 0.0%、 0.0%
52.0kg:2-0-0-15/17 11.8%、11.8%、11.8%
53.0kg:1-2-1-14/18 5.6%、16.7%、22.2%
54.0kg:0-1-1-23/25 0.0%、 4.0%、 8.0%
55.0kg:0-3-4-15/22 0.0%、13.6%、31.8%
56.0kg:2-2-3-15/22 9.1%、18.2%、31.8%
57.0kg:4-0-1-10/15 26.7%、26.7%、33.3%
57.5以上:1-2-1- 7/11 9.1%、27.3%、36.4%
ハンデ戦にもかかわらず、その恩恵に預かった馬は少なく、比較的重目のハンデの馬の方が好走している。55kg以下が【3-6-6-80/95】で、勝率3.2%、連対率9.5%、複勝率15.8%に対して、56kg以上は【7-4-5-22/48】で、それぞれ14.6%、22.9%、33.3%と、その馬券率は遥かに上回る。
なとトップハンデの馬は【3-1-1-9/14】で、勝率21.4%、連対率28.6%、複勝率35.7%で、他のハンデ戦に比べて信頼できるようなイメージ。
今年のトップハンデは、最高勝率の57.5kgを背負う古豪シンゲン。だが、昨年の秋天以来の出走に加え、データ的には一銭も要らない9歳馬である。斤量データが勝つのか、それとも年齢的データが勝つのか。
■前走■
重賞 :7-8-7-55/77 9.1%、19.5%、28.6%
その他:3-2-4-57/66 4.5%、 7.6%、13.6%
格には捉われないハンデ戦のG3であるが、前走重賞組の方が優勢。
重賞組では、【2-2-5】のエプソムカップ組が相性が好さそうで、他にも目黒記念、安田記念、ダイヤモンドS、ヴィクトラリアマイルといった大箱の東京コース経由の馬の活躍が目につく。
重賞以外では、福島TVオープン組に注目。昨年は馬券になっていないが、【1-2-2】なので押さえておきたい。なお、前走1600万組は、その出走頭数は分からないが【1-0-2】と3頭が馬券になっている。
■オカルト検証~枠番7-7■
毎年必ずといって言いほど、予想外の売れ行きを示すのが「七夕」賞にちなんだ枠連7-7。
前日最終オッズで枠連7-7は39.5倍である。7枠に入ったのは一昨年3着で、8歳馬のサンライズベガと2年以上勝ち星から遠ざかっているスマートステージ。単勝人気は、それぞれ60.3倍(16番人気)と39.7倍(15番人気)。ブービー人気とブービーメーカー人気での組み合わせで枠連39.5倍は、明らかにおかしい。まともなら枠連万馬券になってもいいくらいの人気のない馬同士の組み合わせなのに。現に馬連では198倍もつけている。今年もまた七夕の7日に前売りで枠連7-7を買った輩が何とも多いことか。
目の前で若いカップルが「七夕賞だから7-7ね♪」などとほざくのを聞くたびに、「そんなもんで馬券が当たれば世話ねえよ」と思いながらも、カップルだけが当って喜ぶ姿を見るのも何だかシャクなので、いつも追加でこっそりと買ってしまうのだが、当たったためしがない。
あのカップルもさぞかしがっかりしていることだろうと思うと、まさにメシウマ状態なのだが、こちらの懐も痛んでいるので、そろそろ枠連7-7の呪縛から解放されたいと思い、調べてみた。
手元にある86年以降の過去26年のデータを調べてみると、枠連7-7で決まったのは86年の1回のみで、7枠の成績は8勝2着3回。この数字がどうなのかは比較対象がないので何とも言えないが、決して七夕賞だから7枠が他のレースよりも馬券になっているということはあるまい。これで踏ん切りがついた。今年からは、こっそりと枠連7-7の封じ込め馬券を買わなくて済む。
と言いつつも…
★13サンライズベガ…アドマイヤベガ×シアトリカル
★14スマートステージ…ジャングルポケット×SS
何も枠連7-7に捉われているわけではなく、血統傾向的な裏付けは2頭ともちゃんとある。
まず、年齢的データからは消しの8歳馬サンライズベガであるが、年齢的な上積みもないのに加えて、3走続けて二桁着順が嫌われ、最低人気。だが、一昨年は1番人気で3着に入った馬。
その血統構成は、過去9年のうち7勝をあげているSS系×ノーザンダンサー系。さらに母父ヌレイエフ系は今開催で2勝(うち1勝は昨日)をあげており、父アドマイヤベガの母父は七夕賞と相性が好く、また今開催のコース傾向で活躍しているトニービンである。
そして、スマートステージの父ジャングルポケットはトニービンの直仔なので、こちらも血統傾向とコース傾向に合致する。
40倍を切るような枠連7-7は、宣言通りに買わないが、ほぼ2万馬券が見込める馬連は買うことにする。
決して枠連7-7を気にしているわけではない。いや、マジで。